2015年08月20日

ハーフ人観察記つれづれ

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ユリアーノというフィンランド人とイタリア人のハーフの友達がいまして、先日大学仲間とのBBQパーティで久々に再会した時に、うちにすでに今夏収穫したぶんの乾燥キノコがたっぷりあるよという話をしていたのがきっかけで、昨晩はわざわざうちにイタリアンな晩御飯を作りに来てくれました。水で戻したハペロやオラカスをたっぷり使ったトマト風味のソースの絶品パスタ。私は冷凍庫のコルヴァシエニを一袋回答してクリームスープと、前菜ちょこっと。ご近所に越してきた次年度の留学生さんもお呼びして、キノコ三昧のディナーを楽しみました。

このユリアーノ氏は、サンプル数は少ないけれど私の知りうるイタリア人の気質とフィンランド人の気質を漏れなく併せ持っている感じがして、つるんでいても2人分の人格を相手しているようで非常に興味深く、新鮮で楽しいです。ハーフはハーフではない、二倍なんだ!という主張を時どき耳にしますが(個人的には二倍は2人前なので、増えすぎじゃない?正しくはハーフ&ハーフ=1人前でよいのでは?…と前から密かに思ってましたが)、少なくとも性格とか経験値といったものは分母が1とは限らないし何割ずつ掛け合わされていて…と解釈できるものでもないので、これだけ同EU同盟内とはいえ民族的にも大差のある2国の両側面に無意識に寄り添える意味では、1人前以上の豊かさをもっているといっても言い過ぎではないのかも。

彼はフィンランド人のお母さんが伊に移住してきて生まれた子どもで、食と新天地を求めて数年前に自分の意志でフィンランドに移ってくるまでは、小学校の時に3年間フィンランドに住んでいた時以外はずっとイタリアの風土で育っています。だから本人的には自分の心や故郷と呼べる場所はイタリアだと考えがちなようで、今暮らしているフィンランドも第二の故郷というよりは言葉や文化や対人関係でさほどストレスを感じることもなく故郷より高収入の得られる快適な出稼ぎ国、という捉え方をしているみたい。
とはいえ少なくとも彼の何気ない振る舞いには、マイペースさ(ルーズさ)とおふざけ半分のノリと勢いで万事押し切って正当化してしまうザ・イタリア人気質もありながら、さり気なく相手の顔色を伺って出方を変えたり、相手の話を目を見て最後まで聞いてくれたり、沈黙も平気だったり、アフターフォローまで含めて卒なくホスピタリティを尽くしたり(かつての私のイタリア人の友人たちはことごとく、調子よく「イタリア料理作ってあげるよ〜」と家に押しかけて美味しい料理を作ったあとは戦場のようなキッチンや食卓放置で満足気に帰っていってたけど、彼は「料理を作った人に洗い物をさせないのがうちのハウスルールやから!!」と私とミッコが全力阻止するまで黙々洗い物までこなしてくれていた…)、こちらもフィンランド人と何ら変わりなく楽にコミュニケーションをとれる佇まいがあります。こういうのって、結果的に目に映る「仕草」としては後天的に身につけたものなのかと想像してしまいがちだけど、そういう振る舞いに至ってしまう内面を持っていることにおいては、やっぱりお母さんからのDNAの遺伝が最初の一番大きな影響なのかなあ。彼自身、フィンランド文化のなかでの生活体験の量は、人生トータルのなかでも決して多くはないわけだし。

言語に関しては、家の中では母親とはフィンランド語、家族全体ではイタリア語ときどき英語、という環境で育ってきて、3年間フィンランドの学校に入れられたときは当初ちんぷんかんぷんだったけど、わりとすぐに、自分でも不思議と周りの言ってることが当たり前に理解できるようになってたし、自分でも頭で考えずしゃべり続けていたと言います。その後はまたしばらく母親との会話以外はイタリア語オンリーの人生が続くわけですが、今の彼は何ら問題なくフィンランド語を喋りながら、ときどき「自分はそういえばこんな初歩的なものをフィンランド語でなんて言うのか知らない」という会話中に口が詰まる経験に遭遇するものなんだそう。昨日で言えば、帰り際にちょっと遊んでたトランプのスペードとクローバーのフィン語名を「そういえば知らない!」と目を丸くしてニヤニヤしてました(笑)

こんなふうに、人間観察や経験談が面白くて仕方ない、ハーフと呼ばれる人たちの十人十色の人生や成長過程。先日知り合った英国在住歴の長いフィンランド人(女性)とモロッコ人(男性)の夫婦の家族は、両者ともに互いの言語はかなり流暢に喋れて、かつ女性のご両親とフィンランドで同居している大家族。2年前に初めての息子を授かり、父はベルベル語(モロッコの公用語)で話しかけ続け、母は英語で話しかけ続け、その他家族はフィンランド語で…という特異な環境で息子の言語発育状況を見守っていたら、2歳になった現段階で、坊っちゃんは父、母、祖父母それぞれの話す言葉の意図をそれぞれにそれなりに理解していて反応を示すけれど、例えば試しに母がベルベル語で、あるいは父がフィン語で、「ちょっとそれとって」とか「こっちにおいで」とか簡単な言葉を話しかけても、まったく反応はないのだそう。今のところ、彼の感覚器や思考回路では、聞こえてくる音のシグナル以前に、父、母、その他の人々が話しかける言葉は別ものという大前提のなかで必死に音や意味をキャッチしようとしているんでしょうね。いやあ、不思議、面白い。

こんな話を長々続けてきて、今のところ私事の報告があるわけでも予定があるわけでも全くないのですが(笑)、とはいえ、実際私たちの家庭言語環境(日常会話:ともに関西弁、仕事絡みの話:ともにフィン語、談話:ミッコが延々フィン語で私が延々日本語)や文化環境(現住地フィンランド、家族構成員は日本かぶれのひどいフィン人父とフィンかぶれのひどい日本人母)に将来新メンバーがやって来てくれた時、果たしてどう家庭内ルールを作って接していくべきなのか、それを受けてどう育っていくのか…と、ときどきあれこれ不毛な想像はしていまいます。きっと家族そろって日本語フィン語英語という三ヶ国語の共通言語を自在に使い分けたり理解し合えたり、おなじバラエティを見て大笑いするという理想のチームができるのを過度に期待してしまったら、親にとっては苦しかったりもどかしい時期のほうが圧倒的に長いんでしょうねえきっと。まあ、理想までの到達じゃなくて、「こう来たかっ!」という無数の不意打ちをいつまでも楽しむほうが自分も楽しいし親として気も楽なのかも。子どもだって、しょせん他人だし。←という今現在の冷めた見方が、実際将来的にどう変容するのか楽しみでもありますw

最後に、ここまで読んでくださってる方には一番なるほど〜なプチ情報かもしれませんが、昨日はユリアーノにいかにイタリア人の食卓にとってパルメザンチーズが重要なものであるかをとくとくと力説されました。パスタをいただく際も、パルメザンチーズをかけたパスタを食べるのではない、パスタの味がするパルメザンチーズを食べるのだ、という心意気で食べて欲しい…と、除雪後の路傍並にチーズをたっぷりとかけてくれました(その昔、大学オケの夏の合宿場に行くまでに立ち寄る道の駅に売ってる名物フライドポテトが常軌を逸した塩っ辛さで、「ポテト味の塩」と名付け、夏がくるたびみんなで恋しくなってたことをフト思い出したw)
さらに調子が悪い時の病人食は、ごはんまたはパスタに無塩バターを溶かし、その上にこれでもかとパルメザンチーズをかけたやつが定番だという。。我々が想像するとリバースを促しそうなこってりメニューですが、結局体調不良時に食べたくなるものって、塩加減やカロリー云々じゃなく、その人が食べてほっとできる馴染みの味、に落ち着くものなのかもしれません。

ayana@jyväskylä.fi


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感化されて、さきほど早速パルメザンチーズを一袋購入。


posted by こばやし あやな at 18:31| Comment(3) | Suomiで出会った人たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、ブログ拝見させていただきました(‐^▽^‐)

私はフィンランドが大好きで、今年のはじめに新婚旅行でやっと行く事ができました。
今妊娠しているので、今度は子供と一緒に行きたいと考えています。
ところで、子供の名前を今考えているのですが、フィンランドにちなんだ名前が何かないかと悩んでいるのですが何かいい単語などあれば教えてもらえないでしょうか?
ブログと関係のないコメントですみませんがフィンランドに実際に住んでいる方のご意見を聞きたいと思ったので宜しければ教えてください。
よろしくお願いします。
Posted by ヤップル at 2015年08月21日 15:26
はじめまして!来週出張でユヴァスキュラに行くのですが、現地の情報を調べているうちにこちらのブログにたどり着きました。写真を拝見すると綺麗な街のようですね。行くのが楽しみになってきました!仕事が終った後に街を散策してみようと思います。

中々ユヴァスキュラの情報が日本で入手しづらいので、現地の方のブログがあると大変助かります(^^;) ありがとうございます!
Posted by ふるばやし at 2015年08月26日 17:07
ヤップルさん

御返事が遅れてすみませんでした!
大事なお子様のお名前にうかつに個人的ひらめきや趣味を押し付けるわけにはいけないので、「これはフィン語でなんといいますか?」という質問ならまだ答えやすいのですが…。
フィンランドでは、伝統的には公式的に登録?された名前の中から選ぶというのが普通なので、

男の子なら
https://fi.wikipedia.org/wiki/Luettelo_suomalaisen_nimip%C3%A4iv%C3%A4kalenterin_miesten_nimist%C3%A4

女の子なら
https://fi.wikipedia.org/wiki/Luettelo_suomalaisen_nimip%C3%A4iv%C3%A4kalenterin_naisten_nimist%C3%A4

ここから選びますよ!なので、この音の名前なら、少なくともフィンランドでもそのまま親しみをもって呼んでもらえます(笑)


ふるばやしさん

おお、来週いらっしゃるのですね!私はちょうど来週からアフリカのほうにいってしまうので街でばったりお会いすることはなさそうですが、自然の美しいのどかな街なので、是非楽しんでいってください!
私はAll Aboutのフィンランドライターとしても、過去にユヴァスキュラの記事を2本ほど書いていますので、良ければこちらも参考になさってください。

http://allabout.co.jp/gm/gc/419369/

http://allabout.co.jp/gm/gc/419482/
Posted by Suomiのおかん at 2015年08月27日 02:12
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