2011年07月23日

真夏のメリークリスマス

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昨日のノルウェーの事件のことは、もちろんこちらにもすぐに伝わってきました。

まっ先に頭に浮かんだのは、オスロに住む何人かの知人の安否。彼女たちの方から、FBなどで無事であることを周知していたので、ひとまず安心して、あなたが無事でよかったよとメッセージを送りました。でもそういえば震災の直後、やはり自分も世界中の友達から安否を気遣うメールやメッセージをもらって、私や家族は大丈夫だよと答える度にそれならよかったよと返事が返ってきて、いやいや私は大丈夫でも私のすぐ周囲はちっとも大丈夫ちゃうし!!と複雑な気持ちに陥ったことをふと思い出しました。

互いに他言語を借りてのやりとりなので、もちろん本人たちがどういう心情でその言葉を書いたかはわかりません。でも、今まさに彼女たちも、あのときの自分と同じ気持ちでいるのかもしれない。そしてもちろん、まださらに何が起きるかわからない恐怖とも戦っているはずです。私たちさえ、北欧というくくりをつい意識してここで戦慄いているほどです。
だから、自分が顔を思い浮かべられる相手だけでなく、その家族、友人、お国の同胞…できるだけ多くの人の悲しみや恐れに寄り添いながら、No more anywhere anytimeと願い続けるしかありません。頼むからもうこれ以上何も起こらないでいてほしい…


*****

さて、時間軸が錯綜しましたが、6月20日より続けていた国内ぐるり旅紀行の最終話を書き終えたいと思います。

旅の最終日に、当初ロヴァニエミからの遠征を考えていたのは、バスでさらに170キロあまり北上したところにあるソダンキュラという街でした。ここには、欧州中心から時を経てようやく流れ着いたキリスト文化の象徴として15世紀に建てられた古い簡素な木造教会が現存しており、是非一度見てみたいとかねがね思っていたのです。
ところが私のポカミスでバス移動のスケジューリングに失敗し、今回はあえなく断念(田舎旅はいつでも厳格なスケジュール管理が必須です…)。さて、それじゃあどうするっかなあと思い、結局行き着いたのはやっぱりここ、


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ロヴァニエミを訪れる日本人で立ち寄らない人はいないであろう、中心街の北のはずれにある通称「サンタクロース村」です。(正式なフィンランド語名は、Joulupukin pajakylä=サンタクロースの工房村。サンタクロースという言葉はさも全世界共通かと思われていますが、この国であの赤服のおじいちゃんはヨウルプッキと呼ばれております。)


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こんなに暑い真夏日でも、この一角だけは一年中クリスマスムード。ツリーがきらめき、厳かなクリスマスソングが聴こえてきて、大人も子供も、無条件に12月24日の夜の胸の高鳴りがよみがえってきます。


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ところで、この場所の別称は、ナパピーリ(Napapiiri)。ナパピーりとはArctic Circle、すなわち「北極圏」を指す汎用的な言葉ですが、このサンタクロース村の敷地内には、北極圏突入を示す北緯66度33分39秒のラインが貫いているため、フィンランド北極圏の玄関口でもあるこの地の愛称ともなっているようです。当然ながら多くの観光客は、敷地を分断する北極線をまたぐ姿勢で記念撮影をします。


サンタ村に到着してまっ先に向かったのは、


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マリメッコのアウトレットですが、なにか目

敷地内には国内最大級のアウトレットがありまして、なんだかんだで、ここがサンタ村訪問のハイライトである女性も少なくないはず…だって、都心のほうではもう二度とお目にかからないような懐かしい柄、見たこともないデザインに出会えて、しかも何もかもが年中バーゲン状態やからね!


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平屋の広い店内や、その横の白樺林に囲まれた屋外テラスにも、さながらフリマの雰囲気を漂わせて商品が並んでいる、とても気持ちいいお店ですよ。以前はイーッタラのアウトレットも併設されていたと思うのですが、こちらは切り離されてサンタ村のメインビルディング内に移動していました。イーッタラアウトレットは、ハパランダで見た店舗のほうが頑張ってくれてる印象かな。


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(写真はフィンの伝送装飾工芸でよくクリスマスにオーナメントとして飾られる「ヒンメリ」です)

アウトレットやお土産店でちょいちょいと旅さいごの買い物を楽しみ、村内の郵便局で何通か日本への手紙の発送をすませてから、閉館時間が近づいて人ごみも緩和されてきたサンタさんの本拠地へ。

サンタさんの待つお部屋にたどり着くまでのセットが一昔前よりだいぶグレードアップして、なんだかディズニーランドの一角のようになっていました。でも、入場料も含め、サンタさんと会ってお話するところまではいっさいお金もかかりません。(記念撮影写真の買い取りのみにお金が発生します)


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5年ぶりに再会?するほんもののサンタさんは、はじめはとても流暢で自然な日本語で会話をはじめて(神戸出身と聞いて、神戸には港も六甲山もあるからいいよね、と称えてくださった。そうなんです!!さっすがわかってるなあ。)、私の大学院合格報告には、その大きな手で頭を撫でながら、頑張ったねと褒めてくださいました。そのしぐさや話しぶり一つ一つが、本当にこの人は私たちとは全然ちがう時の流れのなかで、もう何百年も生きているんじゃないかとおもわせるほど安らぎに満ちています。


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じゃあ今年はユバスキュラにも行くから手紙を書いてねと27歳の私におっしゃってくれたサンタさんに、どうぞ東日本の子供たちのところにも、回りそびれがないようようにお願いします…と伝えてさよならしました。


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こうして、最後はこの北国ならではの夢のつまった村を訪ねて穏やかに終えた、1ヵ月の国内長旅。毎日毎日、よくもまあこんなにというほど晴れ続きななか大荷物と一緒に大移動を続けていたうえ、夜さえも十分に暗くならず、体もさすがにくたっと疲れております。

多分もうこんなに時間とゆとりを備えて、自分の身ひとつでどこかを旅して回ることもないでしょう。明日ヘルシンキにもどったら、まもなく語学学校も開講して、引越し準備、秋からつく教授さがしやテーマ決めも待っています。そしていよいよ、とても限られた居場所にしっかりと足をつけながらの日常生活が始まるのです。
そう考えると、楽しみでもありながらやはり心の負荷も大きく、まだ帰らずにずっとこの見知らぬ土地の青空と青い森ばかりを眺めていたいという気分にも駆られますが、抗えない季節の移ろい、時の移ろいをしっかり受け止め、折にふれてこの一ヶ月の素敵な思い出の数々を懐かしみながら、次なる新天地めざして、これにて帰郷いたします。
皆さん、旅道中の日記のご愛読や応援をどうもありがとうございました!

もちろんこれからも、まだまだ湖畔会議の議事録更新は続いてゆきますので、変わらずごひいきのほど、よろしくお願いいたします。

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近々、旅みやげ自慢後編と国内一周の軌跡インデックスを
更新予定っす。


posted by こばやし あやな at 17:51| Comment(2) | Rovaniemi-ロヴァニエミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

夏雲往くロヴァニエミ

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一ヶ月ぶりに、旅のスタート地点、ロヴァニエミへと帰ってきて最後の滞在中です。
こうして一大観光都市・ロヴァニエミを訪れるのはとても久しぶりで、2006年の11月以来になるのかな。あのときはすでにすっかり雪景色で(しかもあの冬の第一波となる大寒波到来中で)、吹けば飛ぶ小麦粉のような粉雪の降り積もった「白い砂漠の街」というイメージが今でも刻まれています。

青天の下で歩き眺める街の印象は、当然ながら、あのときとは全然違います。
そりゃあやっぱり、気候も心地よく、視界もよいので、いろいろな光景や街並みの面白さに気づくことができます。なんだかアジアの街並を切り取って移築したような一角があったり、フィンにしては味まで気取ったカフェがあったり。でも、なんとなくこの街は冬の景色の方が好みかなあ。


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アールト建築×キオスクって、全国でここだけじゃないかしら?(笑)


これは完全に私の感覚によるものですが、北にゆくほど、雲の流れ、天気の移り変わりのスピードが、なんやものすごい気がするのです。つい数分前まで快晴だった無地の空に、あっという間に厚ぼったい雲がなだれ込んできて、それもまた息つくひまなく、ぐんぐんと動き去っていく…なのに下界は決して風が強いわけではないのです。

青空がにわかに灰色に変色し、ほんの一瞬の強い通り雨を降らせて通行人を慌てさせることもあります。なのにすぐその数十分後には、驚くことに空には何事もなかったかのように青空が戻ってきていたりするのです。これって何か、北極圏特有の大気のムーヴメントと関係があったりするでしょうか。


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ロヴァニエミの(数少ない)定番観光スポットでもあるので、ことさら私が紹介するまでもないかもしれませんが、川のほとりにあるArktikum<アルクティクム>という博物館は、入場料12ユーロ(学割なし)と割高なものの、その展示内容は圧巻です。北極圏について紹介するマルチ博物館なのですが、外観通りのほそながーい展示室2フロアを使い、自然科学、生態学、民俗文化学、言語学、社会産業学、経済学…あらゆる切り口から、なかなか知る機会のない極北の大地の姿とそこに生きる人間の営みについて、果敢に一挙紹介してくれています。対象エリアはフィンランドのラップランドにとどまらず、ロシア、スウェーデン、ノルウェー、果てはアイスランドやカナダ、アラスカにまでまたがる、まさに文字通りの北極圏全般です。

なにせ得られる情報量が半端ないので(キャプションの文字を全部追うだけでも相当疲れます)、おのおの興味がある分野の展示を重点的にまわるだけでも十分見応えがあり満足できるのではないでしょうか。前回来たときにはなかった北極圏の気候に関する観測結果の展示や、ほんとにひんやり寒くてキャプションを読みきるのもしんどい氷の洞窟ゾーンなども出来ていました。

私がいつも来るたび立ち止まってしまうのが、北欧北極圏に住む民族サーミ人たちの、定住地域ごとの文化と言語の違いを紹介するブースです。現地の民族の声や歌を録音し、同時にそれを文字に起こした展示があるのですが、一口にサーミ人といえども、居住場所によってこんなにも異なった独自の言語を話し、独自の感性から紡がれる歌や衣装を持つのか、ということに驚きばかりか畏れすら感じてしまうのです。
ただ残念なことに、ボタンを押すと各地の民族の歌声が聞ける展示は現在修理中でした…。以前このうちの一つに、「アヤ〜ナ〜 アヤ〜ナ〜」とじいちゃんが唱和するぎょっとするような歌の録音があり、その再検証を試みたかったのですがねー。

Arktikum(なんと日本語サイトもあり)
http://www.arktikum.fi/

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次回いよいよ旅の最終回。

posted by こばやし あやな at 00:37| Comment(0) | Rovaniemi-ロヴァニエミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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