2013年07月09日

ピュア・フィンランドに癒される

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飛び入りのお仕事をいただき、今日は日中ユヴァスキュラの要所をご案内したあとで、久々にとなり町ペタヤヴェシの世界遺産の教会まで。

ここはいつきてもホント癒されます。東からも西からも本場の文化や技術が流入しにくかった中部フィンランドだからこそ残っている、地元の棟梁が想像力を発揮してつくった教会建築や内部の聖人・天使たちの像の数々。

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岡本太郎作品でもバカ殿様でもないですよ、ええ。
いつもここにくると、国内で一番純粋で素朴で微笑ましいフィンランドの歴史に触れられるような気がして、ただただ和まされます。これがかの法隆寺や東大寺と同等の木造宗教建築の世界文化遺産にというのはややおこがましい気がしないでもないですが、「がんばったで賞」はあげてもいいかな、という気にさせてはくれますね(笑)

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↓先月ちょうどall aboutにも記事を書いたので、詳しくはこちらでお楽しみください!

★フィンランド「ペタヤヴェシの古い教会/フィンランドの世界遺産」
http://allabout.co.jp/gm/gc/419342/

ちなみに、

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ユヴァスキュラからペタヤヴェシに向かうまでのローカル列車…短すぎワロタww

ayana@jyväskylä.fi


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明日も半日、生活圏内のアールト建築をご案内!


posted by こばやし あやな at 05:23| Comment(0) | Petäjävesi-ペタヤヴェシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月29日

世界遺産・ペタヤヴェシの古い教会

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ケウルーからふたたび列車で(←昼に1本、夜に2本という過酷な運行状況なので、時間厳守!)ユバスキュラ方面に引き返し、次に降り立ったのは(やっぱり無人の)ペタヤヴェシ駅。
この駅からしばらく歩いた先に、1994年にみごと世界遺産への登録を果たした「ペタヤヴェシの古い教会」が佇んでいます。「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」というのが選考基準で、具体的には、北欧における伝統的な木造建築技術を示す建造物としての価値が評価されたのだそうです。


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通りひとつで完結した街の小さなセントラルを抜けて、教会までのアプローチとして伸びる林道からの景観が、またとびきり素晴らしいです。これぞフィン湖水地方の典型風景であり、真骨頂!と思わせてくれる、絶え間ない森と湖のかけあい。
この地方の教会は、意図的に、こうした湖畔に建てられたのだといいます。それは、ボートで水運を渡り、遠方からでもより多くの村人が楽に教会に通えるようにするための計らいだったとか。当然冬場は湖が凍結して雪をかぶってしまいますが、それによって出現する真っ白な歩道を通じて、寒い冬にも教会に通う人足は絶えなかったのだそうです。歩道や車道が整備された上、宗教離れの進む今となっては、それももの珍しい過去の光景になってしまったのかもしれませんが。

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これが本当に世界遺産へと続く道なのかと疑いたくなるくらい、誰にも出会うことのないひっそりとした白樺並木を抜けた先に、いよいよ教会が姿を現しました。以前訪れたときは、夏真っ盛りの力強い青空と濃い緑に包まれた風景の中に見て、この燻されたようなセピア色とのコントラストが美しかった印象が残っていますが、今回は、太陽光線もいくぶん落ち着き、周囲の草木が徐々に黄色く色づき始めた初秋らしい景色の歩み寄りによって、古びた一枚の写真のような、より調和的な風景としてやさしく目に映ります。


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この古教会は、ケウルーの教会とほとんど同時代の、1763年から1765年にかけて建造されました。ここでの現場監督を務めた棟梁の名は、ヤーッコ・レッパネン。およそその60年後には、彼の孫たちが祖父や父の遺志を次いで補修や改築に着手し、さらに手前の鐘楼の完成させたのだそうです。どことなく、中央ヨーロッパのルネッサンス時代の教会建築を思わせる端正な姿。近づいてみても、角材といいシングル葺きの屋根といい、部材一つ一つがあくまで人の手を介しながらも丁寧に画一化されているのがわかり、作り手の熱意と繊細さが十二分に伝わってきます。またそれと同時に、この教会の抜群の保存状態のよさから、いかに街や国が、とりわけ厳しい自然環境からこの貴重な建築を大事に守り続けてきたか、ということもしっかりと感じとることができます。


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鐘楼内部と礼拝堂をつなぐ短い渡り廊下の頭上には、ヘルシンキのテンペリアウキオ教会の印象的な円形天井を思い出させる、巨大な円盤型の碑が張り付いています。内部の壁面という壁面に徹底的に彩色を施したケウルー教会と異なり、この教会の内部は、部分的なデコレーションをのぞくとほぼ無着色で、木材のありのままの素朴な色と質感が全体をくるんでいます。なので、入り口の頭上を覆う異質なほど真っ青な円盤はとてもインパクトがあり、別世界からこの世を司る存在の神秘性をふっと感じます。


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礼拝堂でやはりもっとも印象的なのが、まさに本場のクーポラを意識した、高天井に突き出るドーム状の円蓋。とはいえ、もちろん木材は溶かして型に流しこんで…なんてできませんから、そこには昨日も主張した、生涯木とだけ向き合ってきた地元棟梁たちならではの技と知恵が光ります。そして、天上からさがる装飾キャンドルライトもまた、見事な木工作品(実際に使ったら燃えそうだから、あくまで装飾なのかしら?)。

よく語られるのが、このドームの端々に隠すことなく書かれた、少し奇妙なアルファベット。これは、この教会の建造に携わった大工たちがみずから書きこんだイニシャルなんです。十分な教育を受けず文字なんて書き慣れていなかった職人さんたちですから、揃いに揃って「S」が逆向きになっちゃってるんですよね〜笑(ひとつだけ、偶然にも?正しいのがあったんやけど)ともあれ、絵画じゃあるまいし普通は建築作品のめだつところにサインなんか入れないものだろうと思いますが、このイニシャルは棟梁たちの自信と満足感の証なのでしょうか。なんだか微笑ましいですね。


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もうひとつこの礼拝堂内部で見逃せないのが、実に独創的な説教壇のデザイン。なんと、ひとり聖人さんのこけし人形が柱となって、頭で説教壇を支えているのです!


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…いやあ、それにしても衝撃的な出で立ち。聖人というか、むしろその辺のベンチで飲んだくれてるおっちゃんの表情とそう変わらない…なんて言ってはバチがあたるでしょうか。。。


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そしてその周囲を舞う天使たちもまた…岡本太郎への委託作品かと思われるくらい、他では見ない独創的な表象となっております。これが、伝え聞きだけで内陸の棟梁たちの頭のなかに宿った聖人や天使のイメージだったんですかね。そう思うと、元来独自の自然信仰があったにも関わらず他所から流れてきたキリスト教という強大な宗教の波が、彼らにとっていかにまったく余所からの新興信仰にすぎなかったかという事実にまで思いをはせずにいられません。フィンランド=いちヨーロッパという認識にさえ疑問を持ちたくなる歴史的現実です。


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先に述べたように、この教会は局部をのぞいてほぼ全体が、無着色の木材で組まれていて、ケウルーと比べてもとても朴訥とした印象を持ちます。でも、この素朴さとほのあたたかさこそが、煩悩まみれで高ぶる心を安らぎで満たし、祈りに集中するのに最適な、極めて敬虔あらたかな空間なのかもしれません。
まあ正直に言って、これがかの法隆寺や東大寺と同格の世界遺産の木造建築だなんて、日本の宮大工たちが怒ってきてもおかしくないんじゃないか…と申し訳ないくらい、規模や技術の差は疑いありませんが、そこはひとつ、この国の歴史と風土の特異性に免じて、「うんうん、よく頑張ったよね」というおおらかな心で観に来てあげてくださいネ。


おまけ1。

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教会の敷地内には、ひとつひとつよく手入れされた墓石がまばらに立っています。そしてそのそばには、誰かが花と一緒に飾ったのか、はたまたお供え物か、というくらい立派な巨大キノコがにょきにょき生えていて思わず笑っちゃいました。



おまけ2。

ここまでの写真をご覧になってわかるように、曲がりなりにもれっきとした世界遺産の一つでありながら、観光客は(土曜の昼下がりにもかかわらず)ほっとんどおらず、教会や街も、なーんの集客アピールもなし!!(しかも、WCの看板の矢印が指す先は、大自然の草っ原だった。。。)
こんな一大観光資源をここまで持て余してて、いいのかフィンランド!?

唯一入り口でこそっと販売されていたグッズの中に、衝撃的なポストカードを売っていたので、反射的に購入してしまいました。

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じゃん!


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じゃじゃん!


こ、これは。。。

実際には胸部までしか存在しない先ほどの聖人の、残りを推測で補った…いやむしろ、推測を放棄してモジモジ君ルックスでカヴァーした、まさかの起立した全身像!!!


何かにつけて商売のことしか考えられないセコイ日本人としては、このキャラクターこそ、かのせんとくんに比肩する第二のキモキャラとして、ペタヤヴェシ教会のPR担当に起用すればええやん!!と思わずにいられないのですが、日本の皆様、いかがでしょう…?(よいネーミング公募いたします!)
聖人饅頭ならぬ聖人キシリトールとか聖人シナモンロールとか売り出したら、新手のよいフィンランド土産になるのでは?


…スミマセン、フィンランドの世界遺産なんて、この商売っけゼロの手付かず感がいいんですよね、そうですよね。

ayana@petäjävesi.fi


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さ、お昼の買い出しいってこよ。
posted by こばやし あやな at 16:31| Comment(2) | Petäjävesi-ペタヤヴェシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

中部湖水地方の素朴な古教会にであう旅

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今日は、この街に越してきて出会った日本人の研究者の方へのフィンランド観光ガイドを兼ねて、ユバスキュラからローカル列車に乗ってちょっとお出かけ。世界遺産指定の木造教会をはじめ、東西隣国の影響が流入しにくかった分個性的な文化が育つこととなった、中部湖水地方ならではの素敵な古教会めぐりをしてきました。

奇しくも今日は、これが今年最後の夏日なのかなという予感がおそらく誰もによぎった、久々の真っ青な空に眩しい太陽が輝く、絶好のお出かけ日和でした。これらの教会には個人的にも思い入れがあり、じっくりその魅了をご紹介したいので、詳細はまた明日に綴らせていただきますね。ではでは

ayana@petäjävesi.fi


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今日は一日よく動いたので熟睡できそう
posted by こばやし あやな at 07:02| Comment(0) | Petäjävesi-ペタヤヴェシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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