2014年08月31日

コケモモ摘みで気分転換

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日中は、字数制限のキビシイ記事を仕上げたり、秋以降の本番のために新譜を読んだりと、眼と脳を酷使する作業ばかりしていたので、身体をリフレッシュさせるために、夕方にひとりで近所の森へ。もうブルーベリーのシーズンが終焉を迎えていて、かわりに真っ赤に熟れた実をわっさとつけていたのが、プオルッカ(コケモモ)。やや固い外皮に覆われているので、摘むのに夢中になってもブルーベリーみたいに手が真っ青になることもないし、ひとつのふさに4〜5粒、多い時は10粒くらいがまとまって鈴なりになっていて、短時間でしっかりかせぐのが比較的ラクなのがいいです。かごに集まってくると、一粒一粒の赤色が実は色とりどり千差万別なんだということがわかってくるのも楽しい。コケモモは珍しいくらい耐寒性のある広葉植物で、このまま冬が来ても葉を落としません。収穫も今くらいからしばらく続き、何ヶ月か先に白い雪の上でできる可能性も十分にあります。
静寂に包まれた雨上がりのしっとり森で、足元にちらばるように見える小さな赤い実を無心に摘み続けていたら、遠くでガサッと音がして、なにかわりと大きさのある動物が森の奥にかけていくシルエットが、一瞬だけ目に映る。あれはシカだったのか、迷い込んだ飼い犬だったのか。。

今日の収穫は砂糖と軽く煮詰めてから、寒天に閉じ込めてみました。ただいま冷蔵庫で固まるのを待っているところ。酸味の強いものと煮立てると寒天は固まりにくいらしいのでどうなるかわかりませんが、うまくいけば色はまちがいなく美しいものになりそうです。

さあそして8月最終日の明日は、一攫千金狙って?国立公園の秘境へ松茸ハンティングへ!!

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今日のサウナ入りそびれた…

posted by こばやし あやな at 03:55| Comment(0) | Suomi×歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月30日

バルト海沿岸諸語の意外な関係

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今朝起きてメールボックスを開けたら、ずっと返事がいただけずやきもきしていた各方面からの返信がどどっと届いていて、嬉しい半面スケジュール調整と返信に大奔走。でも、これで週末を迎えるにあたって多少ほっとできそうです。そのあとは急いで税務局に駆け込み用を済ませて、週末に書き上げなければならない記事のための文献探しに図書館へ。なかなかニッチな調べ物だったので、それらしい本を当たっては砕け…の繰り返しでしたが、閉館直前に開いた本でようやく欲しい情報にドンピシャヒット!やはりこの快感あっての、書き物屋ですよねえ。もちろん、直接トピックにかすらなかった本の中でも、たまたまうちの教授が書いているコラムを引き当てたり、面白そうでつい目を通してしまう誘惑トピックも多くて、そんな迷走時間も(我に返って時計見て悔やむ瞬間は往々にあるにせよ)また人生の本筋から離れたところでの愉しい小径散策みたいなもの。

その寄り道中に見つけた、ザ本日の知の収穫は、もう二年以上前に綴っていた「Maaliskuu-〈3月〉に隠された意味」というお題の日記の続編(番外編?)になりそうな小ネタ。フィンランド語の3月を意味するmaaliskuuという言葉は、他の月名に対して一番意味や語源が曖昧らしい…という話題から、wikiに見つけた意味深な語源のひとつを紹介した、まあ読み返してみてもなんともオドロオドロしい日記です。。。興味のある方はまずあちらからお読みください。

maaliskuuをめぐって今日仕入れた新情報というのは…そもそもまず、フィンランド語の、殊に自然に関係する言葉というのはオリジナル言語が多いとよく言うけれど、実はバルト語族の古い言葉から影響を受けたり借りてきて訛った言語が少なくない、ということ(フィンランド語は、エストニア語やハンガリー語が同族とされる「フィン・ウラル語族」の一派であり、バルト語族ではありませんし、欧州といえばのインド・ヨーロッパ語族にも属していません)。

バルト語派というものの存在自体に、恥ずかしながら私はえっ!となったのですが(これに属すラトビア語やリトアニア語は、てっきりスラブ語系だと思い込んでいたので)、バルト語系って、実はインド・ヨーロッパ語族のなかでももっとも古い歴史をもつ言語族のひとつで、かつてはもっと細分化されたさまざまなバルト語族の言語が存在したそうです。現存するのは、やはりラトビア語とリトアニア語くらい。私がスラブ語と決めつけていたのも無理はなく、バルト語はロシア語を始めとするスラブ語ともともとかなり親しい関係にあり、さらに歴史のなかでスラブ色に塗り替えられてしまった部分も多いようです。事実、その強大国や語族に囲まれた土地柄、これまでいくつものバルト語族が淘汰され死語となってきたみたいですし。

こうしたフィン・ウラル語族(フィン語・エストニア語チーム)と、そこに影響を与えたとされるバルト語族(エストニア語・リトアニア語チーム)との間になんらかの相互性の見られる単語のひとつが、sula。
まず、エストニア語でsulaは樹液。そしてラトビア語ではsula=ジュース。
フィンランド語でsulaは、「溶けた、液状化した」の意味で、エストニア語でもほぼ同じ意味。

おお、なんとなく関連性が見えるような!

いっぽう、フィンランド語で「樹液」はmahla。ところがエストニア語ではmahlで「ジュース」の意だそう。
この「ジュースか樹液か?」の対応にも、先に述べたフィンランドとリトアニアの相互性が介在してると言えるのかしら?

ともあれこのmahla(mahl)とsulaという、子音が異なるため別物に聞こえる両語も、元はやはり同類だった説は濃厚なようで、その根拠は、エストニア語の古い月(暦)の呼び方に残っているそうです。エストニア語名で、4月は、mahlakuuまたはsulakuuとも言われるんですって。つまり、「雪解けの月」という意が込められていたわけです。

そして、ようやく本題に帰結するのですが、フィンランド語のmaaliskuuも、ひと月違いではあるけど、このエストニア語のmahlakuuに影響を受けて訛ったのでは?という説があるらしい。wikiにも一応言及はされてます。以前の日記に書いたように、maaの部分は「地面」の意味なので、雪が溶けて大地が見えてくる…という解釈が幾分わかりやすく有力なんだけど、「(雪が)溶ける」がルーツにあると考えられるmahla語源説も、なるほど悪くない気もする。


…んん、図書館でざっくりフィンランド語で読み流してた時は「おおお!!」と、なんかもうちょい感動したはずなんですが、改めて日本語で整理してみたら、結局うまく着地できてるようでふわふわしたままのような…ちょっともどかしさの残る例、って気もしてきましたね、コレ(笑)まあでも、こういう確固たることのわからなさや不純さが、いろんな方向からの風に吹かれつつ、マイペースに文化や言語を獲得していった謎多き北欧らしい、のかもしれませんな。

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週末くらいはいい天気になるといいな。

posted by こばやし あやな at 08:27| Comment(0) | フィン語奮闘記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月29日

頭<身体は、久しぶり?

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大学内に最近リニューアルオープンした購買部SOPPI。場所が少し移動して前よりも敷地面積が拡大し、以前は文房具類と大学公認ノベルティがせいぜいだった取り扱い商品のバラエティもにわかに豊かに。校舎にゆかりあるのにあやかってかアールトベースなんかも何気なく売られているし、もはやデザインショップの風格が漂い始めています(笑)

と言うのはさておき、今日はタイトル通り、頭+指先ばかりを使う近頃の日常よりも、めずらしく身体を張ってた時間のほうが長い一日でした。おかげでもう、本来夜行性なのに眠い眠い!笑

朝はようやく今週から秋季営業を始めた大学内市民プールでみっちり2時間およぎ、サウナで汗をかき、午後少し大学図書館で仕事と勉強をしたあと、夕方にはうちで大学オケの弦首席たちと入学式演奏のための選曲会議+アンサンブルで2時間以上ビオラをきこきこ。7月に越してきた新居には、玄関先に廊下以上部屋未満の謎のスペースがあり、当初はこのスペースを何に活かしてよいやらと思っていましたが、私の楽器練習スペース&ミッコの筋トレスペース(そして夜間は洗濯物室内干しスペース)として、結局重宝している一角です。今日はなんとかカルテットも収まることが実証でき、我が家でこうしてカルテット練習までできるなんて、なんて豊かな生活空間!としみじみ。

ところで今年はアールトさんのメイン講堂は大規模改修中で入学式の場所が別のキャンパスのコンベンションセンターに移るので、少し縮小版の入学式となるようです。なので普段は小規模オケか室内楽で参加している記念演奏も、弦楽カルテットで入退場のBGMのみ、になってしまいました。まあ、こうして例年お声掛けいただけるだけでもありがたいし、形態としても指揮がつくより気軽にアンサンブルできるので、実はカルテットのほうが断然楽しいのですけどね♪
この夏はものの見事にアンサンブルやクラシック音楽そのものから遠ざかっていたので、案の定今日の出だしは何かと違和感にやきもきしていましたが、だんだん調子が上がってきてからは軽いトランス状態に。ああ、やっぱり弦楽アンサンブルとは一生かけて付き合い続けたい。
入学式の入場曲は例年、私がビオラ人生ぶっちぎりで演奏会数最多を記録しているシベリウスのアンダンテ・フェスティーボと決まっているのですが、退場のほうは、退場らしく祝祭的で平和で希望に満ちてる曲をどんどんやれ、とのリクエスト。聞かせる音楽でもないので凝ったのやってもしょうがないし…と結局カノンなどの無難な曲が並ぶなか…私の弦4譜フォルダを漁ってあれこれ試奏しはじめたファーストのヘルヤが、「あ、これいいじゃない」と目(耳)をとめたのは、まさかの…

ドラゴンクエストW序曲(弦楽四重奏版)!!


祝祭的で希望に満ちてて平和(のために頑張る)…勇者たちの新たな冒険の始まり…

ナルホド、入学式にこの上なくぴったり!!!笑

…でもいいんだろうか、曲がりなりにもフィンランド有数の由緒ある総合大学の入学式でテレビゲームのオープニングテーマとか…とは一瞬思ったものの、それをやってのけれるのも「固定概念にとらわれないスタンスウェルカム」なフィンランドならではかもね。
まあ、退場曲は結局何分ぐらい必要とされているかもよくわからないんで、勇者たちにお呼びがかかることになるかはなんともわかりませんが、もし巡ってきたらロトの血を鼓舞して挑みます!

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しかし今日は肉体疲労がすごい。誰かホイミを我に…
posted by こばやし あやな at 06:39| Comment(0) | Suomi×音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

今日もまた地の味を

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前回の松山あげに続きまして、以前とあるお仕事で縁のあった方から、本日またもや、素敵な郷土の味を届けていただきました。伊勢志摩産の、あおさ。三重県って、あおさの生産量はなんと国内の75%にものぼるらしいですね。たまたま今日は手巻き寿司にしようと材料を買い込んでいたところだったので、お味噌汁にたっぷりと(with松山あげ)、そして手巻き寿司の具としても美味しくいただきました。あおさをたっぷり入れたお味噌汁は、その昔寿司屋でバイトしていたときの休憩時間に、裏ですするというよりゴクゴク飲んでいた海苔汁の風味にそっくりで、厳しい大将に最後まで怒鳴られまくっていたほろ苦い思い出も一緒に蘇ってきました(笑)
大将、もういい年だったけどまだ元気に寿司握ってるのかな。2年前の一時帰国のときにお店に寄ったら、「ちょうど今朝、テレビをつけたらオーロラの特集やってて、ここの国に行ったちゃきちゃき娘がむかし店で働いてた…と、かみさんと話してたんだ。」と言ってはって、びっくり、ほっこり。気難しく客の前でも容赦なく雷を落とす、職人オーラ全開の大将。とにかく厳しかったけど、根はものすごく人思いで優しくて、機嫌がいい時は仕事終わりに余り物の特上にぎりと地酒をほいっと振る舞ってくれてた大将…えーん、あの絵に描いたような飴とムチっぷりよ。あおさの香りに誘われ思い出が溢れて泣けてきた…。

それにしても、地の味ってほんとうに愛おしい。別に私自身の故郷じゃなくても、その土地に根をはり、郷土や伝統への誇りを持って誠意ある商品づくりに励む人々を思い浮かべながら口にすると、何気ない「いただきます」「ごちそうさまでした」という言葉の本意も一緒に噛み締められる。
フィンランドには、「地の味」という発想はないも同然。国を背負ったブランド、個々のこだわりあるお店や商品なんかはあっても、その村や街の名前、伝統、誇りを背負ったいわゆる地方名産品というのは、殊に食分野に関してはなかなかお目にかかれない。オウル牛もいなければユヴァスキュラ名物なんてものも特に存在しない。今後もし自分がこの国に根を張って生きていくなら、将来的にはフィンランド人に恩返しというか、私の日本人としてのアイデアや経験を還元して何かしら彼らの暮らしの役に立てることを追い求めていきたい、という欲求が常にあるのだけど、日本の村興しや地域産業や、そこから生まれるさまざまなモノには、そのための可能性やヒントがたくさん秘められている気がしています。

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明日からいよいよ音楽活動も再開!

posted by こばやし あやな at 06:01| Comment(2) | Suomi×ごはん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月27日

我慢で成り立つ子育て社会

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今日、ツイッター上で在フィンママさん達による「日本は外出先での授乳も厳しいし、赤ちゃんは泣くのが当たり前に気を使わなきゃならないのが大変」…という意見を見かけました。「公共の場での授乳行為」の良し悪しという点についても興味が沸いたのですが、一昔前?に日本で物議を醸していた「赤ちゃんの泣き声と公共性」を巡って、母親という立場を経験したことのない私自身が、これらのことに対して日々正直に思うこと/わきまえていることを書き留めておきたいなと思い立ったので、考えるままに筆を走らせ…いや指を走らせてみます。たくさんの方があの告発事件をきっかけにいろんな意見を出していて、私のは今さら目新しい意見でもなんでもないと思いますが、いくつか考えうる意見のうち、あくまで私自身のスタンスはこれ、という表明のために。

本音をいえば、私もこれまで、他人の赤子や子供の止む気配のない泣き声にさらされるたび内心かなり「いらっ」としているし、そもそも赤ちゃんの泣き声自体が、他人の心に生理的な不快感を生むという事実は認めざるをえないと思っています。視覚情報のように目をそむければ自主的に回避できるものじゃないし、赤ちゃんや小さな子供の泣き声というのは言うまでもなく理屈と対極の、理不尽さの象徴音だから、「何事もどうにかすればなんとかなる」という大人の理性のバリアを突き破ってストレートに心を掻きむしられる思いがする。さらに他人の子供は、そもそも自分が率先してどうにかしようと動ける対象にあらずなので、こんなに必死の雄叫びが自分のところに聞こえていても、あくまで自分と無関係のものとして聞き流さなければならない、という一方向性がまた苦行の種になっている気がします。

ただし、このイライラはぶつける矛先がない、という至極当たり前な現実は理解しているつもりです。赤ちゃん本人も、そのお母さんも、攻める対象にあらず…このことについては議論の必要性もないというか、どんな人でも、まったく赤ちゃんの泣き声の聞こえていない今この場所で、赤ちゃんが泣くのは悪か、それを回避できない母親は悪か、といった問いにYesは突きつけないでしょう。
問題は、例の理性のバリアを破って心を掻きむしられる思いのする泣き声から逃れられない密室内で、それでもなお、同じ問いに同じ判断ができる心の余裕を保てるかどうか、です。もうここは誰しも、心に仏を呼び寄せ、いらいらを顔に出したくなる正直な自分をなだめ説得し、かつ余裕があればできるだけ母親が甲斐のないプレッシャーやストレスを感じぬよう「あ〜自分これくらいなんてことないっすよ〜ゆっくりなだめてやってください〜」というオーラを出せるように上手く演じることに徹することだけが要求されているのです。
倫理的に云々…より、その場に居合わせた個々がとっさにその努力のできる「大人」になれるかどうか、この問題はそこにかかっていると思います。

もしこういう現場や事後につい母親や赤ちゃんに対して不快感を露わにしてしまったり、ましてそれを交通機関側の問題に転化してしまうような人を見かけたら、悪人だとはまったく思わないけど、子供っぽいなあ、とは思います。「泣く可能性のある赤ちゃんを連れた外出が悪だ」という理論も、あの泣き声にいらいらさせられた自分自身の過去の経験に煽られ、つい口をついて出てくるのでしょうが、そもそもそういう個人的感情を抜きに考えれば、ある特定の世代の人だけ公共の場(や交通機関)の利用を禁止させようというのがいかに理不尽で反社会的な、子供っぽい(こう言ったら子供に失礼ですらある)アイディアかと気づけるでしょう。

子育てにやさしい国と謳われるここフィンランドでも、バスなんかで赤ちゃんが泣きわめき始めたら、みんな確実にいらっとはしているな、というのはいつもよくわかります。決して誰もが仏のように笑顔で見守っている極楽のような状況ではなく、みなさんさり気なく眉間にしわを寄せながら、時々思わずちらちらと振り返りながら、でもイどうにかライラを飲み込み、母親をまわりの雰囲気で追い詰めてしまわぬよう、平常を装ってやり過ごしています。もちろんその根底にあるのは、赤ん坊や子どもや母親が外出を億劫に感じる雰囲気を作っしまってはいけないという当たり前の考え。誰にだって当然にある外出欲と権利を、制度や設備でなく人の雰囲気で抑制させてしまうのも立派な人権侵害だと心得ているから、多少の「いらっ」もスマートに我慢するのです。それが共生社会の一員としての判断というものです。
というか日本でも、一部の我慢の苦手な人がメディアを巻き込んで言葉にして事を荒らげるから、本来心の底では皆同様の思いを隠しているだけに余計に空気や全体の風潮までがおかしくなるわけで、大半の日本人は上述したフィンランド人同様つい抱いてしまう「いらっ」をうまく隠して、人によっては笑顔でお母さんを安心させる余裕まで持ち合わせながら、そういう場面を事なく切り抜けているはずです。

逆に、我が子が泣き出したときに、つい人目すなわち「まわりへの迷惑」を気にしてしまうお母さんも、もちろん世間の本音に怯えているんだろうとも思うし、そもそも自分自身も、赤ちゃんの泣き声には誰も気持ちいい思いをしない…という実体験があるからこそ、怖気づいている部分もあるのではと察します。極端に言えば、自分が被害者から加害者に変わってしまうような恐怖感。でも、ここはやはり社会の(大部分の)人が当たり前に持ち合わせている「公共性」に身を委ね、周囲に当然のように我慢してもらえばいいと思うのです。
「赤ちゃんのギャン泣きには誰も気持ちいい思いをしない」…これ自体は悲しきかなたぶん真です。でも、世の多くの人は、それを仕方ない、我々が我慢するしかない、とも思っています。なぜなら、ただ単純にそれが公共、あるいは社会というものだと心得ているから。それ以上に「赤ちゃんや弱者をみんなで守り育てる社会をつくろう!」という意欲の強い人は、ありがたくもより積極的に(親身に)その場を取り繕うとするだろうし、そこまで強いイズムがなくても普通は、弱者を精神的に追い詰めることに加担してはいけない、というほぼ無意識の社会性がはたらき、誰しも我慢(+α)という方法でその場を乗り切ります。我慢できない人は、残念ながら悪というより子供なんです。そういう大人が増えているのも事実かもしれませんが、だからといって、そういう自分に正直すぎる人たちの子どもじみた不平不満にいちいち耳を貸したり心を痛める必要はないと思います。

お母さんたちには、どうかいつでも申し訳無さなんて感じずに、ただ淡々と、その場の空気に身を委ねて、それよりも赤ちゃんが泣いて自分に何かを訴えようとしている、そのメッセージを受けとめてあげることに集中してくれたらなと願います。

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市民プールようやく再開。明日は朝ひと泳ぎしてきたい

posted by こばやし あやな at 01:52| Comment(0) | Suomiで考えごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月26日

なぜに今

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今日は、「そういえばずっと見ないまま忘れかけていたあれこれとひょいと再会する日」だった。冷蔵庫のなかに賞味期限ぎりぎりのチョコプリンを見つけたり、大学図書館で2年ぶりくらいに昔のフィン語クラスの戦友にばったり遭遇したり。

でもこの日一番の、どう首をひねっても事情がわからない「なぜに今になって?」大賞は、3年前のちょうど今頃、とある記事のために知りたかった専門的な情報の真偽を確かめるため大学内の別学部の教授に送った質問メールに対して、ずーっとスルーされたまま闇に葬られていた返事が、なぜか突然送られてきたこと。メール内には「ずっと放置しててごめん」の誤り文句も何もなく、ただ淡々と質問への回答だけが綴られていた。。。

すなわち彼は今三年ぶりにアカウントをあけて、せっせとこれまでのメール処理しているのだろうか…?それとも…??
事の真相を妄想するうち、なんだか今みつめている星の光が、実は何万年前の光…みたいな、教授と自分との時空の隔たりの可能性にまで思わず思いを寄せてしまったところで、さすがに我に返りました。

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さっきからすごい土砂降り

posted by こばやし あやな at 05:05| Comment(0) | 大学院生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月25日

これ、海外在住者には喜ばれますよ。

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今日は、相方が地元の村で中学時代の同窓会のために帰省していて、久しぶりに一人で過ごしています。ここのところ、日本からの友人たちの来訪があったり、到着したばかりの新年度交換留学生たちが連日遊びに来ていたりと、夜はいつでも賑やかさに身をおいていたので、やや寂しさを感じてしまうくらい静かで穏やかな夕べです。執筆にはもってこいの環境ですが、明日締め切りの原稿はまだようやく折り返し…のペースで、優雅な一人晩酌どころではないのが我ながら恨めしい…。

夕飯も、ひとりごはんということで、乾麺を使った手抜きうどんとわかめサラダ。ただーし、今日のうどんには、麺を押しのけてメインディッシュの座を譲ってあげたい超強力トッピングが施されているのです!これぞ、先週知人に日本から輸入してきてもらった待望の便利アイテム「松山あげ」!
実はこちら、水などで戻す必要がなく、うどんでも汁物でも投入するだけで瞬時にほどけてふやける、常温保存も可能なお揚げさんなのです。先日日本人の知人に教えてもらいすっかり虜になってしまった、愛媛県民推奨の伝統あるローカル商品。油揚げからはしばらく遠ざかっているので、「ハテいわゆる油揚げはこういう味/食感だっけな?」と味の記憶からは少し違和感を感じないでもないのですが、ともかくコレはコレで、こんなにもお手軽なのに絶妙の食感と味わいが癖になります。
フカフカもっちりしてるんやけど、噛むと細かい繊維の束の歯ざわりが楽しめる。お汁に浸してすぐ半カリなところをサクッといただいても美味しいし、やっぱりお出しをたっぷり吸ってふにゃりきったお揚げさんを、ずびずびと吸いながら食らいつくのが最高の幸せ。いやあ、これは世界のどこにいても即味わい楽しめるあっぱれフード!海外在住の方へはもちろん、まだ経験したことのないあらゆる皆さんにおすすめの商品です。

Suomiのおかん一押しの松山あげ ウェブサイトはこちらから。

ちなみに、遊びに来てくれた友人たちにはコーディネート料ということで、こんなふうに以前から気になっていた商品、こちらで手にはいらないので輸入必須の日用品あれこれを、かなりピンポイントでオーダーし持ってきてもらったのですが、そのうちのひとつ、たまにやる揚げ物後の処理がぐっと楽ちんになる「油固めテンプル」を「適当数よろしく」と頼んだ結果がこちら。。。

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残り人生で揚げ物をやる回数をざっと逆算してみても間違いなく、
1年分どころか一生分。

いっそ便利グッズビジネスで周囲に売り込んでみようかとも思ったけど、フィン人はドーナツ作りのときくらいしか揚げ物料理をしないので、需要はないやろうなあ…嗚呼如何はせむ

ayana@jyväskylä.fi


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さて写真整理







posted by こばやし あやな at 04:22| Comment(2) | おかんのイチオシ商品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月24日

ペタヤヴェシ教会のセンスある羊たち

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今日は、前日夜10時という緊急信号の点灯しそうなタイミングで舞い込んできたユヴァスキュラ建築ガイドのお仕事のために、ありがたーく特に予定のなかった土曜の日中を奉納。市街のアールト建築そしてとなり街にたたずむ世界遺産、ペタヤヴェシの古い教会に足を運んできました。
この稀に見る「いつだって空いている(もしくは訪問者は往々にして自分一人)」世界文化遺産登録の教会訪問を楽しむポイントは、中央フィンランドというエリアの地理的な特色やその歴史的背景をあらかじめ見聞きしておくこと。かつ、世界遺産の宗教建築といえども、法隆寺だの東大寺だのパリのノートルダムだの…と同格であるという壮大な期待をせず、ただ素朴で慈愛に満ちた心で目に映るあれこれを受け止める、という心構え。これに尽きます!教会のたたずまいや歴史については過去に何度かメモしているので、もし今後訪れる予定のある方はこちらで見識を深めていただければと、思います。

実はペタヤヴェシには先週も、来訪中だった友人たちを連れて赴いたところ。これはその時発見したことなんですが…

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フィンランドの田舎の教会では、そのすぐ周辺で羊たちが放牧されている、という平和そのものの光景をよく見かけます。ペタヤヴェシ教会も例に漏れず、正面玄関のすぐ前に柵がめぐらされていて、いつも羊の集団がのんびりと草を食んでおります。
私は羊の習性なんぞ詳しくはないし他の羊の群れも同じなのか調べたことはないですが、どうも彼らは人間の集団行動そのものみたく、呼びかければまず全員で声を揃えて返事をする…という行動パターンに支配されているようです。というのも、たとえば友人が、さも自分について来たら餌がもらえるよ、という朗らかさで柵越しに「みんな、行くよー!!」と声をかけると、間髪いれずに「メーーーッ」と息ぴったりで一斉に返事をし、そして友人の走る方向に隊列揃えてテケテケついて回ってくるのです。とにかくこっちが明らかに彼らの気を引くかんじで何かを呼びかけると、「いいとも〜」さながらの場の支配力を思わせる、実に小気味良いタイミングで返事とアクションが返ってくるのが、楽しくて仕方ない!その昔、体育の時間の号令で「体操の隊形にひらけッ」「ヤァーッ!」と問答していたあの呼応の奇妙な快感によく似てる気がします。羊たちも、我々のしっくりくるこの絶妙なタイミングに何かしら生理的な心地よさを感じているのでしょうかねえ。

ただ、私たちがあまりにそれを喜び、えさを与えるわけでもなく何度も何度も同じ呼びかけでさすがにおちょくりすぎてしまったため、最後に、今まで我々を呆れた目でみてた相方がついに、我々の真似して満面の笑みで「みんな〜ついておいで〜!!」と呼びかけ、メルヘンチックな足取りで野をかけ先導をきろうとしたその時、さすがに茶番劇に愛想が尽きたらしい羊たちのうちの何匹かだけが、「アホか」といわんばかりにやる気の感じられない低音ボイスで返事し、そのまま誰一人、いや一匹としてついてきてくれず。。。(そして相方、長閑な農地に響き渡る声で「オマエラー!!」と絶叫)という、オチのつけ方、そのタイミングまで実に見事なセンスある羊たちにただただ感心してしまいました(笑)やっぱり、羊と人間(関西人)は、何かしら「間」とか「リズム」とか「タイミング」といった点で、生理的な快を共有できる種同士に違いない。

ayana@petajavesi.fi


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明日はゆっくり寝過ごそう

posted by こばやし あやな at 23:38| Comment(0) | Suomi×生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月23日

プーチン・バター争奪戦

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ここ最近のフィンランドでのトレンドワードといえば、「Putin-juusto」、その名もプーチン・チーズ。プーチンはもちろん、あのプーチンさんです。

日本にも最新情報が逐一流れていることと思いますが、今ロシアとEU加盟国とのあいだには、ウクライナ問題をめぐり、我慢比べ…というかもはや意地の張り合いのような経済制裁とそれに対する報復のやり合いが続いています。
歴史上の関係はさておき、フィンランドにとってロシアはれっきとした隣接国であり、今日の重要なビジネスパートナーです。ところがEU加盟国であるかぎり、フィンランドだって今は当然否応なしにロシアへの経済制裁に加担しているわけで、対するロシアは、反省どころかその報復としてフィンランドからの乳製品の輸入を拒否し始めました(もちろんフィンランドからだけ、ではなく、制裁に加わっているEU各国に対して)。現在フィン国内には、ロシアへの輸出が大きな割合を占めている乳製品の製造販売企業はいくつかあり、このことによって思わぬ打撃を受けつつあります。

その代表格で、圧倒的に知名度やシェアが高いのが、牛乳・チーズ・バター・ジュースとなんでもござれのフィンランドの雪印(でいいのかな?)、Valio社。利益の20パーセント近くはロシアへの輸出に頼っているとも言われています。そう、ロシア人も、ヴァリオ社の牛乳やチーズは昔から大好きなのです。
そのヴァリオ社が、ロシアに出荷予定だった製品を仕方なく、けれどどうせやるなら派手に…と、先日から少しずつ国内のスーパーで格安でたたき売りを始めたことが、国内で今非常に話題になっています。もちろん、ただ正規製品と並べて売るだけでは購買者に問題意識を持ってもらえないし、逆に価格だけ見て正規品が売れなくなってしまうかもしれないし…というわけで、巧妙なメディア戦略まで敷き始めたのです。大手スーパーと提携し、「明日また新商品を◎◎系列のスーパーで個数限定で売り出しますよ!ただし何を売り出すかは当日朝まで秘密です!」などと購買者を炊き上げる声明を出すことによって。

その第一弾として、先日は、のちに「プーチン・チーズ」と呼ばれるまでになったチーズブロックが破格で売りだされて熾烈な買い占めが起こり(いや起こすことに成功し?)、本日はその第二弾で、無塩バターが1個55セントとこれまた正規品を買うのが馬鹿らしくなるような勉強価格で登場。噂を聞きつけ殺到する客の波にもまれながら、Suomiのおかんもおかんの意地でどうにか3つゲットしてきました。見ての通り、本来ロシアで売られるために作られた製品なので、もちろんパッケージや表示はロシア仕様。Valioのロゴは一緒でも、本家本元とはまったく異なるパッケージなのが面白いです。
でも、品質には(当たり前ですが)特に手を抜いているわけでもないし、キリル文字パッケージの目新しさと、時事ニュースを身近に体感する面白さと、そもそものお買い得品争奪根性と(ムーミンの眼鏡マグ販売の時にも目の当たりにしましたが、なんだかんだでフィンランド人はこういうプレミア感や話題性に釣られること大好きなんだと思う)、あとはおそらく自国の一大ブランドの危機を少しでも救ってあげねばという純粋な正義感もあって、フィンランド人達は今回もだっととびつきがばっと掴んで満足げにレジに並んでおりました。

本来シリアスなはずの国を超えた経済制裁とやらが、なんだかこんな楽しげな現象まで生んでる(ニュースでは「プーチンがフィンランドにヒット商品をもたらしてくれた!」なんて報道までされてる…)奇怪な現状、私は決して嫌いじゃない。つまらないことを全力で楽しむ愛すべきフィンランド人気質が、いかんなく発揮されていると思う。とはいえ、今はまだこんなふうに企業側も半ばお祭り騒ぎにすり替えて、この問題に対する人々の関心を引き寄せ続けながらどうにかこうにかやってるけど、この目に余るEU対ロシアの我慢比べが今後、いつ、どういう結果に着地するのか…多くの企業(で働く人)や消費者の当たり前の日常生活が崩壊し始める前に、そろそろ根本的に動きを見せて欲しいところです。ヴァリオのように名の知れた大手会社なら、こんなふうにピンチを逆手に取ったユニークな?応戦を展開する余裕もまだあるだろうし、人々もわかりやすくそれを支持し応援しようと動くけれど、きっと私が名も知らないけれど、ロシア側の拒絶によって今かなりの苦境に立たされている小さな企業もあるはずだし。

…とは願いながらも、交易再会の前にぷっちんプリンならぬプーチン・プリンが出てくれないかなあ…と密かに期待しているセンスと民度の低い私。

ayana@jyväskylä.fi


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週末はプーチンバターでケーキでも焼こう。


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2014年08月22日

夏離れ

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今週はよく雨が降るし、その一雨ごとに気温もすこしずつ下がっている気がする。そして一日数分ずつ、確実に日照時間は縮んでいる。そのゆるやかな変化に身を任せて、ちょっとずつ次なる季節の覚悟を決めてゆけばよいのに、新年度の受講ゼミ登録に9〜10月のコーディネート案件&原稿締め切りラッシュと、我が身はもう未練振り切りすっかり次の季節のほうばかりを見遣っている。

ayana@jyväskylä.fi


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キッチンの壁時計を買わなきゃと思いながら一夏が過ぎた…




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