2016年01月20日

涙なしに語れない卒業までの道のり(1)

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さて突然のご報告ですが、苦節4.5年、どうやらようやく、私のユヴァスキュラ大学院修士課程での修了・卒業が内定したみたいです!
ここに来てまで「どうやら」とか「したみたい」とか、さも他人事のような頼りない書き方をしているのは、フィニッシュの仕方が、自分でちゃんと人並みにすべての要件単位を揃えてこれみよがしにゴール!したのではなく、これまで取得した単位内訳では本来なら修了資格はないはずなのだけど、いろいろな裏事情や特例が絡みつつ最後は頭も下げてどうにかしていただいた、という感じだったからです…。別に、賄賂を渡して単位を買ったとかそういう不明瞭な事情ではないので(笑)、これが今後フィンランドに正規学生として留学する方々の参考になるかはわからないけれど、その始終をここに書きとどめておこうと思います。

まず、これは日記にも書きましたが、昨年末に修士論文は提出して受理され、40クレジットは取得済みでした。ただ普通は、まず最初の1,2年でそれ以外の必須単位を揃えておいて、それらの目処がついたタイミングで論文執筆にとりかかる、というのが一般的な流れです。日本の大学でも、そもそも卒業要件単位が揃っていないと修士論文は受け付けてもらえなかったと記憶しています。けれどこちらでは単位集めが修論提出の前提とはなっていないので、私は昨年度のスタート時点(9月)で本当はまだ15クレジット(半年のクラス3講座分)残っていたのですが、先々の人生計画も念頭に置いて、まずは論文作業を終わらせることにしました。

15クレジット足りないとは書いていますが、実は単位数だけで言えば、実は私はもはや修士過程の要件単位数をはるかに超過して保持しています。。フィンランド人とフィンランド語でのゼミで勉強するかたわら「第二外国語としてのフィンランド語」を副専攻として登録し、フィン語を母語としないけれど将来的に生活や仕事で積極的に使いたい人のための各種クラス(文章執筆とかリテラシーとかビジネスコミュニケーションとか)をいろいろ取っていたからです。さらにうちの大学の場合、基本的には主専攻と副専攻以外の学科の講座などを単位習得前提で受講するには事前に特別な登録をしたりと面倒はありますが、個人的に目的を明らかにして頼み込めば不可能ではありません。それをいいことに、私も音楽学科、ジャーナリズム学科、コミュニケーション学科などさまざまな分野の授業にも首をつっこんでいました。
ただ、私の主専攻はあくまで芸術教育学。ゼミの修士課程者用の上級科目から、少なくとも40単位分は稼いでいなければいけません。(参考までにフィンランドの大学の学士および修士課程の単位区分は、Y=yleisopinnot(一般教養), K=kieliopinnot(言語), P=perusopinnot(基礎), A=aineopinnot(専門), S=syventävät opinnot(専門上級)と分かれていて、修士課程はS単位を中心に集める)さらにその半分くらいは具体的な必修科目も指定されています。この細かな指定は「興味のあるものから幅広く」趣向の日本の文学部ではあまり聞かないですね。

私は、9月時点でこの専門単位があと10クレジットつまり2講座分不足してることはわかっていました。じゃああとの5クレジットは?…この辺が一番謎めいてる話で、私はいわゆる留学生のようにイングリッシュマスタープログラムに在籍しているわけでもないし、現地語履修なので扱いとしては正規扱いです。が、もしそうだとしたら第二公用語のスウェーデン語を履修していなければいけないし、留学生として見なしてもらうには、EU圏外の国籍を持つ学生に課されるフィン語の中級レベル取得や第二、三言語取得など、更にいろいろ特例が課される可能性もあるのです。
正直、このあたり大学文学部の芸術学専攻グループに前例がないことゆえ、教務に聞きに行っても返ってくる答えがバラバラ。私もまあいざとなれば、フィン語だって上級クラスを一通り履修しているんだしなんとかなるだろうと高をくくっていました。ただ、どうやらやっぱり整合性のために、もうひとクラス専門科目を多く履修することでカバーしてくださいという結論になったらしく、こうしてトータル3講座分の専門単位を取らなければならない、ということが昨年9月に判明しました。明らかな留学生用ゼミではない枠で留学する皆さんは、入学時点で、スウェ語などについては留学生扱いしてもらえるのかなど、教務にしっかり掛けあって正式回答を得ておくことをお勧めします…

ともあれ、しかたがないので昨年9月に残りの3教科を履修登録し、仕事と論文執筆の合間をどうにか縫ってきちんと出席もしたし、出張でどうにも出られない場合の代替課題も全て提出したし、中間発表などもちゃんと卒なくこなしました。ただ、文学部の講座の最終単位判定にファイナルテスト実施はめったになく、10〜15ページのレポートで成績がつけられることがほとんどです。もちろんそれまでの出席数や中間発表などは最終レポートの提出資格に響いてきますが。
講座の開講期間によりますが、多くの場合、秋学期のレポートの提出期限は年明け。私は3つのうち1つだけが年内で、あとが年明けとなっていました。

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閑話休題…最近ずっとシャレにならない寒い日が続いてる。毎日マイナス30度あたりをうろうろ。それでもこんな格好でなら外出歩いて自転車も乗れちゃいますよ、という捨て身の自撮り図。

さて、ようやくここからが「個人的な事情」発動の発端と経緯となるのですが…、これも以前論文執筆のことを記した日記で吐露しましたが、実は私は80ページを超える長大なフィン語論文の執筆課程で、何度も体調を崩しかけました。体調というか、それはもはや精神バランスの問題。曲がりなりにも物書きである自分が、仕事と論文を両立させるうち、つまりある時はフィン語思考モードで小難しい文章を書き、ある時は日本語モードで一般読者用の文章を書き…という作業を交互させているうち、自分の思考モードの切り替えがとっさにできなくなってパニックになりかけたり、自己表現が楽にできる日本語作文のあとで歯がゆさの連続であるフィン語作文に手を付けると、言いたいことがちゃんと表現できていない気がして、ものすごいストレスを感じるようになってきたのです。この精神の不衛生さは、如実に身体の不調にも現れ、正直かなり辛いものでした。昨年末は出張が多かったからまだ救われていたというか、ひとたび書き仕事から離れて日本語メインで仕事をするうちはすぐにけろっと良くなっていたので、原因は明らかでしたね(笑)

とにかくそんな状態で論文はどうにか出したものの、残る3つのレポート…総計枚数35ページだから、なんだかんだあの論文の半分近い枚数をまた書けってことでしょう…。正直、これに今手をつけるべきか、身体をいたわってもう一年見送るか(後期に同じのは開講されないので…)、悩みに悩んで、とりあえず年内締め切りのものだけは、うんうん苦しみながら書ききりました。もはや今論文書いていたとき以上にフィン語作文絶不調期にあることを再認識。もうダメだ、もうこれ以上無理して何か書こうとしたら、年明け早々再起不能になってしまう…と直感で危惧し、かといってこれによってまた進路が予期せぬ方向に進む(てか留まる)ことを考えるのもまた憂鬱で、結局、残り2つのレポート及び単位のことはいったん記憶の底に封じ込めて、年明け早々ありがたくも各方面からお声掛けいただいた仕事のほうに専念することにしました。

とはいえ、忘却の彼方に追いやって解決するわけでもない卒業問題…。実際自分の中ではある程度もう答えが出ていました「ここまでよく頑張ったし論文も良い成績をいただけたのだから、自分の限界を認めて大学を中退しよう」と。もちろんここフィンランドでは8年という上限はあれど大学の在学期間で人生に傷がつくこともないし、変な目で見られることもまったくないし、そもそも学費もかからないので困ることはとくにない。むしろ学生身分で、住居面や交通費面などいろいろ得してしまうのも事実。
ただ、自分でも予想外にワーキングライフが早く軌道に乗ってしまったこともあり、正直このままずるずる伸ばしても、来年もまた同じことを繰り返すだけのような気がして、それならすっぱりと潔く切り捨てたほうが、もっと身軽に次のステップに踏み出せる予感がするのです。
自分はこれまで一度もそんな選択はしたことがなかったけれど、世の先人いわく、世の中諦めも大事。Filosofian maisteriの称号だけなら既に日本でも取得しているんだし、少なくともこちらの大学のアーカイブに論文は残せたんだし、もういいじゃないか…。

と、一人その意思を固めて、大学の春学期が始まったらその旨を教務に伝えに行く気満々でいました。
が、それが周囲の方々からの思わぬ助言と援助により、わずか3日でまったくの別方向に転換してしまうことになったのです…

なんだかもう書く方もダレてきそうなくらいここまで長くなってしまったので、続きはまた明日(か次回パソコン前で自由時間を過ごせる時に)!(笑)

ayana@jyväskylä.fi


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posted by こばやし あやな at 22:52| Comment(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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