2015年07月11日

プロ意識

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月曜の夜にユヴァスキュラに戻ってきて、翌々日くらいまではアフターフォローや不在中に溜め込んでいた諸々の事務処理と締切りで腰を落ち着けることができませんでした。が、それらが一段落して昨日、今日は、さあ修論のための最後のインタビューデータのテープ起こしやるぞと決めていたのに、なんだかちっとも身体も動かず頭も回り始めずで、結局食う寝るサウナ入る、以外はずっと取りつかれたように読書と動画観賞ばかりして時間を費やしていました。まあ、長かった出張とその出発直前のヘルシンキ出張や締切り&校正ラッシュ、さらにさかのぼってデンマークスウェーデン旅行から、ずっとぼんやり休む暇なく頭も身体も酷使し続けてきたので、今週はもうええやろ、と甘やかしを正当化してしまいます。

おかんFacebookサイトのほうでは少し中継もしましたが、先月末から10日間ほど、クオピオで行われていたスキージャンプの葛西選手率いるチーム土屋の合宿キャンプ地に、あるTV番組の撮影スタッフたちと泊まりこんで、コーディネートやインタビュー通訳などのアシスト業をさせていただきました。今年2度目のTVクルーとのお仕事。ただジャンルや目的が違えばこんなにも役回りや気をつけるべきポイントが変わってくるのか…と、最後まで新経験つづきで慣れない現場のなかで、オロオロしてる心を必死に隠しながら「振る舞ってきた」感じでした。
基本的には終始、撮影側と行動を共にしてはいましたが、ほぼ終日ジャンプ練習やトレーニングに打ち込み絶えず真剣な選手の皆さんとも、ちょっとしたすきま時間や街のイベントに繰り出すときなどに、お話できる機会があり、主にフィンランドの日常文化の話題を通じて和やかに交流させていただいたこと、時に些細なことで頼っていただいたことは忘れがたい思い出になりました。私がいまさらここで鼻息荒く強調するまでもなく、葛西選手は強靭不屈の基礎体力と精神力をお持ちの、名実ともに「レジェンド」でした。その上お人柄も(なんとなくフィンランド人ぽくて)大らかで誠実で、何よりスキージャンプ以外の引き出しの多さに圧倒され続けたものでした。

昨年くらいから、こうして有難いことにお仕事を通じて、なんらかの分野で世界に通用するスペシャリストの日本人あるいはフィンランド人たち(それは華々しい表舞台のゲストだけでなく、取材編集チーム撮影チームのスタッフの方々も含めて)とご一緒させてもらう機会も少しずつ増えてきました。これまでの私は、そのたびに「日本で暮らしている限りでは出会うこともない人が、フィンランド⇔日本という専門性(?)を持った自分を頼ってくださる喜び」をただただ噛み締めて悦に浸るだけで一期一会を重ねてきていた気がします。けれど今回、「オリンピックで金メダル」というこれ以上になく明確で、途方もなく、いずれわかりやすく白黒のつくたったひとつの目標を掲げ、「1日24時間」と平等にあたえられた時間の中で死力を尽くす1人の人間の姿を追い続けていくなかで、自分自身はどんな専門性を誇れる人を目指していて、どんな人生に憧れて目指しているのか、どんなことが達成できれば幸せと感じられるのか…と、曲がりなりにもレジェンドと同じ重みの1個の命を預かった1人の人間として、悶々と悩み焦る日々が始まってしまいました。
というか、これまで縁があり出会ってきた大勢の方の仕事ぶりや個性や哲学に感化されながら、仲介者(メディア)として相手の言葉を引き出したり、ただただ献身し続けることで無心に商いを続けてきた自分自身については、先の質問への答えはすぱっと思い浮かべられないことに愕然とするわけです。

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ここ2日ほど、片っ端から電子書籍や動画をDLしまくって無我夢中に観賞にふけっていたのは、ぱっと思いつく限りの「いいなと思っている有名人」の随筆や作品や人間ドキュメンタリーばかりでした。とにかくもっともっといろんな一流人の考え方や日々の行いを知って、その言葉やふるまいのなかから共感できる部分を抽出しながら、今のところ無色透明に近い自分自身の人生や仕事の指針についてじっくり考えてみたい、という衝動でした。成果としては、唯一以前から自分自身も大切にしている「ただ眼の前の案件(物事)をひとつひとつ誠実にこなす(結果や道筋はその先に出来てくる)」という感覚を、意外とさまざまな分野の眩しいプロフェッショナルたちが大事にしているんだな、ということがわかってちょっと安心しました。私自身も、これまでは一つひとつ、縁あって舞い込んでくる新しいお仕事に、(最初ちょっと無理かなとビビっても)ポジティブに挑み、そのときのもちうる実力や対応力で誠実にこなす、ということの繰り返しで、少しずつ、多様で充実度の高いお仕事に恵まれるようになってきた実感は強くあります。でもそういう過去の実績だけでは心もとないというか、「縁」というふわっとした存在を強く信じ続けるだけも難しいというか……自分自身がもっと何かしらのスキルを磨いて、信念を強く持って、セールスポイントを作りこまないと、いつか自活できない日が来てしまうのではないかという恐怖感もずっとあります。そのためにも、今よりワンランク上の「自分らしさの自覚」すなわち自信がほしいなあ、と、ここ数日はそんな止めどないことばかり考えて時間を消費(浪費?)しています。

フィンランドのあらゆる分野の知識をしっかりつけ、そして語学力や文章力を磨くというのは、この仕事を続けていく上でもちろん大前提なのですが、これまでの経験上、このお仕事をしていく(相手に満足していただく)上ではなにかそれ以上のスキルが求められていることも肌で感じ続けています。ずばっと核心を教えてくれる上司もいないし、今のところそれが何かは明確ではなく、うまく言葉にはできませんが、キーワードをあげるとするならば、それはきっと「コミュニケーション」。異世界に生きる人同士の時間の限られた交流を、どのようにお互いにとって円滑に気持ちよく、ハプニングもひっくるめて着地点へとアテンド・アレンジしていけるか、というチャレンジに必要な技術。それは現場経験の中で体験的に身につく類のものかもしれないし、ひょっとしたらそもそもの性格的なものなのかもしれませんが、まだしばらくは、次にくるお仕事に誠実に向き合い試行錯誤するなかで、それがどんなスキルなのか、どうやって磨いていけばよいのか、今まで以上に自分自身の動きを俯瞰しながら向き合っていきたいなと思います。

と、たまの日記がまたこんな自己完結的な長文ですみませんでした。。
明日からはそろそろまた手足と頭をしっかり動かしてまいります!

ayana@kuopio.fi


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今回の取材の成果が形になるのはまだしばらく先なので、気長にお待ちください〜!


posted by こばやし あやな at 05:03| Comment(0) | Suomiで考えごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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