2012年06月14日

Public Sauna -これぞ都会人のサウナライフ

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最初にお詫びを…昨日の午前には、キックバイクという最近フィンランド人デザイナーによって開発された未知なる自転車風乗り物に乗って街を駆け巡り、特に今年ワールド・デザイン・キャピタルとして盛り上がっているフィンランドのデザイン最前線スポットを見て回ってきました。が、何せ連日予定が盛りだくさんで、各メディアの取材応答要請も多くてゆっくり記事を書く時間が与えられず、日に日に疲れもたまってきて夜ふかしできなくなってきたので(汗)、多くの日本人が関心をよせるであろうデザイン関連のレポートは、後日帰宅してから書き上げたいと思います。

というわけで、個人的には昨日のハイライトだったとさえ確信している、フィンランドの「公衆サウナ」体験のことについてレポートしたいと思います。

まず断っておくと、わたしは日本で暮らしていた時から無類の公衆浴場=銭湯好きで(もちろん家にお風呂はありましたけど)、とりわけ東京ではひたすらあちこちの銭湯に出没しては良し悪しや店舗の個性を比較して楽しんでいたもので、以前からこの国の公衆サウナ文化にも人一倍強い関心があったのです。

フィンランド人にとってのサウナは、ちょうど日本人にとってのお風呂と同じ存在。熱さに耐えながらものんびりリフレッシュできて、しかも堂々と裸になってその喜びを他人と分かち合うことだってできる。

とりわけ、公衆サウナの歴史は、ちょうど日本の街角に銭湯ができた経緯と同じ。まだ貧しかったころ、特に都会で自分の家や集合アパートにサウナがなくて不便な思いをしていた労働者たちのために、誰もが気軽にやってきて共有できる、公衆サウナビジネスが流行り始めたというわけです。

一番勢いのあった1960年ごろには、この小さなヘルシンキの街にも100を数える公衆サウナがあったそうですが、これまた日本と同じで、人々が裕福になるにつれてサウナを個人所有するようになってきたので、結果、あっという間に公衆サウナビジネスは衰退してしまったのですね。

そして現在、スイミングプール併設の共有サウナをのぞくとして、純公衆サウナは市内に片手で数えるほどしかありません(参考までに、東京都内の銭湯の数は、年々減っているとはいえまだ900近く残っているのですよ!)。日本の公衆浴場のように店舗同士のネットワークやサバイバル精神も強くないので、ひょっとしたら、公衆サウナ文化がまったくの過去の遺産になってしまう日も遠くないのかもしれません。


でも、そんなご時世だからこそ、わたしはあえて観光者のみなさんに提唱したい!!

短いヘルシンキ市内だけの観光滞在の間に、本物のサウナを体験することって、意外とむずかしいですよね。もちろんホテルに併設されていたりもしますが、勝手のわからない観光客同士がよそよそしく利用する雰囲気の中では、その本当の良さが実感しにくいかもしれません。

ならば、公衆サウナで、都会にいながら地元民と一緒に本場のサウナを体験してみてはいかがでしょう??

というわけで、昨日私が身をもって体験してきた公衆サウナの全貌をご紹介します!


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はい、まずこれが「番台」ならぬ、公衆サウナの受付風景です。日本の銭湯の雰囲気に慣れ親しんでいる人は、きっとさっそく同じにおいを感じ取ることでしょう。小窓の後ろに座っている、決して愛想よくないおっちゃんに、入サウナ料と、必要ならばバスタオル代、飲み物代を支払います(銭湯では通常入浴後にカフェオレなどぐびっとするところですが、サウナでは更衣室などで水分が欲しくなるので、最初に買っておくことをおすすめします)。

ここから先は、日本同様男女で入口が分かれています。暖簾はありませんが、Mies(男)/nainen(女)を確認して奥へ進みましょう。


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そして、更衣室。
この部屋にはいった瞬間、わたしはこの国に渡航してきてかつてないくらい、心の底からふいにノスタルジーを感じずにいられませんでした。古めかしい木製ロッカーが並ぶこの光景、まさに銭湯の更衣室とおんなじ雰囲気!脱衣カゴはありませんが、ロッカーがひとつひとつ結構広いので、下に靴を、それ以外もすべてこのなかに収納してしまいましょう。

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ロッカーの鍵の無愛想さも、どことなく日本のそれを思い出させますな〜


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さて、いさぎよく脱衣完了したら(※サウナ内では水着着用は禁止です。恥ずかしがらずに堂々と脱いでください!)、まず手前のシャワールームで体を流します。お風呂の掛湯とおなじくらい、エチケットとしても体の準備のためにも大事なので、お忘れなく。そして、シャワールームにおいてある白樺の枝葉をたばねたヴィヒタというアイテムと、水をはったバケツ、バスタオルを持って、重い木のドアを開け、いよいよサウナに入室です。

ここからはもちろん写真がありませんが…

とにかく、地元の人がやっていることをいろいろ真似てみてください。広いベンチにバスタオルやすのこを敷いてねそべったり、持ち込んだ白樺の枝葉でバシバシと体をしばいて血行を促したり、温度の上がる上段に座りぐっと体をかがめて熱さに耐えたり…

本来、小さな家族用サウナやコテージのサウナでは、温度をあげるために、かまどの上の焼け石に、ひしゃくで水を放り投げて蒸気をだします。けれど広い公衆サウナでは、私も初めて見たのですがかまどに直接水を放射できる水道の蛇口があって、それを軽くひねって蒸気を発生させるみたいです。もちろん、温度を上げたい時は、室内にいる皆さんに「水出してもいい?」と確認することが必要です。サウナ内では、他人もなぜか運命共同体のように感じられて、皆でひとつのサウナを囲み、コントロールしているという意識が強くなります。だから、自然と互いを気遣いあえるし、まったく見知らぬ裸の人とのおしゃべりもはずむものなのです!たとえ言葉が通じなくても、この究極の環境条件下では、なんとなく心で会話しあえるから不思議です。


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体が十分温まったら、ふつうは近くの湖にとびこんだり、冬は雪の上を裸でころげまわってクールダウンするものなのですが(ちょうど銭湯の水風呂感覚ですね)、都会の一角にあるサウナでは、さすがにそれはできません。だから代わりに、お客さんはタオルを体に巻いて玄関口に続々出てきて、そこでわいわいとクールダウンする、というのが公衆サウナならではの光景です。

見てのとおり、本当に街の一角にあるので、もちろん通行人からも丸見えです。けれど、それを気にすることもなければ、誰かに襲われるなんて危険予測さえせずに、堂々とタオル一枚で外に出られてしまうのが、フィンランドらしいところ。実際、外に出てきている人の大半は男性なので(そもそも今日では、公衆サウナのお客の9割が男性らしいので…)、女性は仲間がいないとさすがにちょっと抵抗があるかもしれません。けれど昨日は、好奇心旺盛な各国のジャーナリスト仲間とともに、女性陣も堂々とタオル一枚で外に出て、しばしクールダウン兼日光浴(矛盾?)を楽しみましたよ。やればできる!そしてやっぱりやらなきゃ損!

そのあと、気の済むまでサウナに入退室するもよし、最後はシャワーでしっかり体を流せばオッケーです。体や髪をここで洗っていく人もいますし、更衣室には無料ドライヤーも設置してありますのでご安心を。

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ちなみに、公衆サウナの隣には、簡易ランドリーもありました。銭湯同様、てっきり入浴中に衣類洗濯をしたい人ようなのかな?と思いましたが、マットなどを洗いに来る人が多いみたいです。


以上が、私が初めて身をもって体験したフィンランドの公衆サウナの一例でした。やはりこれから、もっと国内の公衆サウナをめぐって徹底比較してゆかねばなと強く決意(笑)そして、この独特の文化が消えてしまわぬよう、我々外国人も、積極的に楽しませてもらって、その文化継承に貢献できたら素敵だなと実感しました。


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ちなみにヘルシンキ市内でこの公衆サウナが残るのは、カッリオ地区という、これまた独特の文化と雰囲気を漂わせたエリアです。ここはもともと貧しい労働者たちがたくさん住んでいたこともあり、今でも、お金や地位よりも、自分の思想、個性、ライフスタイル、アート精神を大事にしたいと考える、ややアウェイな若者や単身者ばかりが好んで住み着いている街なんです。だから個性的なバーやレストランもたくさんあるし、最近ではアーティストがこの街にスタジオやアトリエを構えて拠点にする風潮も強く、まさに、私が東京時代に住んでいた高円寺とうりふたつの社会構造と雰囲気をもつ一角なのです!

そんな、人情に熱くオープンマインドな両方の街に、かたや銭湯、かたや公衆サウナ文化が今だ脈々と息づいているのも、なんだかとても自然なことに思えます。カッリオは、今後もっと探りを入れてみたい、個人的に今一番気になるエリアですね。

最後に、私たちが利用した、おそらく国内で一番有名な講習サウナ店舗情報を。

Kotiharjun puulämmitteiset saunat

http://www.kotiharjunsauna.fi/
Harjutorinkatu 1, 00500 Helsinki
オープン時間:基本的は火〜土曜 14.00−20.00
入サウナ料:12€(地元民、学割、未就労者割などあり)


ayana@helsinki.fi


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それではこれから、一路ロヴァニエミを目指します

posted by こばやし あやな at 15:40| Comment(0) | Visit Finland Blogers Tour 2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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