2011年07月15日

屋内のひだまり

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ヴァンマラから200キロほど北西に移動し、セイナヨキ(Seinäjoki)という街に到着しました。

この街に(ここで開催される国内最大級の某ロックフェスの時期をはずして)はるばる観光にやってくる人の目的はおそらくひとつ、やっぱりアールト建築巡礼でしょう。セイナヨキの中心街には、街のどこからでも見ることができる高さ65メートルの時計台を持った教会とその事務局、市庁舎、劇場、そして図書館と、アルヴァ・アールト設計の公共建築ががしっと一角に集まっています。そしてその合間を埋める芝生広場や通路も含めて、結果的に中心部の都市設計をそのままかの国内一有名な建築家に委ねてしまった、まさにアールトファン垂涎の街なのです。


現在の時間と体力的に中途半端な解説になりそうなので、写真中心で失礼いたします・・・


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Lakeuden Risti /A.Aalto 1957-59

どういうわけか、日本のテキストで紹介される際にはもっぱら「セイナヨキの教会」という名前で出てくるのですが、ラケウデン・リスティ、「平原の十字架」という歴としたオリジナルの名前を持っている教会です。そしてこの名前の意味を知ってこそ初めて、外観には一見どこにも十字架が見当たらないように思われるこの教会には、実は世界最大といっても過言ではない十字架がすぐそばに建っているじゃないか!という事実に気づかされるのです。…そう、あの巨大な時計塔こそが、市民の半数にあたる15000人を収容できるといわれる、まさに平原と呼ぶべき芝生広場にそびえ立つ十字架そのものだったのですね。

内部の真っ白な空間には、ああフィンランドに戻ってきたなあという郷愁を誘われるから不思議です。国内各地で巡り会うことのできるアールトの「白の空間」。ゆるやかな波形の折り重なる白一色の小さな世界で、自然光があそび、ほのかな陰影が無常に移ろってゆくのを静かな心で見つめる…そのことによって、フィンランドで暮らすということの象徴めいたものを感じずにいられないのです。



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Seinäjoen kaupunginkirjasto /A.Aalto 1960-65

セイナヨキ市立図書館。今日の自習タイムは、もちろんこちらの閲覧スペースで。もはや、何を考え計算してこうなったのか想像も説明もつかない、陶芸作品のような内壁。でも、単語暗記で煮詰まったときにふっと見上げた瞬間の、天井の閉塞感を忘れさせる吹き抜けと、天窓から差し込む日の光がえも言わず心地よいから、ユーザー視点ではもうそれ以上を考え込む必要もないのです。


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教会広場から、劇場、市庁舎、図書館方面を望む


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これはおまけ、協会の時計塔の上から見渡した街の彼方。そんな言葉があるのかわからにけど草原ならぬ森原がはるか先まで続いて、まったくなんの隆起もない一直線の地平線を縁どっている。フィンランドて、やっぱり噂どおりぺったんこの国。

ayana@seinajoki.fi



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さあ、もっともっと北へゆかん



posted by こばやし あやな at 07:12| Comment(0) | Seinäjoki-セイナヨキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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