2014年11月10日

待望のシベリウス展!

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ヘルシンキでは、先々月まで(今は日本を巡回中の)トーヴェ展をやっていた国立美術館アテネウムで先日始まった、待ちに待った「シベリウスと芸術の世界」展を鑑賞してきました。このオープンを待っての上京だったくらいで。なんたって個人的には、トーヴェ以上に身近で思い入れの強いシベリウスの密着展ですからね!!

音楽以外の芸術分野に大変造詣が深く、当時活躍していた国内のあらゆる芸術家たちと親交のあったシベリウス。彼が作曲に没頭した自邸アイノラの壁にも、実にたくさんの絵画がかけられているし、彼自身さまざまな調性にイメージ色を当てはめていたというのも有名な話。
そんな作曲家シベリウスの生涯や作品と、彼をとりまく絵画・彫刻芸術とを引き合せるという趣旨の今回の展示会は、名だたる芸術家たちに描いてもらった肖像画や顔面彫刻の一堂に会した間から始まり、木や自然、カレワラ神話、死といった、シベリウス作品お馴染みのモチーフごとに集められた国内アーティストたちの作品(同世代の巨匠から現代まで)、録音レコードや楽譜などのジャケットデザイン展示、ヘルシンキの観光名所としてもお馴染みのシベリウス公園のモニュメント製作ドキュメントなどにまで及んでいました。

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こうした関連芸術作品とともに、音に、彼の所持品に、そして生の貴重資料に彩られた展示会場は、シベリウスファンの自分にとっての最高に幸せな空間でした。ひとつひとつ目に訴えかけてくる世界が、私の大好きなシベリウスならではの音響の世界と見事に呼応して、その都度興奮を誘います。今回の鑑賞中はなんだかもういちいち舞い上がってしまっていてあまり細部まで冷静に見られなかったので、また改めてもう一度行こうかな。。

今回の企画展はもちろん、来たる2015年、シベリウス生誕150周年にあわせての旬の回顧展ですが、アテネウムでの会期は来年3月22日まで!9月のシベリウス音楽祭に合わせて観に来たい各国のファンも多いだろうに。。
ともあれシベリウスフリークの旅行客の方、来年に向けてシベリウス特集を企画予定の各メディアの方はどうぞお早めに来訪計画を。来年は聴衆として・奏者として、自身もたっぷりシベイヤーを堪能するとともに、何らかのお仕事にもぜひ関われたらと思っています。シベリウス関連で現地コーディネートや執筆者、翻訳者をお探しの際は、これまでの知識と経験を生かしつつ全力サポートしますので、ぜひぜひお声かけくださいね!

Ateneum / Sibelius ja taiteenmaailma
アテネウム美術館「シベリウスと芸術の世界」展




ayana@helsinki.fi


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ただ今のBGM:交響曲3番


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2014年10月07日

キュートな豚ゴルフと帰郷報告

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全9日間にわたる取材&買付け同行のお仕事がぶじに落着し、本日ひさしぶりの我が家に戻ってきました。…で、30分も休まないうちに、気を許せばベッドへと這いずっていきそうな体にむちをうってオケの練習へ…先週もお休みさせてもらったし、今週は中低弦セクをみなきゃならなかったので、さぼるわけにもいかず。みっちり3時間。帰宅。数件メール返信。今ココ。さすがに、今日はもう寝ます。今週はいくらか締め切りも重要イベントも控えているので、あともう一息、週末まではエンジン蒸かして前に進まねば…。

とある取材先で見かけて愛らしさにニヤニヤしてしまった、通称「シカゴルフ」。シカ(sika)=豚、というわけで、これらすべて芝ゴルフのパターであります。そういえば昔ブタミントンってあったよな。ついでに、水着みたいな生地がはってあるラケットでゴム製のウニみたいなシャトルを打つバトミントン、あれ久々にやりたい。

ayana@jyväskylä.fi


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支離滅裂も甚だしく、すみません…

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2014年06月15日

孤独な自宅作業

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昨晩から同居人の2人はそれぞれ身内の結婚式などで実家に帰っており、さらに相方も、目のこともあるし私が忙殺されている状況でまったく相手できないもので、ならばたまの親孝行にと急遽実家に帰省していったので、珍しくしんと静まり返った我が家で、孤独に作業を進めています。朝からまだ、口では誰とも喋っていません(笑)ちょっとつまんないけど、文句なしの仕事環境ではあります。時々手をとめて、同居人たちの部屋の観葉植物に水をあげたり、マンゴーをむさぼりながら窓の外に揺れる緑と木漏れ日をぼんやりながめたり。

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昨日行ってきた身体表現アートの祭典Reaktio Festivalは、どのパフォーマンスも予想を上回るキチガイぶりでした。ある程度こちらも全て真に受けないぞ、くらいの奥手な気持ちで望まないと、アートで心を潤すぞ!という気持ちで瞳孔開いて全部見てしまったら、精神がおかしくなってしまいそうなものばかり。会場はユヴァスキュラの古い製紙工場の廃墟。集って来ている人の風貌も、我が道行く無国籍な人が多くて、下手にマリメッコなんか着て行かなくてああヨカッタ、という感じ(笑)こんなアングラな場所で、こんなイカれたものばかりを見てわいわいやってるのを何も知らない警察が偶然発見でもしてしまえば、摘発されても致し方ない。。

前にこちらでも話した、お目当てのサーカス団Uusi maailmaの代表作Glovally wantedの久々再演は、前回見た時からメンバーが一人減って5人でのパフォーマンス構成になっていましたが、さすが世界中でお披露目し評価を得ているだけあってもはや鉄板!の完成度と安定感。われわれの保っている人体の常識、精神の常識が、ままよと舞台で崩壊してゆきます。そんな彼らの最新活動PVが先日上がっていましたので、どうぞ。



もっと昨日見た個々のアーティストについても書きたいのですが、昨日綴った事情により、そろそろ仕事に戻りますかね…

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かき氷が食べたいな

posted by こばやし あやな at 03:14| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月19日

ウーシマーイルマという新世界

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昨日はフィンランド全土で年に四回開催されるレストランデー(一般人が街の至る場所で自由に自作食品の販売ができる日)だったので、どの街でも街角のあちこちに個性豊かな出店が並んでいました。去年の5月のレストランでーには大学の日フィン交流サークルも腰を上げて一大プロジェクトを組み、1000ユーロ以上の利益は全額、日本の震災の寄付金運営団体に寄付することができました。

なぜそんなにどどんと収益を出せたかといえば、我が街ユヴァスキュラでは、毎年5月のレストランデーにかぶせるかたちで、街を上げての大文化祭(Yläkaupungin yö)が繰り広げられるからに他なりませんでした。終日(明朝まで)、大学キャンパスや美術館内、音楽ホール、劇場、ライブステージ、市民公園など至るところで、プロからアマチュアまでありとあらゆるアーティストたちが発表やワークショップの場を設けます。鑑賞・参加費はすべて無料!!最高のお天気に恵まれた昨日は、ユヴァスキュラ市民誰もが有無をいわさず外をうろついていたのではという盛況ぶりで、道も広場も大混雑。バーなどの多い中心街から郊外に通じる通りの入口にはすべて検問バリヤードが張られており、酒瓶をカバンに忍ばせていないかがチェックされるという「酔っぱらい封鎖作戦」が必要になるのもフィンランドならではですな(苦笑)

さて私は今年はとくに出店の意気込みもなく、知人が出している出店を冷やかし買い食いを楽しみながら、文化祭のほうは、毎年楽しみにしている贔屓団体のいくつかのパフォーマンスを時間チェックして観賞してきました。

毎年この街の文化祭での特別公演はもちろん、ユヴァスキュラ市内で行われる単独公演などにこれまでもかかさず通っているのが、サーカス・ウーシ・マーイルマ(Circus Uusi Maailma)というユヴァスキュラを拠点に活動しているサーカス団。サーカス団というとライオンや象やピエロが出てくるものを想像されがちですが、彼らはモダンバレエならぬモダンサーカス団と言ったらいいのでしょうか…ともあれ従来のサーカスとはまったく別物です。

アクロバティックな身体表現と奇抜なファッション・照明・音響効果を融合させた、もう何をもっても独創的としか言いようのないパフォーマンスで、とにもかくにも聴衆の目を舞台に釘付けにさせます。集団名は直訳すれば「新世界」なのですが、もうその名前こそがぴったり。演目には毎回タイトルこそつけられてはいますが、それなりの時間がかかる上演作品それぞれには、バレエや演劇のようなシナリオやストーリーは(たぶん)存在しません。全体を貫くのはただただ不穏でシニカルでグロテスクな世界観。セクシュアル、あるいは暴力的なモチーフもしばしば繰り返されます。それでもきっと彼らなりに何らかのメッセージを込めているのだろう、なにかを表現しようとしてるのだろう…という批評の目を凝らして「何か」を読み取ろうと毎回頑張るのですが、結局無謀に終わります…もう毎度さっぱりお手上げ(苦笑)
それなのに、毎回一瞬足りとも退屈しないし、モチーフが明らかに非正義なやつでも不思議と拒絶感は起きない。



こちらが、彼らの危ない魅力をユヴァスキュラから外へ、そして海外数カ国にまで押し出した代表作「グローバル・ウォンテッド」のPRビデオ。この作品の人気は特に高くて、今でもしばしば各地で再演されています。実はミッコの友人数人がメンバーとして出演しているということで2年前に初めて観に行った彼らの作品がこれだったのですが、終わったあと、曲がりなりにもアートジャーナリズムに携わっている身ながら、もうなんとコメントしてよいやら…放心状態で固まってしまった記憶があります(笑)

実は来月にユヴァスキュラで開催されるパフォーマンスアートイベントReaktio Festival(Reaktioはフィン語でリアクションの意)でも目玉アーティストとしてグローバル・ウォンテッドを再演するようで、他の作品も気になるしチケット買って参加してこようと思っています。このイベントのコンセプトは「Mindblowing performing ary festival」。マインドブローイング・パフォーマンス、これぞ彼らの世界に冠する肩書に十分なフレーズかと思います。なんでかわからないけど、とにかく心が揺さぶられる。…まあでもそんな言葉足らずでは書きもの屋失格だと思うので、今度このフェスで作品をもう一度生でじっくり見て、改めて感想を書き直したいと思います。

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あ、で…今回の文化祭用のオリジナル演目についてですが…、じつは毎回この街の文化祭だけで披露されるライトな演目は、18禁が強調されたものになっています。今回の演目タイトルもズバンと直球「CUM BOYS」。CUMは表向きCircus Uusi Maailmaの略称ロゴではあるのですが…まあ、英和辞書で引いていただければ暗黙の真意がわかっていただけるかと。全三回公演だったのですが、私たちが駆けつけた初回は、30分も前から会場であるコンセルヴァトアールの建物の横に長蛇の列が。ユヴァスキュラの皆さん…下ネタ、いえいえゲテモノアートが好きですこと(笑)内容は毎度ながらもうあまりにやりたい放題だったので、あえて描写も感想も綴りません。別の回にCUM初鑑賞という私の友達もたくさん行ってましたが、絶句モノながらに不思議と拒絶反応はなく楽しんでる自分がいたと口々に証言しており、そこがやはり彼らを貫く魅力なんですかね。

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彼らの演目以外では、これも毎年恒例ユヴァスキュラ交響楽団のファミリーコンサートを楽しく鑑賞し、そのあとセントラルをぶらつくなかでたまたま見かけたフォークもどきのバンドのライブが思いがけず良かったので、アンコールまで聞き入ってしまいました。すでにファンも多いようで、熱狂しながら音に揺れている取り巻きもいっぱい。そのときはバンド名さえもわからなかったのですが、後で調べて、このHermanni Turkkiというまだまだ結成まもないながらすでにフローフェスなどにも出演してる急成長バンドであることが発覚。こちらも今後動向に注目したいリスト追加決定です◎



…と、今年も十分に楽しみ尽くしたユヴァスキュラ文化祭。この手のイベントをやっている街はかつては地方にも多くありましたが、予算の関係でやめてしまったところが多いそう。文化振興活動に力をいれているユヴァスキュラはプロからアマまで素晴らしいアーティストたちも、彼らを応援する優良鑑賞者たちも、その間をさすらうヒッピーたちも(カルチュラル・プアーとも呼ぶ笑)多く、この良い意味で混沌とした雰囲気は私のふるさとのひとつ高円寺のそれを思い出させてくれます。今後も予算削減の波に飲まれず、いつまでもこういうアツいイベントが存続してくれるなら、私もずっと今後もユヴァスキュラを愛し続けて生きていきます!

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明日の予想最高気温がなんと28度。よっしゃ湖いくぞ!

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2014年01月17日

見惚れる湖上アート

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湖の上をようやく人が歩けるようになったお話は昨日しましたが、今日、そんな湖の一角に目を見張る地上絵を発見!!下書きのできない地面を前に、頭のなかで図柄のイメージを持って、一歩も迷いなく歩いていかないと、こんなアートを浮かび上がらせることはできないはず…いやはや、湖の街には素晴らしいライブペインターがいるものです。

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まだまだ、こんなに無地のカンバスは広がっていますよ〜。雑踏で荒らされないうちに、また誰かすごいのを描いて街人を楽しませてくれないかしら。

ayana@jyväskylä.fi


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今季は講義がどれも楽しい!

posted by こばやし あやな at 03:10| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月15日

ジンジャークッキーの名建築

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フィンランドでは毎年この時期、クリスマス準備の一環として卓上に飾るためのジンジャークッキーハウスを作るのが習わしなのですが、ユヴァスキュラ日フィンサークル勢は毎年、一歩先をゆくお菓子の家づくりに勤しむのが習わしです(笑)

例年日本の名建築シリーズに挑んでいるなか、今年我々が挑戦したのは京都名景三部作。東寺の五重塔、伏見稲荷、そして金閣寺をどうにかこうにか完成させました!
総製作時間はこれだけの人数を動員しても約9時間!合間に豚汁を炊き出し、握り飯をほおばりながら作業に勤しむみんなの姿は、土木作業員そのもの(笑)完成後にみんなでつついたお手製すき焼きと味噌ラーメンも美味しかったなあ…お菓子の家づくりに励む一日は、フィンランドらしさも日本らしさも一挙両得できる冬ならではの娯楽日です。

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明日は一日レポート書くぞと。


posted by こばやし あやな at 06:26| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月15日

2つのゴッドハンド

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今日はこれぞゴッドハンド!と讃えたくなる凄腕を持った2人の女性との出会いがありました。

まず、なんやらかんやらで先延ばしになりようやく今日実現した、最後の親知らずの抜歯現場にて。市内の私立歯科で処置をお願いしたのですが、担当の女医さんが(推定50代のおばちゃんなんですが)、麻酔準備をしながら「麻酔が切れても腫れないし、極力痛みも出ない処置をきちんとしてあげますから、任せといてね」とたのもしい言葉をかけてくれ、いくらなんでも痛くもならないというのはありえんだろう…とさすがに半信半疑だったのですが。
いざ施術に入って、だいぶ横に倒れてた歯だったので厄介な切開手術になるかもと聞かされていましたが、なんと埋まってた歯が、根もすべて1つにつながったままのつるんとしたでっかい米粒のような未熟歯だったため、粉砕することなくぐりっと一気に抜き出すことに成功しました。その間、麻酔を打ってからわずか2,3分。むしろその後、ものすごい鮮やかな手つきで次々に止血や清掃、消毒処置を時間かけて施してくださり(麻酔が効いていて何をされていたかはイマイチわからなかったが)、結局イメージにあるようなずっと綿を噛むといった手順も一切無く、あれよという間に処置終了。

日本ではこのあとやたらいろんな化膿止めや頓服剤を処方された覚えがありますが、除菌効果の高いデンタルリンスでの1日2回のうがいを勧められたぐらいであとは一切処方薬もなく、しかも数日後に消毒に通う必要もないと断言されました。気をつけるべきこととしては、2−3時間ぜったい何も口にしない、飲まない、うがいもしない、そして終日運動や飲酒、シャワー、お喋りを控える、とのことくらい。で、今すでに6時間以上たって麻酔もとっくに切れているのですが、腫れるどころかなんと一切痛みが出てこないのです!!抜歯したことをまったく忘れていられるくらいに。
出血も止血してもらってからは一切なかったし、体調も普通だし、夕食も普通に美味しく食べられました。あの女医さんの過剰なまでの自信はニセモノではなかった…どころか、まさに神がかった腕前の持ち主だったのですね…それともこれが歯科医療先進国フィンランドのスタンダードなんでしょうか。ユヴァスキュラで抜歯を考えてらっしゃる方、Plusterveys Yrjönkatu Jyväskylä のPirjo Paavola-Holopainen 先生、強くオススメします!ちなみに治療費は学生保険から出るのでありがたくもタダ。これで煩わしい親知らずともようやく縁が切れて口も心も晴れやかです♪


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そしてもう一人のゴッドハンドの持ち主(とその作品)に会いに、夜はユヴァスキュラ市内の某ギャラリーへ。これまでずっとネット上でのお付き合いだった、同年齢同郷出身の在フィンアーティストまゆみさんが、初の個展をここユヴァスキュラで開催することになり、そのオープニングパーティに足を運んできたのでした。大学の日フィンサークルの仲間にこの展覧会の話をしたら、思いがけずたくさんの人が一緒に見に来てくれることになりまして、なんと15名ちかい大所帯でわらわらと参加(笑)まゆみさんとは昨日個人的に初対面を果たしてしばらく飲みニケーションしてたのですが、とにかくいろいろ共通項のおおい人で価値観も合うし、同じ街に住んでたらさらにいい友だちになれるのに、とちょっぴり悔やまれます。これまでどちらかというと言葉でうかがい知ることのほうが多かった彼女の作品世界は、とても奥深く観念的なのだけど、想像していたようなシリアスさが直球で迫ってくるわけでもなく、むしろポップで軽やかで、親しみやすかった(だからなんか皮肉的でもあるんやけど)。そしてとても技能が高く美しい…!(フィンランドのファイアートで、あまりこういう細やかかつハイクオリティな技術が目をひく作品って意外と乏しいので…)

いいなあ、こんな絵がかける才能と実力があって、作品を堂々と人前に出せて、自分をペインターと名乗ることができて。と、ひと昔前の自分ならただただ羨んでいたに違いない。自分だって、「描く」でなく「書く」を職業として掲げられるくらい本気で突き詰めてみたい。でも、正直「書く」って「描く」以上に誰にだってできちゃうし、これといった専門学校も資格も競技もない、ある意味名乗ったもん勝ちのジャンルだし、そんなアバウトな世界でいつどんなタイミングで自分に自信をもっていいのか、これが私の道だと自分で認めてやれるのか…。これまでずっとそのことで悩みつづけてきたし、ひたすら心細い思いであがき続けてきました。でも最近ようやく、ちょっとずつだけれど、私もプロのライターとしての自分を客観評価できるようになってきた気がするのです。誰に教わったわけでもない「文章を書く」ということに対して、自分なりのノウハウや勘、そして自己表現力をコントロールできるようになってきているのを実感できているし、ひとつひとつの成果に対しての厳しい自己批判とわずかな自信の両方を、すっと胸に納められるようになってきたかな、と。

今日作品を見せてもらったときも、昨日喋っていたときでも、互いに半運命的な経緯でたどり着いてしまったこの国で、とにかく自分で自分の看板を建ててなんとかやっていくしかないよね〜というほどよい刺激をもらえたし、心にゆとりのでてきた今このタイミングで、同世代ファイター(笑)のまゆみさんと会えて本当によかったな、て思います。

Mayumi Niiranen-Hisatomi:
Kadonneet muistot äärettömässä ajassa

15.8. - 12.9.2013
Galleria Gloriassa, Matarankatu 6, Jyväskylä

※個展情報・作品コンセプト(日本語あり)はこちらから


ユヴァスキュラのセントラルから歩いて行けるギャラリーなので、機会がある方はぜひ!在フィンアラサー同胞アーティスト(笑)Mayumi Niiranen-Hisatomiさんのことも以後どうぞお見知りおきを!

ayana@jyväskylä.fi


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痛みもなく、素敵な作品に感化されて、今夜は熟睡できそうだ。


posted by こばやし あやな at 06:35| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月19日

日本の森・フィンランドの森

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先週のワークショップの会場は、ユヴァスキュラ市立美術館の一室だったもので、この二日間は無料で美術館の展示室にも潜り込むことができました。そこで出会った今この美術館に来ている企画展が、(あろうことか事前にはまったくノーマークだったのですが)なんと日本が大きく関わっている写真展だったんです。

写真展のタイトルは「Kultainen metsä(親愛なる森)」。撮影者のリトゥヴァ・コヴァライネンさんは、2009年に日本の四国を巡って日本の森や人々の表情などを撮影取材していたそうで、今回の展示会は、日本の森とフィンランドの森の雰囲気の対比がひとつのテーマとなった、大変興味深い作品展でした。美術館の一階はすべて日本の森や木々、そして日本人の表情を写しだした写真。続く2階に、さまざまな着眼点で写されたフィランドの森の写真をパッチワークのように紡いだ作品から、いろんなフィンランド人達が森について語る言葉を織り込んだ映像作品まで。じっくりと木や森の写真ばかりを見ていて、なぜでしょうか、気がつくと涙腺が緩んでいました。現在の自分はこの両方の森に馴染みがあって、両方を故郷の森として感じられる…とても幸せな観覧客ですよね。

樹齢も、たくましさも、そこに棲む神の姿もまったく異なる2つの風土の森の対比。それをフィンランド人サイドのフィルターを通して覗くというのは実に新鮮な経験でした。フィンランド人にとってのフィンランドの森は、畏敬というより親しみやすさ、いつでも駆け込んで身をおくことのできる心の拠り所としての存在感が強調されていましたが、いっぽうの日本の森は何よりも「神」の住む崇高で畏れるべき場所、その神聖さが作品やテクストを通して強調されていたように思います。

特に神道の「神」という概念(?)に撮影者は強い興味を抱いているらしく、「Kami」とは何かについての補足文も用意されていました。そこでは、フィンランド語のいわゆるgod(jumala)という翻訳言葉は一切つかわれておらず、神道のkamiとは、実態がありイメージが描けるような「誰か」ではなく、人間のおのおのの心が感じ取る「何か聖なる存在」であること。だから神は万物あらゆるものに宿ることができる…というように、私でさえなるほどと納得してしまうような、ある意味とても的をえた巧みな説明がなされていたのも印象的でした。まあ、フィンランド語の法則に則って、kamiの複数形がkameja(カメヤ)になってたのはちょっと笑ってしまいましたが。

展覧会はこの後半年ほどかけて、中部フィンランドの諸都市の美術館を巡回するようです。せっかくだから日本でも公開されたらいいのになあと思うのですが、どこか誘致してくれないかしら?

ayana@jyväskylä.fi


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今日は久々のオケでがっつり楽器を弾きすぎて肉体疲労が半端ない…

posted by こばやし あやな at 06:18| Comment(2) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月16日

久々の陶芸日記

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長らく日記には登場していなかった気もしますが、週に一度の陶芸ライフは地味に続いています。といっても、先週・先々週は本番とそのリハで行けなかったので、今日は久しぶりの土との触れあい。

師匠のマルックは、接していてなぜかとても岡山のじいちゃんを思い出させてくれます。外見や口調はもちろん違うけど、何かにつけて生徒たちに挑発的な冗談を飛ばしては一人でクックと笑っていたり、突然なぞなぞを出題してきたり、気を良くするとやや調子っぱずれた鼻歌を歌い始めたり…あと、何よりも、作業を手伝ってくれるしわがれた手が、昔帰省のたびにそばで見ていた、いろんな作業を器用にこなすおじいちゃんの職のついた手にそっくりなのが、一番の理由かなあ。
彼は、いつも私のことを「コバヤシ!」と呼びつけてきます(普通はみんな下の名前で呼び合いますから)。始めて名乗ったとき、おぉコバヤシイッサのコバヤシか!とピーーンと来ていたのを今なお引きずっているのでしょう…。私が何を作り始めても、「それは日本の船か」「それは日本の浴槽か」と、なにかにつけて日本由来の着想にこじつけたがります(笑)
前にも書いたけれど、彼はもちろん日本の陶芸への造詣も深く、人生で出会った2,3人目の日本人らしい私に、いつも興味津々で和の文化について尋ねてくるものの、いつもまともな返事が返せず申し訳ない…。

生徒さんは私と同世代の子は意外にも少なく、一番多いのは主婦層。おばちゃんたち同士が、土をこねながら延々ぺちゃくちゃと繰り広げる世間話を盗み聞きするのもなかなか楽しいもの(笑)旦那の愚痴とか今年のクリスマス料理をどうするかだとか、ところ変われど井戸端会議のトピックは世界共通なんでしょうか。

私は基本的に一人黙々と自分の作品作りに没頭している方だけど、作業の合間や片付けのときなどにいつも軽く喋るのは、栄養士の専門学校に通っているという、歳は私より10近くも若いけど実に大人びているエリナ。高校の時に市民講座で少し日本語を勉強していたこともあるらしく、日本の伝統文化や料理文化へのあこがれが強くてこの陶芸講座にも参加しているのだとか。和食器の使い道(どんな料理をどんな器に盛りつけたらいいのかだとか)についてなど、いろいろユニークな質問をしてくるので、逆にこちらもあれこれ尋ねつつ楽しく問答しています。


…陶芸日記というよりただの人間観察日記ですね、こりゃ。作品はまだ、成形が終わっていても乾燥段階で何も焼きあがってはいないので、いつか無事に窯から作品が出てきた日にはお見せします。ちなみに上の写真ももちろん作品でもなんでもなく、うちの本棚の上の、枯れ切った花が妙にアートな雰囲気を醸し出してるのでしばらくそのまま放置することにした花瓶、であります(笑)

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もう金曜日か、今週はやけに速かった…



posted by こばやし あやな at 05:41| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月21日

秋なもので

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秋ですなぁ。
こちらの言葉に、◯◯の秋というのは特にありませんが(気候が良くて過ごしやすい季節は、そりゃやっぱ秋より夏なので)、自分時間はもっぱら芸術の秋、そして読書の秋を謳歌しています。

今日は放課後に分刻みでオケと陶芸教室をハシゴ。
今シーズンから、街のコンセルバドワールのオーケストラプロジェクトに正式なビオラメンバーとして来ないかとロシア人の指揮者の先生直々にお声かけいただき(※要は人不足)、よいお話なので躊躇せず引き受けてみることにしました。曲目が、ベートーヴェンの1番にプーランクのオルガン協奏曲、フォーレのパヴァーヌ…と斬新で素敵なラインナップです♪

陶芸教室では、いよいよ手こねで自分の作りたいものを…ということで、今日はものすごく現実的に、こちらで類似品すらなかなか手にはいりようのない、和食盛り付け用の長皿や浅皿をもくもく増産(笑)先週も書きましたが、土を捏ねたり成形している時間は、脳も同時にエアーマッサージされているような気分になり、とても気持ちが安らぎます。


読書というのは、この秋からフィンランド語の文学作品もあれこれ少しずつ読み進めてみています。最近、授業を通してとても自分にしっくりくる作家に出会えたので、またいずれここでもご紹介できればと思います。

ayana@jyväskylä.fi


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今日は珍しく移動中にアラレに降られた


posted by こばやし あやな at 05:38| Comment(0) | Suomi×アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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