2012年07月31日

新愛車ヨポと黄昏れ

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昨日のこと、まったくの突然ながら新しい自転車を手に入れることになりました。

交換留学生のように1,2年でここでの暮らしを切り上げるわけじゃないんだから、日用品は、最初にできるだけいつまでも使える良い物を揃えておこう、とそれなりに実践していたのですが、例外的に「どうしようもない安物」で我慢し続けていたのが、よりによって自転車。どう考えても生活上での重要度が上位ランクに位置するものなのに。こいでもこいでも自分の動力エネルギーが空転してるとしか思えない、まさに「どうしようもない奴」だったのですが、それでもなんとか一年間、こいつと一緒にあのユヴァスキュラ随一の心臓破りの坂を毎日登り降りしてたのだから自分でも呆れてしまう。

その後こうしてヘルシンキに越してきて、やっぱりヘルシンキでも当初は自転車が欲しいと思い破格or譲りますのものばかり物色していた時期もありましたが、ガイド三昧の日々にはあまり使う機会もなさそうなので、いつの間にか遠のいていました。

でも、昨日たまたまご町内の掲示板で、中古のjopoをたった100ユーロで売りますという寝耳に水の朗報に遭遇してしまったのです。

jopo(ヨポ)というのは、フィンランドの老舗自転車メーカー、ヘルカマ社の数あるラインナップの中でもダントツに国民的人気を誇る売れっ子モデル。街ゆく自転車を観察していれば、年代性別問わず3〜4人に1人はヨポユーザーであるといっても過言ではないほど、街中に溢れかえっている超定番モデルなのです。色もいろいろ。もともと1960年代に発売されて以来、愛され続ける一途で今日まで生き残ってきた伝説的シリーズなのですが、当然ながら、人気にはわけがある。そして、良きものは本来値もはる…。

デザイン、カラーバリエーション、価格などこちらの公式サイトをぜひチェックしてみてください。
http://www.jopo.fi/

とにかく勢いで連絡をとってみたら、私が初めての希望者だよということで、あっさり譲っていただけることが決まったのです。で、もうその30分後には、私の住む通りの角まで(電話に応答してくれたお母さんの)息子さんが届けにゆくから、という急展開。もちろんこのときは、実物のサイズや状態を見てその場で買うか決めさせてもらいます、とはことわっておいたのだけど…

実際待ち合わせの場所で、鮮やかな黄緑色のヨポ自転車のブレーキを握って待っていてくれたのは、黒人とのハーフらしい、小学校高学年くらいの男の子。私が自転車の探し主だとわかるなり、ぱっとこちらに駆け寄ってきて、ものすごい必死の声で「ごめんなさい!自転車はまだ買ってもらってから一年も乗っていないんだけど、毎日乗ってたからこことこことここにかすれ傷があるんだ…でも、状態は本当にいいし、乗り心地は最高だから!どうか買ってください!!」と開口一番謝られちゃって。

なるほど、ところどころに、塗装が剥げかけたような小さなかすれ傷が。でも、こんなの(私が乗っててもすぐ作っちゃうだろうし)全然気になりません。それよりむしろ、この無垢な目をした少年が毎日全力で遊んで乗り回していた自転車を、私なんかがいきなり譲り受けてしまっていいのかしらという後ろめたさのほうが先立ってしまったのですが、彼はどうやらまた別の知人からとてもいいマウンテンバイクを譲り受けることになったらしいのです。
ならば…「あなたからこの自転車を譲ってもらうことができて、とっても嬉しいよ」と素直な気持ちを伝えてためらいなくお金を渡し、晴れて少年の思い出が詰まったこの黄緑色の自転車を私が継承することになりました。私の家は同じ通りのすぐそこなのに、別れ際には「気をつけて運転して帰ってね!」と手を振って挨拶までしてくれて、ほんと、名前も聞かなかったけどなんて誠実で素敵な少年なのだろう…ありがとう、もちろんヘルシンキでも、ユヴァスキュラに帰ってからも(こっちの列車は自転車持ち込み可なのです!)一生ものの良品として大切に大切に使わせてもらいます。


ヨポにはこれまでも何回かレンタサイクルなどで乗ったことはあったのですが、やはり、この驚くべき乗り心地をなんと表現してよいのか、あるいはどう分析すればよいのか…。なんといっても魅力的なのは、このバッタの触覚のような独特の形にあわせて、ハンドルを握りペダルをこぐわたしの座体が、一番楽な自然体に逆整形されておさまる不思議。そして、いつでも「わたしと一緒に進んでくれている」という一体感を感じながら、疲れ知らずでどこまでも走れるような心地よさ。相性の良い友だちと旅を続けているようで、体も気分もとにかく心地よいのです。


譲り受けたときは鍵がついていなかったので、今晩さっそく錠をとりつけて、本格的な試走に。

この自転車にのって最初にいきたい場所はもう決まっていた。夕暮れ時の、ムンッキニエミの海岸。
昨日思いがけないとても嬉しい電話をくれて、今日はどうしても、綺麗な空を見上げながら私から電話してあげたい人がいたのです。
この国の滞在年数はまだまだ浅いけれど、どういう時期のどんな雲模様のときに真紅の夕焼けが伸びるかは知っている。今日はよみより雲が厚くて、空全体はやわらかな桃色に染まり、水平線上だけがかっかと燃えていました。電話では必死にその風合いを説明し、電話越しに波の音も聞かせてあげられた。はやくこの自転車をユヴァスキュラに連れて帰って、次こそは並んで少し遠くまでサイクリングに出かけたい(これまで自分の自転車の不良っぷりを言い訳にずっと避けていたので…)。

この街でのひとりぼっちなプライベートタイムの、とても素敵な相棒に出会えた気分。とにかく、思い立ったらどんどんこいつとどこかに行こう。

ayana@helsinki.fi


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明日はお仕事で終日ナーンタリへ。もちろん行き先はあそこです!
posted by こばやし あやな at 08:01| Comment(2) | Helsinki-ヘルシンキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月30日

あなたに聴いてほしい音楽

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今日は、ある意味なにもフィンランドとは関係ない話題ですが、日頃このブログをご贔屓にしてくださっている私の周りの皆さんに是非聴いてもらいたいロックグループがあるので紹介させてください。

Recto Berso(レクト・ベルソ)
という、超男前紳士お二人のユニット・ロックバンドです。レクト・ベルソという言葉は、ラテン語で「おもて・うら」という意味があるのだそうです。

私はかれこれ5年来、このバンドの軌跡、まさにおもて・うらを傍観できる恵まれた立場にありました。いわゆる、いちファンですが、メンバーの片方と知り合いであることをいいことに、ライブで宣材撮影と称して堂々隠し撮りさせてもらってたこともありました(笑)

いやいや実際それはおこがましい物言い、わたしは彼らの「うら」なんて、もしかしたら「おもて」さえも到底知り得ません。とにかく地道に努力に努力を重ね、媚びず、理想やこだわりを掲げ直すことなく、我道を歩んでこられたユニットです。歌詞もメロディも、音も、全部自作自演。長年をかけて練り上げられた曲は、彼らの個性とひたむきさの結晶そのものです。ものすごい完成度の手工芸品みたいです。

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そんなお二人の才と努力がついに、偶然なんかではなくきっと自然な流れで、その道の一流人の目にとまりプロデュースを名乗り出ていただけたそうで、この度晴れてメジャーデビューされることが決定しました。

まずは全国への顔見世として、これまで温めてこられた代表曲4曲を収録した先行EP盤を、8月8日にリリースされます!

Recto Berso デビューEP  "Nice To Love You!"

収録曲
1. Maria (マリアさん)
2. My Bird Has Flown Away (マイバード)
3. Vision (僕のすてきな計画)
4. For The Day, All Day (長雨思慕)

価格 ¥1200(税込み)


岡田徹プロデュースの脅威の2人組ユニット「レクト・ベルソ」。
噂が噂を呼び、遂にデビュー!!
レクトベルソは2007年に結成された西中&春木の2人によるユニット。ヴィンテージ楽器/機材を駆使して録音された、60年代の”あの頃の空気”を彷彿させるビートルズの遺伝子を受け継いだサウンドは知る人ぞ知る存在として結成当時から多くのミュージシャンやライターそしてビートルズマニア等から注目を集めている。昨年岡田徹(ムーンライダーズ)との出会いにより、岡田プロデュースの元レコーディングを開始、アルバムに先行して初のEP盤をリリースする。



先行プロモーション・クリップ、まずはぜひこちらをお聞きください!

http://www.myspace.com/rectoberso
そして、もっと聞きたい方はこちらから。音楽を手に取りたくなればしめたもの、ぜひCDをご購入ください!

ちなみに、diskunionで先行予約すれば未発売曲3曲特典が、タワレコで先行予約すればブロマイド&バッチ特典がついてくるそうで!ご本人たちは前者を推してらっしゃいましたが、ミーハーな私はやっぱり彼らのブロマイドをなんとしても入手したく…笑

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かつておびただしい枚数撮影させていただいた写真のなかで、私が一番お気に入りのお二人のオフショット。

レクト・ベルソHP http://www.rectoberso.com/
(トップページの写真を初めて見たとき、ほんとに鼻血でるかもと思えるくらい鼻孔が刺激されました…笑)



…さて、ここからはとても冗長かつ個人的なお話なので、レクトベルソさえお見知りおきいただければあとは読み飛ばしてくださってかまいません。

実は、この美形ユニットの片割れ、はるき先輩は、何を隠そう私の日本での大学院時代の研究室の先輩です。
先輩といっても歳は少し離れているし、当時はわれらが美学研の助手を務めておられたので、どちらかというと不真面目でもちろん博士後期に進む気もなかった不肖生徒の私なんかより、ずっと真にはるき先輩を必要としていた学生さんは、たくさんいました。教授たちにとっても、取って代わる人のいない右腕といった存在であることは明らかでした。さらにはるき先輩といえば、男前が多いで名物研究室だった美学研の顔ぶれのなかでも明らかに異彩を放ち、いわずもがな、他階の研究室にまでファンをたくさんかかえるほどその名が広く知れ渡っていましたっけ。

語学も堪能で、誰も思いつかない視点からの鋭い洞察や批評ができ、魅力的かつ独創的な文章をかかれ、教授代理の作文指導から雑務までなんでも完璧にこなしてしまう、全知全能という言葉がぴったりな優秀なお方。そのうえ見てのとおり眉目秀麗ぶり、さらにはいつ誰に対しても誠実で、寡黙なのに発する言葉ひとつひとつには不思議な説得力とインパクトがあり、でも日々の振る舞いはどこかミステリアスで…

きっと誰しもにとって、一生をかけて出会う数多くの人のなかでも、なかなか他に同類の見つけられない
類稀な存在であるはずです。そして、人生の途中で運良くはるき先輩に出会えた人はみんな、心からその出会いに感謝していると思われます。それぞれに悩み多き研究室生活のなかで、思いがけず先輩からいただいたアドバイス(らしき返答)、何気ない会話、メールの言葉に、どれだけ救われたか。考えさせられたことか。先輩の思慮深さに満ちた姿やオーラにどれだけ感化されたか。軽率な自分のふるまいを自省したことか。

私自身今でも、研究室生活の折々ではるき先輩が私に向けてくださった言葉のほとんどを、とことん頭にインプットしてあります。忘れようと思っても忘れることの出来ないインパクトと含蓄があるのです。

たとえば研究室を通じて某新聞の文化欄コラムを何本か書かせていただけることになり、その初回で、自分が渾身の力で書き終えた記事を、後に校正した教授や編集者さんにことごとく書きなおされ、いったいこの記事のどこに私らしさが、私のことばが残っているんだろうと打ちひしがれたことがありました。そのとき、教授からの指名で最終稿の構成にあたってくれた先輩からの講評の最後に、このようなコメントが付け加えられていました。

「先生や編集者の文章は、修正案であって、自分の文章を基に考えてもらっているという意味で、修正案にもどこまでも自分は残っている、あるいは修正案は、自分と修正したひとたちの共同作業である、と考えることができます。(中略)それ以前に、だれしもゼロから文章を書くことなどできないかもしれません。文(あるいはことば)は、公共物ですから、しょせん借りものです。まったくオリジナルの文やことばを編み出すなら、共有されないという意味で、もはやそれは文でもことばでもないでしょう。」

この文面に出会った時の安堵感と脱力感が、今も物書きとしての自分のスタンスや寝床を守り続けてくれている気がします。

そして私がやっとこさ修士課程を修了し、研究室を去る最後の御礼のメールにいただいた返答もまた、鮮明に心に残っています。
「わたしは小林さんという人間をとうていとらえきれてはいませんし、かなしいかなあらゆる記憶は薄れていくものです。しかし、小林さんが、メディア化したものはいつまでも現在です。」
居心地の良かったこの研究室を去り、不安いっぱいのマスメディアの道へと進む自分の根を、芯からじんわり温め肯定してくれた一言でした。


はるき先輩はそうして、私たちの研究室の守護神のようにお仕事をまっとうされながら、その傍らで音楽活動を続けてらっしゃいました。2008年の大晦日の夜、私は年明けすぐに提出せねばならない修士論文を書きあげるために、ひとり研究室にこもっていました。でもしんと静まり返った研究棟の、すぐその隣の講義室では、レクト・ベルソのお二人がこっそりと録音作業をされていましたっけ。時おり手を止めてドアをそっと開け、除夜の鐘がわりにわずかに聞こえてくるお二人の風のような歌声とアコースティック音に癒されながら、実に穏やかな気持で最終章を推敲していた生暖かい感覚を、昨日のことのように思い出すことができます。


先輩は、世間で語られ続ける「努力は報われる」「真によいものは、必ず誰かが見つけ出して救いあげてくれる」という美談を、見事に実現されつつあります。そしてまもなく、長年の夢の大きな一歩を踏み出されます。本当に、いつまでも先輩は私たちの憧れであり誇りでいてくれます。
今やこれだけ離れた場所にいる自分でも、まもなく、先輩たちが「メディア化」した永遠の「現在」を耳にすることができる。メディアって、発信って、やっぱり凄いことなんだ。私も、理想を修正したりせず、とにかく自分を磨き、発信し続けなければ、と改めて思い直しつつ、発売日を首を長くして待っています。


ここまで読んでくださった方、おられますでしょうか、どうもありがとうございました。
さらにもし余力があれば、これまた是非多くの現代人に読んでいただきたい…という思いで、かつて先輩がブログというメディアで書かれていたなかで、私が理解するため何度も読んで感銘を受けた、一番お気に入りのコラムのリンクを、最後に掲載しておきます。

「したいこと」、「できること」、「しなければならないこと」――「脱力」の構造
http://rectoverso.blog.shinobi.jp/Entry/66/

では、是非皆さん、レクトベルソのデビューCD "Nice To Love You"(なんて素敵なタイトル!)お買い求めください、よろしくお願いします!

ayana@helsinki.fi


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来週はご褒美帰省を目指して仕事がんばります! 


posted by こばやし あやな at 05:25| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月29日

ハメーンリンナの穏やかな古城

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昨晩部屋で読み物をしていたら、大家さんが「アヤナ〜オリンピックの開会式せっかくだから見ましょうよ」と声をかけてきてくださり、ほいほいとリビングに行くと、ビール瓶にスナックやらイチゴやらのおつまみ完備の鑑賞会場が特設されておりました(笑)

で、こちら時間10時に始まった中継番組を見始めたはいいのですが、まあ選手ドキュメントばかりが延々流れて肝心の開会式が一向に始まらず、ふたりともお酒が入ってだんだんトロンとしてきちゃって。ようやくあの壮大なショーが始まって、気を持ち直しおおぉといちいち感動の声を上げながら見てはいたのですが、だんだん二人とも見ることに疲弊してきて…やっぱりかわりばんこに、ウトウト。
やっと選手入場が始まってくれたので、とにかくジャパンのJまではなんとか見届けようと二人で誓い、各国の選手のコスチューム批評をしつつ、時刻既に1時すぎにようやくFinlandおよびJapanの選手団勇姿を見送り完了。「お疲れ様」と労いあって無情なほど即お開きとなりました(そして大家さんは今日から一週間バカンスで、早朝にポルトガルへと旅立たれました)。
嗚呼、フィンランドの出順がお国言葉の「Suomi」でなくて心底よかったです…。

閑話休題、ずっと延びていた先週末のハメーンリンナ日記を、ようやくここにて完結させたいと思います。

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ハメーンリンナという地名自体が、実はそもそも「ハメ城」という意味。その名のとおり今も中心街のそばに古城が残る、いわゆる城下町ですね。

フィンランドには、要塞としての役割を果たした有名な古城がいくつかありますが、どこの風景も、今や一様に長閑で穏やか。水辺に敷かれた広大な芝生の上にそびえる、無言のお城の素朴すぎる佇まいからは、日本のお城と同じくかつてそこで血なまぐさい戦や権力闘争が繰り広げられた歴史を、どうやっても想像できないのです。


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見れば見るほど、かつて人の手が作り出した極めて人工的なランドスケープだし、国は違えどここもまた「兵どもが夢の跡」の舞台。なのにこのシンプルな城一帯の風景を見つめていると、世界がまだまだ悲しみで満ちていることや、自分が短命のせわしない人間であることさえを忘れて、ただ恒久の平和や安らぎを信じたくなる不思議な気持ちに包まれる。


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お堀もあるけれど、これくらい馬でぴょんと飛び越えれそう。ほんとに守る気あったのか?と思ってしまう(笑)


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あぁいいなあ、こういう全てをさらけ出した潔い壁。まるで地層のように、壁をより高く強くせねばならなかった、あるいは改修を余儀なくされたそのときそのときの、時間的ゆとりや手元にあった素材と技術が、ありありと見て取れるのです。


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決して華美な雰囲気はなくもはや洞窟探検のようでさえありますが、お城のなかの見学もぜひどうぞ。


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ハメ城の敷地内には、メインの本城以外にもいくつか見学可能な歴史博物館があり、砲兵博物館などいずれもテーマがやや重くていかにも見応えがありそうなのですが、この日はあまり時間もなかったので、個人的に一番気になっていた「刑務所博物館」に入ってみました。お城の本丸だったとされる一角は、いつしかそのまま監獄と化し、1970年ごろまで使われていたのだそうです。

こ、この独房が並ぶ光景…まさに囚人大好きカウリスマキ映画の世界そのもの。むしろここがロケ地だったこともあったのではと思わされる既視感…まあ、刑務所ってどこも大差ない雰囲気か?

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ほら、このマリメッコがデザインしててもおかしくなさそうなオシャレ囚人服も、映画のなかで記憶に残っている色デザインそのもの。

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そして初めて自分の目で見てスケール感を実感したいわゆる「独房」は、日本の貧乏一人暮らしと大差ない十分な床面積と設備に恵まれている気がしました。外から届いた絵葉書が壁に何枚も飾られていて、なんだか温かな雰囲気さえ感じます。

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それから、刑務所だろうとどこだろうと、やっぱりサウナの享受権は不可欠らしい(笑)日本の刑務所でも、シャワーだけじゃなくいわゆる湯船につかれる日なんかが決められているのだろうか。

他にも、刑務所には託児ルームもあって、小さい子供のいる受刑者は最大2年間(だったかしら)子どもと一緒に入所可能という、果たして子供にとってそれが良いのか悪いのか判断しがたい選択肢も用意されている…などなど、未知なる世界の潜入ドキュメント番組を見ているかのような新鮮な展示と情報が満載です。

なんせ日帰り旅道中の数時間滞在だったので、立ち寄ることができたのはせいぜいこんなところ。あとは故郷ユヴァスキュラを想いながら湖畔をぶらついて水景を写真に収め、夕刻にはヘルシンキに帰還しました。イーッタラ&ハメーンリンナの組み合わせは、ヘルシンキからの思いつき日帰りには程よい距離とエキゾチシズムがあり、なかなかよいチョイスだったかと思います。

ayana@hämeenlinna.fi


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明日はヘルシンキ市内某所をぶらぶらする予定


posted by こばやし あやな at 05:41| Comment(0) | Hämeenlinna_ハメーンリンナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月28日

為終え

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平日一週間が、終わった…

気力や余裕の問題ではなく、ただひとえに体力エネルギーの問題。
24時間各地で完全燃焼させて突っ走ったら、確実に完走できなくなる。その怖気とともに、オンオフのスイッチをこまめに切り替えつつ完走だけに専念した数日間なんて…正直、人生で始めてかも知れません。

時おり予定調和的にずっこけたりダウンしてはタイミングよく疲労回復させて…を折り挟みつつ、夜も朝も昨日も一昨日も、いつでも思うまま全力で突っ走ってきた私が、(私的時間において)「あきらめる」「切り捨てる」時間をもちつつ、なんとか暮らしを切り盛りしてゆく日々が日常となり始めているなんて。これが年とったってことなのか、これまで人様に迷惑がかかる恐怖感抱えて仕事したことが実は一切なかったってことのか…。

ともかく明日一日全力で休んだら、また先々のスケジュールとにらめっこしながらオンオフのタイミングを逆算して慎重に生きる日々の再開です。週末はちょっとは新譜もさらわなきゃ。

ayana@helsinki.fi


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さあ、オリンピック開会式、眠気に襲われるまで見届けますか。


posted by こばやし あやな at 04:07| Comment(0) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月27日

夏バテ?

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昨日あたりからどうも基礎体調が良くない感じで、仕事に支障を出さないための節電モードで生活しているため、珍しく日記もまじめに書けないでいます、ごめんなさい。

「夏に文句をたらしてはいけない」ということわざ?がフィンランドにはあって、つまり、夏の太陽、気候、風土がこの国でどれだけ貴重な自然の恵みか!多少暑くても陽射しがきつくても、冬のことを思えば天国じゃないか!という発想なわけです。ええ、仰るとおりです。が、やっぱり毎日外に出ずっぱりだと、皮膚も体もきっとイメージ以上にエネルギーを発散させて頑張ってくれているのでしょう。TKK時代の友人マリカが週末に誘ってくれていたサマーコテージへのショートトリップは、残念ながらキャンセル。明日一日頑張り抜いたら、週末はゆっくり体を労ってあげたいと思います。体へのご褒美、何がいいだろ。

ayana@helsinki.fi


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皆さんも、花金めざして後ひと頑張り!


posted by こばやし あやな at 03:58| Comment(0) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月25日

シベリウスの生まれた街ハメーンリンナ

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一日あいてしまいましたが、改めまして、週末のイーッタラ&ハメーンリンナ訪問記を続けます!

イーッタラから在来線で引き返すかたちでやってきたハメーンリンナの駅(余談ですが、その間15分ほどで運賃が学生料金だとたった1.55ユーロという、今日の暴落レートにかければ阪急電車の初乗り未満の価格だったのに驚きました…)。

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ちなみに今年、フィンランドの国鉄VRはフィン最初の鉄道開通150週年記念ということで静かに話題を呼んでいますが、150年前に最初に開通した路線というのが、このヘルシンキ〜ハメーンリンナ間。周辺の先進ヨーロッパ諸国ではすでに地下鉄も走っていたというご時世にようやくの鉄道第一号というあたり、フィンランドという大器晩成国がゆるゆるとくすぶっていた時代の歴史を感じさせますよね…。


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街の真ん中には大きな湖がたゆたっており、対岸方面への行き来は若干不便ですが、ううんやっぱり潤いに満ちた湖畔の街の趣が好き。ユヴァスキュラがふと恋しくなる水景です。


日本からの観光者でも比較的立ち寄っていく人の多いハメーンリンナの街に、意外にもこれまで足を踏み入れたことのなかった私(だいたい普段は無名の小さな街や村ばかり優先的に訪れるもので…)。いつもヘルシンキ〜タンペレ間の高速列車の車窓から、ハメーンリンナ駅通過の際に、名物ハメ城の佇む景色に一瞬カメラをかまえるばかりでした。

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今回ようやくこの街に立ち寄ろうという決め手になったのは、これだけシベリウスと縁深い人生を過ごしておきながら、まだ一度もこの街に残る彼の生家を訪れたことがなかった償いと、たまたまその生家博物館で、夏の間は毎週日曜日にマチネサロンコンサートをやっているという噂を耳にしたことから。

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決して名の上がる演奏家たちが集っているわけではなさそうですが、せっかくゆかりの地で彼の作品が耳にできる贅沢を味わえるなら、ということで、イーッタラからの移動後マーケット広場の出店で軽く昼食をとり、開演時間にあわせて参上。生家は噂通り、車もとく通るにぎやかな街の一角に、ややしょうがなく、といった風にぎこちなく保存されていました。

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決して大々的に宣伝されているコンサートでもなかったので、お客さんはわずか20人ほど。まあ、あくまで元民家のリビングでのサロンコンサートですし、それ以上ははいるスペースもないのでちょうどよかったのでしょうか。入場料も、博物館の入館料のみでOKでした。

そうそう、コンサートに一組日本人のご夫妻が聴きにいらしていて、私は待ち時間などずっととなりの席のよく喋る地元のおばちゃんと話し込んでいたのでその方々とそこでお話するチャンスはなかったのですが、なんとこのご夫妻が、今日私が担当したガイドツアーのお客様だったのですよ!本日の集合場所ではちあわせて、あれーっとびっくり!おもしろい偶然もあるものです。

この日の演奏はピアノソロ曲とヴァイオリンとのデュオ曲を数曲ずつで、30分あまりのコンサートでした。ピアノソロは、即興曲のなかでもおそらく一番人気のあるロ短調や、これまた人気の樹木組曲からKuusi(樅の木…とよく日本語では訳されるけど、厳密にはkuusiは樅ではなく、たぶんトウヒが近いかと)、などなど。ヴァイオリンとのデュオでは、なにかの音源で一度は聞いたことあるけれど…という程度の記憶に残る5つの小品作品から抜粋されていたよう。

ピアノはまあとにかく甘くロマンティックで、ちょっとシベリウスとしては意外性があったけど、嫌味はなく、新鮮な気持ちで聞かせていただきました。ヴァイオリンは、んーピアノと重ねている割にはちょっと音程が不安定で頼りない気もしましたが、曲自体が馴染みなかった分、へえこんなユニークな曲もあったんだ〜という部分に感度を傾けることで充足感を得ました(笑)

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終演後はざっと館内の展示や往時のインテリアなどを見て回ったのですが(兄妹で器楽三重奏をしていたエピソードなどがありありと目に浮かぶ、なんとも温かく家庭的な雰囲気に満ちたお家でした。もちろん実際ははやくに父が他界し、まもなく女手ひとつの苦労生活を強いられるようになるわけですが…)、目がとまったのは、こちらの暖炉の鮮やかな緑色のタイル。これって…のちにシベリウスが家族とともに生涯をすごす自邸「アイノラ」のリビングにある暖炉のタイルの色とインパクトにかなり似ていますよね(ややマニアックな話ですみません)。

アイノラの暖炉のやはり印象的な緑色のタイルは、確か奥さんのアイノさんがお気に召してオランダから取り寄せた…というエピソードがあった気がするのですが、アイノさんとは無関係なこちらの自邸にも、似たようなディテールがあったなんて。実際アイノさんは夫の実家を訪問して一目置いていたのかも知れません(笑)


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生家から少し離れた街の一角には「シベリウス公園」と名付けられた小さな緑地もあり、睨みを効かせたシベリウスの全身像が立っております。表情はリアルですが、胸部から下は抽象化というかラフ過ぎるというか…な簡略化ぶりでした(笑)

ayana@hämeenlinna.fi


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さてさて、明日はハメーンリンナの街の代名詞、ハメ城入城記録を綴ります。
posted by こばやし あやな at 04:58| Comment(0) | Hämeenlinna_ハメーンリンナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月24日

通行止め

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本日は、別件を思考しすぎて日記をタイプする手が停止中。
すみません、ハメーンリンナ訪問記は、また明日に繰り越しですm(__)m

ayana@helsinki.fi


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ぼちぼち暗い夜が訪れるようになりましたなあ。

posted by こばやし あやな at 06:54| Comment(0) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月23日

イーッタラグラス発祥の村を訪ねて

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さて、昨晩なんだか急にむくむくとかつての放浪欲が湧いてきて、気が付けばぽちっとヘルシンキ〜ハメーンリンナ間の鉄道チケットをネット予約してしまっていました。毎日が旅のようなお仕事なのに、まださらに疲れにゆくかと自分でも一瞬呆れましたが、なんだかふいに昨夏のフィンランド単身周遊の旅情が恋しくなってきて。真夜中ににわかに行き先をあれこれプランニングして、快晴の空の下、今朝予定通りに列車でヘルシンキを発ちました。

列車が首都圏の街並みをあっさりと抜けて、どこもそんなに変わりばえしない夏色の森や草地、ちぎれ雲の浮かぶ真っ青な空が車窓に流れ始めてすぐに、ああ、やっぱり今日は旅に出てきてよかったな、と確信しました。

時折ぼんやりと単調な外の景色に目と意識を奪われながら、列車発車に駅構内の本屋さんに駆け込んで直感で購入した本を窓辺に片肘ついてのろのろと読み進める時間の、なんと贅沢に感じられること。指定席などない安い在来線を予約したので、座席はちょっぴり窮屈でネットなども繋がりはしませんが、決して快適とはいえない車両に揺られてただ田舎道をひた走る、その身体感覚がたまらなく懐かしくもあり、日常からグングン離れてゆくような新鮮な気持ちも与えてくれるのでした。


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ハメーンリンナ駅をすこしすっ飛ばし、今日最初に降り立ったのが、イーッタラ駅(写真は線路の高架下に描かれていたこの村らしいグラフィックアート)。

そう、もちろんあのガラスブランド・イーッタラ発祥の地として静かに知られる、小さな小さな村の玄関駅です。ここには1881年創業のガラス工場が今でも稼働していて、工場のなかは見学もできるし、周辺にはガラス博物館やアウトレットショップ、他の地元手工芸アーティストたちのちょっとしたお店や工房などが集まっているので、まさにイーッタラファンなら訪問の価値あり、なお膝元。最近うちのお客さまでもここのガラス工房の見学を希望される方が多く、学芸員さんともよくやりとりをしているので、せっかくだから一度下見を兼ねて自分の足でまず立ち寄っておきたいなと頭では思っていたのですが、こんなにあっさり実現してしまうとは。

ちなみに、このイーッタラ駅は8月いっぱいは工事のため閉鎖となり、代行バスの運行なども現時点では特にないようです。来月に訪問を予定されている方はお気をつけ下さい!

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駅から案内板に従ってしばらく歩いてゆくと、白樺の木立のなかに、さっそくおなじみのiのマークが見えてきました!

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こちらが現在も現役稼働中の、メイン工場。決して大きくはないですが、この穏やかな田舎町にそびえ立つには存在感ありありです。ちなみに工場の裏手には…

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ああっ、色とりどりガラスの破片が夢の島のごとく山積みに放置され、日光でキラキラと輝きを放っています…この破片だけでもファンにとっては垂涎の的だというのに。


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夏の間は毎日、1日に2回学芸員さんによる無料の工場見学ツアーが開催されています。フィンランド語オンリーでしたが、工場の生い立ちから工程まで丁寧に語ってくれ、ここぞとばかりにぶつけた日頃の疑問にもすべて丁寧に答えてくださったのでありがたかったです。ここでは今の時期、マイスターとそのお弟子さんたちが(おもいっきりひと目にさらされつつ)修行兼作業を続けてらっしゃるそうなのですが、なぜか師弟一様にイカツいルックスでありました…笑。サングラスは目の保護のために仕方ないとしても。
持ち帰りはできませんが、希望者にガラス拭き体験もさせてもらえましたよ!

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いっぽう、ミュージアムやお店の集まる工房村は、やはりというか日本人観光客がちらほら。アウトレット、なんといっても工場併設だけに期待もふくらませていたのですが、実際は、仕事で週二回は通ってて陳列品も価格帯情報もほぼインプットされているヘルシンキのアウトレットと、ほとんど変わらない様子でちょっと残念でした。地方のアウトレットではよく見かける交換色コーナー(こちら参照)もなかったし。これまでいろいろ立ち寄ったことのあるイーッタラ・アラビアアウトレットでは、なんだかんだで地元ユヴァスキュラのショップが一番思いがけない商品の安売りが多くて、今や市場で見かけないシリーズなんかも残っており、常にワクワクさせられる気がします。

とはいいながらも、ここではほぼ半額で売られていたkokoシリーズの深皿ブルーベリー色を数枚ゲット。

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それより何より、この村に立ち寄って感激したのは、夏ならではの蚤の市が屋内外さまざまな場所で開催されていたこと!今日は日曜日だというのに(だからこそ?)、工房村敷地内から駅舎前の広場まで、まさにあちこちに地元の人による露店がずらり。
そりゃあイーッタラのお膝元なんだから、ヴィンテージの掘り出し物なんかもジャンジャン見つかるのでは…?と思いきや、まあ実際はわりとガラクタ市的な雰囲気で、ブランド名のわかる商品ばかりではありませんでしたが、それでもやっぱりありましたよ、今やなかなか手に入らない、いや、ヘルシンキ市内のアンティクショップでは見つかったとしても値段に気落ちするお宝商品が、目を疑う(もはや発売当初の価格がそのままつきっぱなしなのでは?とさえ思われる)お値段でしれっと並んでいるではないですか!!

というわけで、恒例・戦利品紹介を!
今回蚤の市で購入したのはどちらも、ヨルマ・ヴェンノラさんという1970年代前後に素敵なシリーズをたくさん残したデザイナーさんの作品。彼の代表作の一つが、フィンランドでよく見かける樹々の葉っぱのスケッチをガラスに閉じ込めたシリーズでして、そのなかの、

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コイヴ(白樺)のミニグラス4点セット!(しかも白樺の葉に彩られた箱つき!)

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ほら、見てくださいっ白樺の葉の葉脈がとても上品にグラスに透かされているのです。形もふんわりと手におさまる流曲線がたまらない。ああ嬉しい!サイズ的には、冷酒なんかがぴったり?


もうひとつが、同じくヴェンノラ氏の茶目っ気にやられて(しかもハンバーガーと同じくらいの値段で)即決したこちら、

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金色のハートの持ち手が飛び出た小瓶!Fanni(ファン二)という、いわゆる「ファン」の意味を冠した、名前まで乙女心をくすぐるシリーズです。卓上のコーヒーミルクやシュガー入れにぴったりのサイズと形。
それにしても、かつてこんなキュートなイーッタラ製品があったでしょうか??まったく、あっぱれヴェンノラ氏!彼の作品は今後も蚤の市にゆくたび着目してゆかねばと心に誓いました。


さてイーッタラ訪問記はこんなところで、明日以降、小分けしながらハメーンリンナ訪問記も更新してゆく所存です。皆さま、また新たな一週間、夏バテに気をつけてお互いに頑張りましょう!

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posted by こばやし あやな at 05:18| Comment(4) | Iittala-イーッタラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月22日

羽伸ばしにおすすめのエリア・ムンッキニエミ

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今日はしっかり睡眠補給の予定だったのに、ついいつもどおりの早朝に目が覚め、しかも空があまりに青かったものでついお天気貧乏性に苛まれ、炊事洗濯をやっつけてから久々に一眼カメラを下げて散歩に繰り出しました。家を出た瞬間は取り立てて目的地も頭になかったのですが、気づけば今の家のあるエリアの隣町、ムンッキニエミ(Munkkiniemi)を目指しててくてくと歩き続けていました。

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ムンッキニエミは、カタヤノッカ発の4番トラムに乗ればやがて辿り着く、ヘルシンキ西端の郊外エリアです。マンネルヘイミン通りから逸れて、この緑樹のトンネルのような穏やかな界隈までやってきたら、終着地はもうすぐ。ちなみに、ムンッキという言葉にはドーナッツor修道僧というまったく異質な意味があるのですが…いったいどっちが由縁なのだろう。ニエミは半島。「ドーナツ半島」だったら、それこそマリオワールドに出てきそうやな。


観光客がこのあたりに来るとしたら、アルヴァ・アールトの自邸とアトリエを見に来る目的くらいでしょうか。アールトは1930年代からムンッキニエミの住宅街の一角に自邸を構えていて、さらにその20年後、世界的にも名声を得て大規模なプロジェクトを任されるようになってからは、自宅内のスタジオでは手狭になり、自邸から徒歩10分の場所に、アトリエを建てて仕事の拠点としました。現在はこの両建物ともアールト財団によって管理、一般公開されており、オフィシャルガイドアワーの時間のみ内部見学することができます。

私自身も、普段はお仕事でしばしばこのオフィシャルガイドの通訳に出向くのですが(実は今日もたまたま街角でここの学芸員さんにばったり出会い、互いにすっかり顔なじみなので「今日も仕事?」と尋ねられたり…)、そんなわけでいつもは、せっかくムンッキニエミに来てもアールト関連の施設に直行するだけなので、一度ゆっくり街全体を歩いてみたいと思っていたのですよ。


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ムンッキニエミの界隈は、なんだか同じヨーロッパでも少しだけ南下してしまったかのような、独特のまぶしさと穏やかさが感じられます。鮮やかな暖色の可愛らしい住宅がゆったりと並んでいて、陽光を透かして輝く街路の菩提樹とのコントラストが効いていて。個人的にはなんとなく、魔女の宅急便のキキが住む界隈が思い出されるのですが、いかがでしょう。緩やかな坂がたえずアップ・ダウンしているのも魅力的で、坂の向こうにきらめく海が見えてくると、無条件に心嬉しくなっちゃいます。

海に向かって、一気に下り坂を駆け下りると…

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視界の先にわっとひらける、海、空、そして対岸のぺったんこな陸地。
実は海を挟んですぐ目の前は、私の母校でもある旧ヘルシンキ工科大学(現アールト大学工学部)のキャンパスとその学生村がある、オタニエミ地区。

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かつて私が住んでいたアパートも、ここから覗けてしまうのです!(森のなかに埋もれていますが…)
私の旧居はつまり東向きの海岸沿いだったので、家の窓から朝焼けの絶景にたびたび息を呑んでいましたが、逆にこのビーチからは、さぞ美しい夕焼けが拝めることでしょう。


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海岸では、夏のヘルシンキの風物・海水でのマット洗いに勤しむ人たちの横でカラフルな絨毯が風にそよいでいたり、


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小さなビーチで人目気にせず思い思いに日光浴や海水浴に明け暮れていたり、


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朝っぱらから海沿いのカフェが賑わっていたり…

まさに首都ヘルシンキの小リゾートといった趣き!
賑わいのある港付近の海辺やスオメンリンナ島の岸壁から見下ろすバルト海もよいですが、いつもと違う物静かな海岸で開放的な気分にふけり、ふっと一息つきたい時には、とってもおすすめのビーチです。素敵な街散策とあわせて、是非一度立ち寄ってみてください!私は次回、夕景の写真を撮りにまたここにやってこようと目論んでいます。


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ちなみに、冒頭に写真を乗せたトラム緑道の道中付近で、これまたとってもおすすめの優良カフェを発見してしまいました。DELVOという、青いテラス屋根のたわいもない小さなオープンカフェなのですが、中に入ると2階席もありながら手前は大きく吹き抜けになっていて、黄色い壁にギンガムチェックのテーブルクロスがメルヘンにマッチしています。

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ショーケースにずらりと並ぶケーキやサンドイッチ各種も捨てがたかったのですが、ランチ時でしたのでサラダランチをチョイス(他に日替わりスープランチがありました)。
サラダランチは、大きなお皿に基本のグリーンサラダを盛ってもらったあと、ドレッシングを選び、さらに色々ユニークな食材が並ぶなかから2種類トッピングとして選ぶ、というスタイル。私はスモークサーモンと、アンティチョークのオリーブ酢漬けを選んだのですが、見ての通り、とにかく度肝を抜くボリュームで盛るわ盛るわ!もはやサーモンステーキ一皿分を上回るボリュームで、最後はやや苦しみながら完食(笑)でも文句なしの美味しさでした。

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一緒に頼んだカルヤランピーラッカも、上にトッピングとして乗っけるゆで卵をマッシュしてバターと和えたものがどどんとてんこ盛りで、もはやピーラッカ本体が重みに耐え切れておらず持ち上がらないという…!量にも味にも満足いくことまちがいなしです。

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外の特設テントテーブルでの一服も気持ちがよさそう!


このカフェ以外にも、ムンッキニエミは隠れたカフェ巡りの聖地かもしれません。そこここに、お洒落でつい中に入りたくなる素敵なお店がたくさん見つかりました。アールト自邸見学のついでにでも、是非探索してみることをおすすめします!

ayana@helsinki.fi


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相方のケミでのライブも無事盛況のなか終了したそうです。もし立ち寄っていらっしゃった方がいれば、ご来場どうもありがとうございました!

posted by こばやし あやな at 04:02| Comment(4) | Helsinki-ヘルシンキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月21日

体力を絞り出す日々

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こんな自分も珍しいのですが、気落ちしているだのメンタル的なことは一切関係なく、今ただ単純に、体力の残りヴォルテージがまさに底をつきかけているのがわかります。帰宅して、さっきまでベッドに倒れこんでしばらく気を失ってました(笑)

よく、芸人さんや噺家さんは何も公私共にあれだけハイテンションでしゃべくりまくっているわけではなく、カメラが回っていないあいだは意外無口で静かなもんだなんて言われたりしますが、今なんとなくその切り替え感覚に共感できます。

毎日数時間ずつ、ハレの時間(=お客様をナビしている時間)にあれほど身のこなしに気を配り、自分の判断で時間を仕切り、リップサービスにベストを尽くそうとしていると、もはやその時間の自分は舞台上の演者みたいなもので、一日分のエネルギーとテンションをそこにねじ込んで居るような心地がするのです。本能的に、残りのオフ時間は体力温存にかからざるを得ないというか、それ以上まだ笑ったリ喋ったり動いたりする気にはとてもなれなくて…平日アフターファイブの自分は生気がなく、慎ましすぎるツマラナイ奴であることを重々自覚しております。

週末はまずゆっくりと寝て体力回復に努め、そのうえで何かもう一段階有意義な過ごし方を見つけ出したいなあと思っています。でも、言わずもがな今日はもう何も思いつきません(苦笑)

ayana@helsinki.fi


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ヘルシンキも、やっと従来の夏らしくなってきました



posted by こばやし あやな at 05:40| Comment(0) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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