2011年08月31日

夏休み終了(とHPグランドオープンのお知らせ)

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本日8月30日をもって、前職退職以来のべ3ヶ月に及び、疑いなく私の人生最長であったはずの夏休みがお開きしました。

そのうち、フィンランドに再来して身分不定のまま自適に過ごすこと2ヶ月あまり。国内を鳥のように大胆かつ自由に飛び回りながら、北国がもっともまぶしく輝く最高の季節を全身で甘受して。それまでの2年間、どこにも行かず働き詰めだったとはいえ、そのご褒美にはあまりあるほど忘がたいひと夏でした。


最終日の今日は、PCで新学期の選択科目調整をはじめたり大学図書館に寄ったり、文房具屋で新年度手帳や備品を買い求めたりと、新生活の方角を見つめて歩き始めた、身も心もちょっぴり落ち着かない一日。それから今日は、国内FINKINO系列の映画館全店舗ですべての映画が一律6€(3D系は+1€)で見られる月一のお楽しみデーだったので、夜は街の小さな映画館にて、今年のカンヌ国際映画祭のオープニングに上演された Midnight in Paris という作品を鑑賞してきました。まったくの予備知識なく飛び入りで観たわりにはほのぼのと楽しめましたが、おそらくこの作品には、確実に私なんかより適性のあるコアなターゲット層がいるだろうなという気はしました。趣向さえ合致すれば、ほのぼのどころか、もっとほくほく・にやにやしながら観られたのでしょう。


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見上げた空には、いつの間にか秋の気配。
ついこの間までは、あんなに勢いある積乱雲が青空を席巻していたというのに。


さて、タイトルに書きましたように、プレオープン以来長らく随所で「詳細はもうしばらくお待ちください」などと保留していたSuomiのおかんの公式ホームページですが、ようやく(日本語版のみ)文字情報が出揃って、どちら様にもまともに見ていただける形になりました。



これは公約通り、この秋からは学業だけでなく、フィンランドに渡ってきた一大目的である「在住ジャーナリスト」としてのビジネスを両立させていく、という誓いの記しでもあります(詳細はHPの"business"や"profile"を御覧ください)。

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大学院生活に余裕ができるまでは具体的なセルフプロモーション活動に動くことができないので、当面はただ「天命を待つ」ほかありませんが、まずはこの渾身のHPをきっかけに、何か素敵な縁そしてきっかけに辿り着くことができればと願ってやみません。

特にこのブログを読んでくださっている方は、フィンランドというとても狭く小さな世界に、なにかしら関わったり興味を抱いておられ、きっとどこかで思わぬ縁や絆で結ばれる可能性があるはずと信じています。「ここはSuomiのおかんの出番ちゃう?」とふいに私を思い浮かべていただける案件がもし身の回りにありましたら、どのようなことでもまず気軽に相談、あるいは必要とされているお知り合いに紹介いただければこれ幸いです。


そしてもちろん、明日からはじまる未知なる学生生活のほうも、お仕事と並行というよりは互いに助長させながら、納得いくまでじっくりやり抜く所存です。
ブログはこれまでどおり大事な発信と交流の場として書き続けていくつもりですが、これからはきっと険しいことも次々起こるだろうし、そう呑気なことを綴ってばかりいられなくなるのかもしれません。けれど今後どれだけ辛い現実や自分自身と向き合う時期になっても、このブログからはいつでも朗らかに、幸せなできごと、忘れられない風景、大気から受けとる感覚、笑いの素などを、飾らない言葉で発信し続けてゆきたいです。そうすることで、誰かや自分の心に一瞬でもぽっとあたたかな灯がともるなら。

そんなSuomiのおかんを、ブログ共々どうかこれからも、遠くから近くから見守り続けていてくださいますか。
ボチボチで十分なので、末永く、温かく、必要あらば厳しく…どうぞよろしくお願いいたします。


では、明日はいっちょ大学院再デビュー頑張ってきまーす!
記念すべき初日、入学式こそないけど何着てこーか?

ayana@jyväskylä.fi


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posted by こばやし あやな at 08:58| Comment(2) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月30日

完全無欠のaarikkaテーパッロ

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約4年ぶりにフィンランドに戻ってきて強く感じたのは、もしや今お茶ブームのビックウェーブが来てるのでは…ということ。コーヒー消費量の高さは今も昔も相変わらずとして、数年前はそれほどぱっとしなかった多種多様なフレーバーティの茶葉が、今やどこの店頭でもズラリと並んでいるのを目にします。雑貨屋さんさえも、かわいい名前のついたオリジナルブレンドティーの茶葉を、茶器とセットにして巧みに売りさばいているし。

私はコーヒーももちろん飲みますが、「おうちではお茶派」なので、この人気傾向はありがたい限り。パッケージを見て気になったり、他所のお宅でいただいて美味しかった茶葉をちょこちょこと買い集めていますが、最近はもっぱら、元ホストファミリー家のお庭でこの夏摘んで乾燥させたばかりのミントの葉で淹れた、香りも清涼感も抜群のさわやか新茶を片手に、デスク作業(とティーブレイク)を楽しんでいます。


で、今日の本題は「おかんのイチオシ商品」第三弾、人気雑貨ブランドaarikkaから発売されているテーパッロのご紹介です。

テーパッロ(teepallo)=ずばりお茶ボール

でも日本語では「茶溜め」とか「茶かご」とか言うのかな。なにせ日本ではお茶といえばティーパックか急須+茶漉だったもので、恥ずかしながら、使ったことも、類似品を見かけた記憶さえもありません…。


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これがスタンダードなテーパッロ。
見れば使い道は容易に察していただけると思いますが、ボール部分の留め金をゆるめるとぱかっとまっぷたつに割れて、そこに茶葉を閉じ込めて熱湯を注いだマグカップに直接沈める…というなんともシンプルな構造です。

が。

昨今このテーパッロ、どうやら衰退傾向にあるようなのです…というのも、最近の定番はテーパッロではなくテーサクセット(teesakset=お茶バサミ)テーピフディット(teepihdit=お茶ペンチ)という名で売られる代物たち↓

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その名の通り、そして見ての通り、チェーンの代わりに握り手がついていて、握るとボールが開く造りになっています。結局味に違いなんか出ませんが、ハサミ型のほうが茶葉の瓶に直接突っ込んで手を使わずとも茶葉をすくい取れるので、幾分便利なのは確か。


でーもー、私は断然ボール派、テーパッロ党なんです。

なぜと聞かれても困るのですが…ハサミは、当然もグリップ部分は形状記憶されているので、マグカップにずぼっと「突っ込む」感じを免れない。でも、テーパッロのほうは、あたかもティーパックのように、チェーン部分がしなやかに曲がってくれるから、カップに沈めて先を垂らしたままにもできるし、なんならボールを沈めたままでも木にせずお茶をすすれるので、なんともしっくりくるのです。


ところがところが、
いまや街中でテーパッロを見つけるだけでも一苦労なのに、市販のシンプルなそれは、チェーンのさきっぽがフック状になっているだけで重量が足りず、ときどきチェーンまでがストンとお茶の中にだいぶしてしまうこともしばしば(ティーパックでもありがちですよね)。なにか先っぽに重石をつけたやつを開発すればいいのに…とかねがね思っていたところ…


ついに出会いましたー!これぞまさに探し求めていたもの!!


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(aarikkaウェブサイトの商品紹介ページより写真を転載しております)


茶漉ボールから伸びるしなやかなチェーン、そしてその先にはaarikkaブランドのトレードマーク、ヘラジカの木製マスコット!!

このヘラジカくんが重すぎも軽過ぎもせずマグカップに引っ掛けたときにバランスを保ってくれ、さらに、木で出来ているのでゆらゆら揺れてマグにコツンとあたっても、ちっとも嫌な音がしない!そして愛嬌たっぷり!!

こんなに非の打ち所が無いベストテーパッロ、他じゃなかなか見当たりませんよ◎
aarikkaさん、ありがとう!!!


まあただ、たかがテーパッロにしてはやっぱりお高いので、はじめにお店で見つけたときに、アウトレットなどで安く売られているのに出会うまではしばらく我慢しようと心に決めたのですが、実はその衝撃の初対面のさわぎの時に一緒にお店にいた、フィン訪問中のおーくまちゃんが、なんと帰国際に、滞在中のガイド代ということでこれを知らないうちに買っておいてくれて、サプライズプレゼントしてくれたんです…。あうぅ心の友よ、なんて心憎いことをしてくれるんや。。。ほんまありがとう!!以来、毎日何どきも欠かさず使わせていただいてます!


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ちなみに、イントロ写真でマグカップのモデルになっているのは、このブログでおなじみ?クルタケラミーッカの青色スリムマグで、これがまたどうにもこうにも説明の域を超えた、手へのおさまりのよさ&掴み心地のよさをもった無二のベストカップなのです。ほんと、いろんな人に試しに握ってもらいたいくらい!というわけで最近は、いつでも傍らにこのクルケラ・マグwithヘラジカテーッパロのある生活。新居の卓上にて、心おどるティーライフを謳歌しています♪


おまけ

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やかんも、蚤の市で可愛らしいものが安く見つかったので、いまやお湯を沸かす段階からハッピータイム突入ですわ!

ayana@jyväskylä.fi


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明日はいよいよ夏休み最後の日。なんと感慨深い…
posted by こばやし あやな at 05:21| Comment(0) | おかんのイチオシ商品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月29日

世界遺産・ペタヤヴェシの古い教会

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ケウルーからふたたび列車で(←昼に1本、夜に2本という過酷な運行状況なので、時間厳守!)ユバスキュラ方面に引き返し、次に降り立ったのは(やっぱり無人の)ペタヤヴェシ駅。
この駅からしばらく歩いた先に、1994年にみごと世界遺産への登録を果たした「ペタヤヴェシの古い教会」が佇んでいます。「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」というのが選考基準で、具体的には、北欧における伝統的な木造建築技術を示す建造物としての価値が評価されたのだそうです。


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通りひとつで完結した街の小さなセントラルを抜けて、教会までのアプローチとして伸びる林道からの景観が、またとびきり素晴らしいです。これぞフィン湖水地方の典型風景であり、真骨頂!と思わせてくれる、絶え間ない森と湖のかけあい。
この地方の教会は、意図的に、こうした湖畔に建てられたのだといいます。それは、ボートで水運を渡り、遠方からでもより多くの村人が楽に教会に通えるようにするための計らいだったとか。当然冬場は湖が凍結して雪をかぶってしまいますが、それによって出現する真っ白な歩道を通じて、寒い冬にも教会に通う人足は絶えなかったのだそうです。歩道や車道が整備された上、宗教離れの進む今となっては、それももの珍しい過去の光景になってしまったのかもしれませんが。

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これが本当に世界遺産へと続く道なのかと疑いたくなるくらい、誰にも出会うことのないひっそりとした白樺並木を抜けた先に、いよいよ教会が姿を現しました。以前訪れたときは、夏真っ盛りの力強い青空と濃い緑に包まれた風景の中に見て、この燻されたようなセピア色とのコントラストが美しかった印象が残っていますが、今回は、太陽光線もいくぶん落ち着き、周囲の草木が徐々に黄色く色づき始めた初秋らしい景色の歩み寄りによって、古びた一枚の写真のような、より調和的な風景としてやさしく目に映ります。


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この古教会は、ケウルーの教会とほとんど同時代の、1763年から1765年にかけて建造されました。ここでの現場監督を務めた棟梁の名は、ヤーッコ・レッパネン。およそその60年後には、彼の孫たちが祖父や父の遺志を次いで補修や改築に着手し、さらに手前の鐘楼の完成させたのだそうです。どことなく、中央ヨーロッパのルネッサンス時代の教会建築を思わせる端正な姿。近づいてみても、角材といいシングル葺きの屋根といい、部材一つ一つがあくまで人の手を介しながらも丁寧に画一化されているのがわかり、作り手の熱意と繊細さが十二分に伝わってきます。またそれと同時に、この教会の抜群の保存状態のよさから、いかに街や国が、とりわけ厳しい自然環境からこの貴重な建築を大事に守り続けてきたか、ということもしっかりと感じとることができます。


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鐘楼内部と礼拝堂をつなぐ短い渡り廊下の頭上には、ヘルシンキのテンペリアウキオ教会の印象的な円形天井を思い出させる、巨大な円盤型の碑が張り付いています。内部の壁面という壁面に徹底的に彩色を施したケウルー教会と異なり、この教会の内部は、部分的なデコレーションをのぞくとほぼ無着色で、木材のありのままの素朴な色と質感が全体をくるんでいます。なので、入り口の頭上を覆う異質なほど真っ青な円盤はとてもインパクトがあり、別世界からこの世を司る存在の神秘性をふっと感じます。


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礼拝堂でやはりもっとも印象的なのが、まさに本場のクーポラを意識した、高天井に突き出るドーム状の円蓋。とはいえ、もちろん木材は溶かして型に流しこんで…なんてできませんから、そこには昨日も主張した、生涯木とだけ向き合ってきた地元棟梁たちならではの技と知恵が光ります。そして、天上からさがる装飾キャンドルライトもまた、見事な木工作品(実際に使ったら燃えそうだから、あくまで装飾なのかしら?)。

よく語られるのが、このドームの端々に隠すことなく書かれた、少し奇妙なアルファベット。これは、この教会の建造に携わった大工たちがみずから書きこんだイニシャルなんです。十分な教育を受けず文字なんて書き慣れていなかった職人さんたちですから、揃いに揃って「S」が逆向きになっちゃってるんですよね〜笑(ひとつだけ、偶然にも?正しいのがあったんやけど)ともあれ、絵画じゃあるまいし普通は建築作品のめだつところにサインなんか入れないものだろうと思いますが、このイニシャルは棟梁たちの自信と満足感の証なのでしょうか。なんだか微笑ましいですね。


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もうひとつこの礼拝堂内部で見逃せないのが、実に独創的な説教壇のデザイン。なんと、ひとり聖人さんのこけし人形が柱となって、頭で説教壇を支えているのです!


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…いやあ、それにしても衝撃的な出で立ち。聖人というか、むしろその辺のベンチで飲んだくれてるおっちゃんの表情とそう変わらない…なんて言ってはバチがあたるでしょうか。。。


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そしてその周囲を舞う天使たちもまた…岡本太郎への委託作品かと思われるくらい、他では見ない独創的な表象となっております。これが、伝え聞きだけで内陸の棟梁たちの頭のなかに宿った聖人や天使のイメージだったんですかね。そう思うと、元来独自の自然信仰があったにも関わらず他所から流れてきたキリスト教という強大な宗教の波が、彼らにとっていかにまったく余所からの新興信仰にすぎなかったかという事実にまで思いをはせずにいられません。フィンランド=いちヨーロッパという認識にさえ疑問を持ちたくなる歴史的現実です。


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先に述べたように、この教会は局部をのぞいてほぼ全体が、無着色の木材で組まれていて、ケウルーと比べてもとても朴訥とした印象を持ちます。でも、この素朴さとほのあたたかさこそが、煩悩まみれで高ぶる心を安らぎで満たし、祈りに集中するのに最適な、極めて敬虔あらたかな空間なのかもしれません。
まあ正直に言って、これがかの法隆寺や東大寺と同格の世界遺産の木造建築だなんて、日本の宮大工たちが怒ってきてもおかしくないんじゃないか…と申し訳ないくらい、規模や技術の差は疑いありませんが、そこはひとつ、この国の歴史と風土の特異性に免じて、「うんうん、よく頑張ったよね」というおおらかな心で観に来てあげてくださいネ。


おまけ1。

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教会の敷地内には、ひとつひとつよく手入れされた墓石がまばらに立っています。そしてそのそばには、誰かが花と一緒に飾ったのか、はたまたお供え物か、というくらい立派な巨大キノコがにょきにょき生えていて思わず笑っちゃいました。



おまけ2。

ここまでの写真をご覧になってわかるように、曲がりなりにもれっきとした世界遺産の一つでありながら、観光客は(土曜の昼下がりにもかかわらず)ほっとんどおらず、教会や街も、なーんの集客アピールもなし!!(しかも、WCの看板の矢印が指す先は、大自然の草っ原だった。。。)
こんな一大観光資源をここまで持て余してて、いいのかフィンランド!?

唯一入り口でこそっと販売されていたグッズの中に、衝撃的なポストカードを売っていたので、反射的に購入してしまいました。

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じゃん!


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じゃじゃん!


こ、これは。。。

実際には胸部までしか存在しない先ほどの聖人の、残りを推測で補った…いやむしろ、推測を放棄してモジモジ君ルックスでカヴァーした、まさかの起立した全身像!!!


何かにつけて商売のことしか考えられないセコイ日本人としては、このキャラクターこそ、かのせんとくんに比肩する第二のキモキャラとして、ペタヤヴェシ教会のPR担当に起用すればええやん!!と思わずにいられないのですが、日本の皆様、いかがでしょう…?(よいネーミング公募いたします!)
聖人饅頭ならぬ聖人キシリトールとか聖人シナモンロールとか売り出したら、新手のよいフィンランド土産になるのでは?


…スミマセン、フィンランドの世界遺産なんて、この商売っけゼロの手付かず感がいいんですよね、そうですよね。

ayana@petäjävesi.fi


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さ、お昼の買い出しいってこよ。
posted by こばやし あやな at 16:31| Comment(2) | Petäjävesi-ペタヤヴェシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

ケウルーの2つの教会

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このタイトルを聞いてピンときた方、きっと相当なアールト通ですね!

昨日の小旅行でまず最初に立ち寄ったのが、ユバスキュラからローカル列車に揺られて50分ほど西に行ったケウルーという街です。


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爽やかな淡水色に塗られたケウルー駅舎のすぐ背後には、まったく雰囲気の異なる2つの教会が、通りを挟んで左右に立ち並んでいるのが目に飛び込んできます。実は、この小さな無名の街ケウルーに佇む、たわいない新旧2つの教会にスポットを当てたのは、他でもない、かの建築家アルヴァ・アールトでした。
彼が1921年、大学を卒業したばかりの若干23歳のときに、この街の2つの教会に関する独自の比較論を新聞に投稿していた記録が残っています。以下に、まずその興味深い投稿文を抜粋してみます(日本語訳は、ヨーラン・シルツ著/田中雅美・田中智子訳『白い机 円熟期−アルヴァ・アアルトの栄光と憂うつ』より転載)


古い教会は木造である。色は黒。目を見張る程美しい黒だ。年月の経過とともに素朴なタールの濃さが増し、美しい古色になっている。教会の塔は高貴なデザインで、教会全体が均整のとれた形をしている。北国の子供の目を通して見るそれは、文明化された、遙か遠くの国々の様式を映し出している。様式からいえば全く素朴だ。まるで目の前に開かれた本を読むように、その高貴な姿からは、教会が生まれた歴史を読みとることができる。工業的、大量生産的な痕跡は、どのような細部にも見あたらない。カンナの削り跡は大工の愛情を込めた仕事ぶりを物語っている。また個々の形態は、作り手がベストを尽くしたことを証明している。

一方、新しい教会はレンガで造られ、塔が高く、建物全体が風景の後世を壊している。この教会は何も語らない。まるで他人の声を聞こうとしない人間のように、ただ叫んでいるだけだ。作品に対する作り手の愛情などどこにも見あたらない。また周囲の環境を尊重した細かい気配りも見られない。この教会はまるでドイツの絵本から切り取られた光沢画のようだ。粗悪な建築である。


(1921年12月4日付“ILTA LEHTI”掲載文)



いやあ、新進気鋭のアールトさん、かなり辛辣なまでに、持論をハッキリ堂々と述べておりますな…

この批評の対象となった2つの教会が、その様相をほとんど変えることなく現在も残っているというわけです。
では、彼が言わんとしていることが何なのか、実際にその教会を眺め比べてみましょう。


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実際に訪れたのは後だったのですが、先に、アールトの文章の後半で厳しく批判されていた「ケウルー新教会」のほうから。新しい教会は1892年に建てられて以来、現在も街のメイン教会をして実務的に使われています。デザインを手がけたのは、ヘルシンキ生まれの建築家Theodor Granstedtin(すみません、スウェ語系統のお名前なので、私には的確なカタカナ表記ができません)。なるほどいかにもヨーロッパ本土で当たり前に見られる、レンガ壁にするどい尖塔をもった荘厳な造りをしており、アールトが述べるように、まさに「まるでドイツの絵本から切り取られた光沢画のよう」な、いささかこの北国の湖畔の田舎街には立派すぎる印象を持つのも確かです。

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内部は、外観の重厚さに反し、パステルカラーで塗り込められていて、ルーテル派らしいとてもシンプルで清楚な印象。構造材の大部分には木が使われているものの、塗装の厚化粧でそれとはわからないくらい質感は消されていますね。少しひんやりと冷たい雰囲気はあるものの、実際には決して「粗悪な建築」なんかではありません。


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代わって、こちらがアールトの絶賛する「古い教会」の外観です。新教会より140年ほどさかのぼった1756〜1579年頃に建てられたこの教会には、「建築家」はおりません。そもそも当時のフィンランドには、まだいわゆる建築家という図面描きの職業が存在せず、日本の宮大工のように直に技を伝える棟梁たちが、現場監督を手がけていたとされます。この教会建造の監督を務めたのは、アンッティ・ハコラという棟梁で、国内各地に「ハコラ様式」とまで呼ばれるスタイルを確立してその名を馳せていた名棟梁でした。

隣国に支配された貧しい極北の国で、正式な建築教育を受ける機会もない棟梁たちは、それぞれに地方の建築伝統の中に身をおいて技術を体得し、継承してゆくことになりました。とりわけ、国土の西側にはスウェーデンを経由した中央ヨーロッパ発の文化の風が、東側にはロシアからの文化の風が否応なしに吹き込んで、その影響を地元棟梁たちにも大いに与えています。
ところが、中部地方(ユバスキュラ周辺のエリア)は完全な内陸地方であったことから、幸か不幸か、東西両国から(時に押し付けがましくフィン国内に流入してきた)異文化の波に浸される機会が比較的すくなく、あるいはその両方から少しずつうっすらとだけ影響を受けたために、とても個性的なオリジナルの文化が芽生える土壌となりました。


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実はこの古教会には、まさにそのユニークな独自文化の、集大成とでも呼ぶべき魅力がたくさん詰まっていて、アールトもつまりその点を称賛し、自身の建築観への糧としたのだと考えられます。

北欧建築史のスペシャリスト伊藤大介さんは、中部内陸地方にいまもいくつか残る17-18世紀の一連の木造教会のことを「開花の時期を迎えた日本の建築界が西洋文化に触れることで作り上げた、棟梁たちの擬洋風建築に似ている」と主張されていて、それは、「ヨーロッパに憧れながらもまだあまりに遠くて見よう見まねで模倣するしかなく、しかしそれゆえにこそユニークに仕上がってしまった独自の文化遺産」だと説明しています。
小難しい用語や歴史的様式の知識がなくとも、この教会の内部は、そのことを誰しもにとてもわかりやすく証明してくれているので、しばし御覧ください。


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たとえばこちら、一見、よくある大理石の柱と布のヴェールに囲われた祭壇…に見えますよね?

ところが近寄ってよく見てみると…

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なんとこれらはすべて、木造の表面に、いかにも大理石らしく見せた彩色が施されているのです。
それはなんとも奇妙で、でも意外なまでの細やかさやグッドアイデアの連続に思わずくすっと来てしまう、王道ヨーロッパ文化と素朴な土着文化のふしぎな折衷世界。

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何気ない壁にまで、遠目に見るとまるで別の素材と見紛うようなランダムな模様描画も!


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当然、実際にはこんな地で大理石や色彩豊かな石素材が、内陸部にまで運ばれてくる術なんてありません。彼らの周りに無限にあり、また彼ら自身が自信を持って扱えるマテリアルはずばり「木」のみ。すべて木材による見よう見まねの模倣は、「どうせ俺らには木しかねえんだよ」という僻みなのでしょうか?

いや、こんなに小技だらけで豪奢なのに、かえって素朴さばかりが強調される愉快な木造教会を眺めていると、むしろ、「西のどこぞの文明人たちが使う素材や図面なんかなくても、俺たちはなんだって木で作れるんやからな!!」という、生涯木だけに愛情と熱意を注いできた地元棟梁たちなりの、挑発とすら思われるプライドと誇りの叫びが聞こえる気がして、なんだか微笑ましく、そしてついほろりと来てしまうのです。


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それは、貧しい辺境国の内陸地に生まれ育ったがゆえに、世界の水準からはあまりに取り残された、意地っ張りで世間知らずな田舎棟梁たちの、野暮ったい模倣作品と笑われてしまうかもしれません。

それでも、この作品は、彼らの風土愛と固有の技への誇りの結晶にちがいなく、それゆえに、周囲のフィンランドらしい自然景観のなかに今も昔も違和感なく溶け込んだ、愛すべき佇まいを保ち続けているのです。若きアールトもおそらく、かつてこの棟梁たちが実現してみせた、その土地の景観や歴史のなかでいつまでも色褪せず愛される建築の姿に感銘を受け、これから一人前の建築家としてやっていく自分自身のための戒めに据えたのかもしれません。


何より、こうした建築がひとつのルーツとなって、今日のフィンランドの、世界に誇る豊かな建築文化の土台を精神的にも技術的にも支えてくれていることを思えば、よりしみじみと愛着と感謝の念が湧いてくるものですね。ながーい歴史のなかでぱっとしなかったこの国だって、「Suomiは一日にしてならず」だったのです!

ayana@keuruu.fi


●参考文献

◯建築巡礼18 アールトとフィンランドー北の風土と近代建築
/伊藤大介著、丸善株式会社出版(1990年)

◯白い机 円熟期−アルヴァ・アアルトの栄光と憂うつ

/ヨーラン・シルツ著、田中雅美・田中智子訳、鹿島出版会(1998年)

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次回は世界遺産「ペタヤヴェシ教会」のレポート!

posted by こばやし あやな at 21:34| Comment(4) | Keuruu-ケウルー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中部湖水地方の素朴な古教会にであう旅

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今日は、この街に越してきて出会った日本人の研究者の方へのフィンランド観光ガイドを兼ねて、ユバスキュラからローカル列車に乗ってちょっとお出かけ。世界遺産指定の木造教会をはじめ、東西隣国の影響が流入しにくかった分個性的な文化が育つこととなった、中部湖水地方ならではの素敵な古教会めぐりをしてきました。

奇しくも今日は、これが今年最後の夏日なのかなという予感がおそらく誰もによぎった、久々の真っ青な空に眩しい太陽が輝く、絶好のお出かけ日和でした。これらの教会には個人的にも思い入れがあり、じっくりその魅了をご紹介したいので、詳細はまた明日に綴らせていただきますね。ではでは

ayana@petäjävesi.fi


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今日は一日よく動いたので熟睡できそう
posted by こばやし あやな at 07:02| Comment(0) | Petäjävesi-ペタヤヴェシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月27日

9つ歳下のシェアメイト

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今日は、身体が少し疲れていたのもあったけど、それにしても許されまじきだらけっぷりを呈した引篭もりデーでした。。。思い返しても何やってたんやろか、今日の私…

夕方にうたた寝から目が覚めて、これじゃいかんと思い、小一時間ほど近所の森を歩いて脳内リフレッシュをはかって家に戻ってくると、見慣れない靴がもう一足。するとまもなく隣の部屋からシェアメイトのリーヤが出てきて、「アヤナー、この週末、私のホームタウンから幼馴染が泊まりに来てるんだけど、いいかしら?」と言って、後から少し申し訳なさそうに部屋を出てきた連れのハンナちゃんを紹介してくれました。

急な対面で若干こっちもびっくりしてうろたえてしまい、「そりゃもうドーゾドーゾ、私なんぞに気ぃつかわず、くつろいでってや〜」と、おもわずおばちゃん口調(のつもり)で奇妙な挨拶を…苦笑


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そういや紹介がまだでしたね、先週日曜日に引っ越してきたときに、これからキッチン&ダイニングとシャワールームを共同で使うことになるシェアメイトさんと無事に対面を果たしました。

なんと私の9つ年下、若干18歳のとっても可愛らしい黒髪フィンランド人、リーヤ。彼女はユバスキュラ大学生ではなく、近くの高等専門学校で幼児教育の勉強をしている保母さんの卵です。

ティミたちと、大量の荷物とともにどかどかやって来たときに初めて顔を合わせて、さすがに一瞬「げ、アジア人とフィン人グループ…!?」と面食らった様子が伺えましたが、その微妙な空気を読んですかさずシュンノヴェさんが「私たちは彼女を夏の間泊めてあげてたホストファミリーで、この荷物を運んだらヘルシンキに帰るのよ〜ちょっとのあいだお騒がせしてごめんね〜彼女ちゃんとフィン語喋るから(おいおい!!)仲良くしてあげてね〜」と、関西のオカンさながらの見事な仲介をしてくださり(彼女も出身は関西人気質に近いと言われる東フィンランドなので)、無事荷物運びが終わってご一行が帰還したあとも、最初はよそよそしかったものの、彼女の人懐っこい雰囲気のおかげで、わりとすぐに打ち解け始めました。

当初私の名前が覚えにくいようすでしたが、すぐに向こうからフェイスブックで探し出して友達申請してきてくれたり(以来、お互いオンラインの時は「先にシャワーあびるで〜」だの壁越しに生活感あふれるチャットが繰り広げられている)、キッチン用品や食材、なんでも勝手にシェアしてくれて構わないからと伝えてくれたり、ああこの子とならストレスなく楽しくやっていけそう、と初日にして確信を得ることができました。学生シェアハウスユーザーには、学校生活よりむしろ自宅でのシェアメイトとの合わなさに不満やストレスを抱える人が少なくないので、その確信はとても重要なことです。

出会った翌日にはすでに互いの個室にもつかつか出入りするようになり(彼女が私の部屋のインテリアと蛙たちをとても気に入ってくれたようで…笑)、最近の別れ話まで詳しく聞かされてしまいました。ああ、これぞ女子大生の一番ごちそう女子トーク!!彼女といるとこっちの気もどんどん若返りそう(笑)


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これにはちょっと驚いたのですが、彼女はなんと英語が全くダメな様子。最初は謙遜したり恥ずかしがってるのかなとも思いましたが、私がフィン語に行き詰って英語で言い換えてもてんでピンと来てないようです(まあ、それは私の問題という可能性は大いにありますが…笑)。フィンランド人の若者=英語が出来て当然、というイメージが勝手に定着していたので、ちょっぴり意外でした。そしてつまりそれは、フィン語しかふたりの会話ツールがないということ。。。そのぶん彼女も必死で私の心もとないフィン語に耳を傾けてくれるし、「たぶんこれからあれこれ質問や文章チェックお願いすると思うからそのときはよろしく…」とちゃっかり約束を取り付けたので(笑)、単なる生活スペース共同者以上の素敵な関係が築けていけたらなと思っています。


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今も隣の部屋からは二人の楽しそうな会話や笑い声がうっすら聞こえてきて、おばちゃんとしてはただそれが微笑ましく、迷惑どころかついニヤニヤしちゃいます(笑)
だって18っすよ18!自分が18の週末に何してたって、こんな人里離れた静かな森とは似ても似つかない、ザ・喧々たる心斎橋のおーくまちゃんのマンションにビオラ弾き同期6人で押しかけては、鍋つつきながらしょうもない話を延々続けて腹捩れるほど笑い、真夜中の一風堂にラーメンすすりにゆき、一晩でマリオワールド全クリア目指して明け方にちょっとだけ雑魚寝で仮眠とって、翌朝しぶしぶオケの練習に向かう…というあの日々に相当する傍若無人な青春更年期を、今まさに彼女たちは謳歌しているのでしょ?
そりゃあもう、両手に有り余るくらい時間と仲間に恵まれたこの特別な時期に、人生や将来像の模索というシリアスな課題以外にも、ささいな楽しみともやもや発散方法をたくさん見つけて、いつでもできるだけ朗らかに笑って過ごしてほしいなあと切に思います。私自身が今、どんな怒りも涙もそばで受け止めながら、すぐさま笑いに変えてふっとばしてくれていた大学時代の友人たちに、心から感謝しているように。


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なんてことを思い出しながらこれを書いていたら、今日ほとんど一日流しっぱなしだったクラシックラジオチャンネルから、偶然にもヴェルディの運命の力が流れてきました。大学オケに入って、かのシンフォニーホールでの舞台デビューの際に曲乗りさせていただき、たかが5分の曲なのに諸先輩方からこれでもかと試練を与え続けられるなか同期たちとふんばった、これぞ私たちの18歳時代を彩る一曲。あの険しさは今思い返せば、いわゆる体育会系というやつではなかったのか…?

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すいません、今回は内輪の回想記が過ぎました…m(__)m


posted by こばやし あやな at 04:54| Comment(2) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

陽気な焼きカレー

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以前に実家から送ってもらった荷物の中に母が入れておいてくれた「のっけごはん100」(瀬尾幸子著・主婦と生活社、amazonページはこちら)という、白飯の上にのっけるおかずレシピ本を昨日ぱらぱらと眺めていて、「…どれもこれもここで入手可能な食材では厳しいもんばかりやがな。。。」とため息をついていたのですが、後半にドライカレーのレシピが載っていたので、これなら作れるかと思い、さっそく来客のおもてなし用にチャレンジしてみました。

オリジナルでは、カレー粉、しょうゆ、ケチャップ、ブイヨンなどが味のベースになっていましたが、ちょっとアレンジを加えて、タコスなどのメキシカン料理の定番スパイス、クミン(kumina)とコリアンダー(korianteri)を追加しました。つい最近までは、香辛料の知識はゼロに近いほど関心を持ったことがなかったのですが、フィンランド料理は意外なところで結構オツなスパイスを使うことが多く、とりわけシュンノヴェさんがいろんなスパイスをコレクションしてた影響で、少しずつ手を出してみることにしたんです。まだキッチン棚には初級スパイスしか並んでいませんが。

辛みは手頃な唐辛子がなかったのでチリパウダー大量投入。具材には、トマトと玉ねぎのみじん切りをたっぷりルーに溶けこませたほか、ひき肉、ナス、ズッキーニを入れて、夏野菜カレー風に仕立てました。ドライカレーと言いながら、野菜の水分たっぷりでゆるくのびてしまい、出来上がりはほぼ普通のカレーペーストに(汗)


そのままご飯にかけてでもなかなか満足いく味でしたが、せっかく新居にはよいオーブンがあるので、今日のランチには器にもった上からたっぷりチーズをかけて、こんがりと焼きカレーにしてみました。一晩たって野菜の旨みやスパイスの風味がいっそう濃縮されたカレーが、さらに香ばしくなってしかもチーズと合体、いやーたまりませんな〜◎クミンの風味が、食べた後に喉へ一瞬の清涼感を残してくれるから不思議です。

焼きカレーってもともと門司港の喫茶店発のB級グルメらしいですね。考案したどこかのマスターは偉大!
夏の終わりを惜しむように夏野菜と南国スパイスをふんだんに使ったので、「陽気な焼きカレー」と命名。プリマヴェーラの赤い器のイメージにもぴったりでしょ。この器を本当にオーブンにかけて良いものやら一瞬ためらいましたが、イーッタラ社の製品表示でオーブンOKと書かれているので、実際まったく問題ありませんでした。

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たっぷり作りすぎちゃって、まだあと3食分くらいはいけそう♪



posted by こばやし あやな at 20:12| Comment(0) | Suomi×ごはん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

灯台下暗し

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私の家の周り、スーパー1軒と教会しかない(※あとすべて森)と思っていたのですが、今朝なんとなく市の地図を眺めていたら、ん…kirjasto?? 

なんと、うちのアパートの前にある、てっきり何かのオフィスかと思っていた小さい平屋の建物が、れっきとした市立図書館であることが判明しました。正直、外観からはまったく図書館オーラ出てません!!入り口が裏手なので、家側からやと看板さえ見ることができへんし…偶然地図で見つけてなければ、このままずっと知らずに過ごしていたかもしれません(笑)

さっそく今日寄ってみると、もちろん外観の規模から察せるとおりのこじんまりさでしたが、むかしっから家でまったく机上勉強できない性分の私には、こうして家から歩いて1分のところに取り急ぎの自習室があるというのはありがたい話。まあ、開館時間が月・火・木が13-19、水・金が10-16(土日休み)と、やや利便性にかける感が否めませんが。。。

ユバスキュラ市のホームページを見ていたら、そんな大都市でもないこの街に、なんと計16もの市立図書館があることがわかりました。さすが図書館利用率世界一の民の国!
けれど近年のEU内経済危機国助成のための節税対策の代償として、まず図書館や保育所が切られつつある…というような嘆きをシュンノヴェさんらから以前聞かされたことがあります。昨今の反EU派の伸長傾向は、こうした市民の日常生活のひずみから、ふつふつと沸き上がってきつつあるのかもしれません。


夜には、はじめて我が家にお客様をお迎えしました。
ネット上での出会いを介して、私がこれから所属する研究科の修士課程にすでに2年身を置いてご研究されている日本人のお姉さんと、前もって知り合うことができたのです。公用言語や在籍過程が違うので、あらゆる話が私の過程にもぴったりあてはまるかどうかはともかく、じっくりお話を聞かせていただいたことで、未知なる新研究生活の場のイメージがかなり具現化されて、大変心強く、助かりました。明日は、ご紹介いただいた担当教授にさっそくメールで連絡をとってみようかと思っています。

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しらすご飯食べたい。



posted by こばやし あやな at 05:48| Comment(0) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月25日

ここが私の新しい街

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ヘルシンキや旅先で出会った人に「秋からはユバスキュラに住むんです」というと、驚くほど多くの方に「あの街の美しさと住みやすさを知ってて選んだの!?」という嬉しい反応をいただきました。

前にも少し話したとおり、この街は、たった一ヶ月でしたが私が最初に暮らした思い出深い街です。
今回ユバスキュラ大学を受験することに決めたのは、必ずしも街の印象第一のことではなかったのですが(というか、挑戦できそうな研究室ありきのことで…)、やはり自分が暮らす街の住み心地は精神状態にもおおきく影響を及ぼすものですから、こうしてたくさんの方に羨んでいただいた街に満を持して越してこれたこと、心底ありがたく思っています。


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ユバスキュラは、正直いってまったく観光っけのない街です。
街中にはとびぬけてたくさんの博物館・美術館や劇場などがあり、文化施設が充実しているのは間違いありませんが、それでもわざわざヘルシンキから3時間半かけてこの街にやってくる観光客は、おそらくアールト建築巡礼に訪れる人たちくらいではないでしょうか(中心部には、初期のアールトが手がけた物珍しい建築物から、劇場や大学などの大規模建築、そして彼の美術館までが密集しているファン垂涎の街です。さらに、彼の代表作であるセイナッツァロの町役場やムーラメ教会、アールトとは無関係ですが世界遺産のペタヤヴェシ教会を訪れるにも、ユバスキュラを滞在拠点とするのが便利です)。

この街の魅力は、むしろ「暮らす」という観点から強調されることが多いようです。

深い森にサンドされた街のど真ん中に大きな湖がたゆたい(このパイヤンネ湖は国内で2番目に大きく、全長650キロにも及ぶのだそう)、水辺にコンパクトかつ機能的に主要な施設や買い物通りが収まっていて、なるほど単純に生活には便利そうだし気持ちがいい。でも、そうたやすく集約できる魅力にとどまるのか否かは、これから私自身の暮らしを透して、じっくりと考察していきたいと思います。


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まだまだ右も左もわからないこの新しい私の街で、どんな出会いと出来事と試練が待っているのか…期待と不安は紙一重となって、胸のうちでじわじわと膨らむいっぽうです。

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posted by こばやし あやな at 06:12| Comment(5) | Jyväskylä-ユバスキュラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月24日

スオミの地で6年ぶりの共演

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さて、昨日の日記の最後に予告だけつづった、「面白い経験」それは、ほんっと急遽頼まれて1時間で準備して実現してしまった、リュマットゥラの村の教会でのミニコンサートでした。

ヘンリックさんの農場に遊びに行くときは、どんな時間でも気兼ねなく楽器の練習ができるのをいいことに、いつもマイ・ヴィオラを持ってゆきます。単に練習のためだけでなく、事前にヘンリックさんから、村のご近所さんが集まっての食事会や、お客様の誕生日パーティなどでちょいと演奏を依頼されることもあり、私なんぞの演奏で楽しんでくれるのならということで(なんせここらの村の人は、楽器演奏を聞く機会さえめったにないそうですから…)、臆さずお引き受けするようにしています。

で、今回は特に前もってどんな催しで弾いてと頼まれていたわけではなかったので、もちろんなにも準備しておらずすっかり油断していたのですが、2日目の朝食時間にヘンリックさんから、「今日このあと村の教会を貸しきることができそうだから、宿泊客やスタッフのために、ミニコンサートを頼むよ!」と寝耳に水の演奏依頼をされてしまったのです。

いやいやいやいや。。。教会で、て、お客様が身内ばかりとはいえ、さすがに迂闊な演奏できないじゃないですかーーー!


なーんの楽譜も持って来てなかったし、最近地味に練習してるペリマンニ音楽もまだまだ一人で聞かせられたものじゃなく、かといって本気の無伴奏曲なんてとてもまともに弾ききる自信がなかったので、もうここは趣向勝負ということで、(演奏の質はさておき)エキゾチック?に受け取って楽しんでもらえるであろう、日本の曲メインでやることに決めました。


ご飯を済ませてから、コテージにてさっそくおーくまと選曲会議。彼女はもちろん楽器なんて持ってなかったのですが、かつて(=もう6年も前になるのね!!)大学オケで出会い、音楽を介して苦楽を共にした同胞とぜひまたどこかで再共演したいというかねてからの願いもあったので、何曲かは彼女の美声に参加してもらうことにしました。


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ばたばたとプログラムをメモして音を確認して、いざ教会へ。
村の中心部にたたずむリュマットゥラの教会は、歴史のなかで何度か改修はされているものの、創建されたのは1500年代とかなり古い、素朴な石造りの教会です。

圧巻なのは、その内部の姿。

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ごつごつとした石壁の肌に、1500年代初期、すなわちルネッサンス期の壁画がそのまま色鮮やかに残っており、なんとも息を飲むダイナミックさと神秘性を湛えているのです。これはフィンランド教会に現存する、もっとも古い壁画のひとつなのだそう。

こ、こんな素晴らしい空間で、前代未聞の即興コンサートなんてやっちゃってよいのでしょうか??
ともあれ、ヘンリックさんの急な宣伝で足を運んでくれた物好きな宿泊客さんをはじめ、多国籍なスタッフや教会の牧師さんなどの前でさっそくお披露目させていただくこととなりました。


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(ヘンリックさんがおさめてくれていた動画をキャプチャーした写真なので画質が悪いですが…)

我々が挨拶がわりに披露した一か八かの一曲目、
それは…君が代

我々は日本が好きだ。誰がなんと言おうと、日本人の誰もが歌える唯一無二の歌に、無情の誇りと愛着があるのだ。
こちらに出てきてから、国歌を歌ってだの奏でてだの頼まれる機会は、実は少なくないのです。インターナショナルな集まりで、ピアノがあるとまず祖国の国歌を得意げに披露する人もけっこういます。
誰でもひとたび外国に出たら、その地では日本代表。
私はいつだって迷いなく祖国の象徴をかざせる一日本代表でありたいと思っています。

…とはいえ、遠き極北の小さな国の古きよき中世教会で、なにわ娘二人が前代未聞の国歌斉唱
こんなこと、まぁノリの良いおーくまと一緒じゃないとできんわな〜なんとも貴重な経験になりました。

導入に国歌をやったのはさらに理由がありまして。あ、私、フィン国歌もわかるし、お客さんのなかにいらっしゃるドイツ国歌もわかるじゃないか!(←ハイドンの最も有名なカルテット曲のなかに出てくるので)ということで、挨拶がわりに多国籍国歌メドレー(?)をさせていただいたのでした。さすがにベルギーや中国のはわからなかったのですが。。。ドイツ人のご夫妻からは「まさかフィンランドに来て祖国の代表曲を聴けるなんて!!」と、あとでいたく感激されました(^^)


その他に演奏させていただいたのは、フィンでも次々吹き替え版が公開されているジブリ映画のおなじみソングや、世界に知れ渡ったJ-pop「上を向いて歩こう」、ちょっと悪ノリしてビオラ版葉加瀬太郎、そして童謡メドレーなど。
童謡はもちろん、由紀さおり&安田祥子ばりに高音を響かせたおーくまちゃんの歌付きです。「ふるさと」には、おそらく誰よりも私がじんと来ていたことでしょう。この歌が誘い出してくれる郷愁はもちろん、東京の職場を退職する日に、シンガーソングライターの顔をもつ編集長が、会社の屋上でこの曲を歌って聴かせてくれたことなども思い出されて、なんだかいっそうしみじみと…。

お客さんのなかにロシア人がいないことを確認して(苦笑)、アンコールにはもちろんお決まりの、フィンランディア賛美歌部分を。石造りのこじんまりした教会ならではのアコースティックもまた実に心地がよく、ヴィオラの低弦が重厚にうなり、その振動が私の身体に伝わって共鳴する瞬間なんぞはもはや忘我の境でした。


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終演後の身内記念撮影。


全体を通して、ほぼメロディーラインやハーモニーをなぞるだけのシンプルな演奏しかできませんでしたが、大好きな母国への情念と祈りを込めて、歌を歌うように、何より心から気持ちよく、愛しの楽器を響かさせていただきました。聴衆の皆さんの反応もとても良く、教会の牧師さんも、普段音楽に触れる機会の少ない村の人達のためにぜひまたやってほしいと喜んでくださり、なんとも嬉しい限り。奏者と聴衆どちらもの幸せに満ちた、音楽愛好家冥利に尽きるひとときでした。(いつもにまして無茶ぶりではあったものの)素敵な機会を与えてくださったヘンリックさん、どうもありがとう!

ayana@rymättylä.fi


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回想記もこれにて完結したので、明日からはいよいよ、
ユバスキュラからのレポートを発信してゆこうと思います。

posted by こばやし あやな at 10:36| Comment(0) | Suomi×音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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