2015年03月30日

美術の街で、2つの再会

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昨日は、ユヴァスキュラからバスで1時間半ほどの場所にある小さな街、マンッタへと、とある取材とふたつの再会目的で訪れてきました。

再会ターゲットその1は、2年前にユヴァスキュラで個展を開かれたときのブログ記事がこちらにも残っている、カヤーニを拠点に創作活動に勤しむ同い年かつ同郷出身の日本人アーティスト、まゆみさん(公式サイトはこちら!)。この時の個展のあとも、ユヴァスキュラに縁故のあるまゆみさんとは一二度地元で会っているのですが、今回は彼女が、この小さな田舎町マンッタの潤沢な資金&知名度の泉ともいえるとある財閥の運営する私立美術館主催のレジデンスとして一ヶ月滞在し、ちょうど先日から成果発表の展覧会も始まったということで、訪問を決意したのでした(取材名目は、あくまでその後にプレゼンして取り付けたものw)。

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残念ながら彼女の作品やその場所については写真も情報も今ここで多くは載せられないので、またいずれ世にでる予定の記事でお楽しみください。というわけで上の場つなぎ写真は、まゆみさんの使っていたアトリエで発見した(おそらくパーヴォ・トゥネルの作品と思われる)美しいフォルムのランプです!他にも歴史と財力の織りなす素敵なディテールがたくさんの空間。しかもレストランのランチが美味しすぎる!!
さぞ滞在中、創作意欲も掻き立てられたことでしょう。

まゆみさんとは、フィンの地方都市で自由人なフィン夫と暮らしながら先行きわからんフリーランス業が面白くなってきて反面だんだん浮世離れしつつあることを自覚している悩める神戸出身31歳大和撫子、という類まれなる共通項を持つ者同士、今回もたくさん我が身について語り合い、傷を舐め合い?、アラサー女子なるもの不可欠な同胞トークの力で最近の疲れもずいぶんと癒えた気がします。あ、もちろん昨日見てきた財団所有の数々の芸術作品からの影響も大きいとは思いますが!

もうひとつの再会というのは、イントロ写真に載せた絵葉書に描かれた人物…の絵画なのですが。絵画好き&クラシック好きなら、これが誰の描いた誰の肖像画かご存知でしょうかね。
正解は、フィンランドの歴史的画家アクセリ・ガッレン=カッレラが描いた、オーストリア出身の偉大なる作曲家グスタフ・マーラーの肖像画なのです!!なぜ当時(絵が描かれたのは1907年)に、フィンランドの画家がオーストリアの作曲家の絵なんかを書くことになったかといえば…その間をとりもった三番目の人物こそが、そう、フィンランドの国民的作曲家、シベリウスだったのです!まさに1907年、マーラーはフィンランドを訪れシベリウスを会見していた記録が残っているのですが、このときの二人の(初対面の照れ隠しなのか同じ作曲家としてのライバル心理が働いているのか)会話の噛み合わなさっぷりが、記録に露呈していてオモシロイです。挙句の果てに「私にあなたのどの曲を指揮して欲しいかね?」とマーラーが尋ねたときのシベリウスの応え:「…どれも結構です…」wwいやいやそこはお世辞でも何か言っておきなよシベリウス!(でもなんだかんでシベリウスはマーラーの作品がすごく好きだったんですよ。日記では彼の作品を礼賛したり気にかけている記述が散見されます。)
そしてシベリウスとカッレラが「シンポジウム」という名のジャンルを超えた芸術家グループに属した気の合う友人同士(を装った飲み仲間w)だったのは周知の事実。二人はちょうど同い年でもあるので、つまり今年はガッレンカッレッラの生誕150周年でもあるんですよ、あまり今のところ祭り上げられている雰囲気はありませんが。
というわけで、ガッレンカッレラも何かのタイミングでシベリウスを介してマーラーと対面するきっかけがあったのでしょうね。そのときスケッチがなされたのか、ともかくこの幻の?肖像画の存在は、私が以前にシベリウスとマーラーの関係に関するコラムを依頼されて執筆していた時に偶然知って、ならばぜひ記事に掲載したい!!と思い立ち、作品を所有先を突き止め、画像借用のメールを送ったのでした。そう、その依頼先が他でもなく、昨日訪れたマンッタのセーラキエス美術財団だったのですね。
というわけで、私は以来長年、快く掲載をOKしてくださった印象の良いこの財団の本拠へ、いつか必ずマーラーの実物を拝みにいかねばと密かに思い続けていました。何せガッレラの作品だけでもものすごい点数を所有している財団なので、もしかしてお蔵入りしている可能性も…と懸念していましたが、ちゃんとこの作品は展示作品として壁にかけられており、しかも昨日一日案内してくださった学芸員さんがこの私のエピソードをして最後にポストカードまでプレゼンとしてくださいました。ああ、想像以上の形で、ようやく夢叶ったり。

いろんな意味でいい機会を与えてくれたまゆみさん、本当にありがとう!

ayana@mänttä.fi


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サマータイム開始で、一気に夜の到来が遅くなりました!



posted by こばやし あやな at 05:29| Comment(0) | Mänttä_マンッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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