2011年07月31日

タイムカプセルの到着

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今週最後の語学学校から帰ってくると、シュンノヴェさん宅宛に、東京からの荷物が計4つ届いてるので預かってますとの通知が。おおお、私が東京退去日に部屋からまとめて送ったものたちが、2ヵ月もの間海洋をぷかぷか移動しつづけて、ようやく北欧まで流れ着いてきたのね!!

問題がなければ、通常は最寄りの郵便局まで届いているのでそれを取りに行けばよいのです。

が、

4つのうちひとつだけが、魔の税関チェック対象に引っかかってしまいました…


この税関検査の対象あるなしというのが非常に奇妙で、何を送ったから引っかかる…というわけではない気まぐれさに、前回の留学時もさんざん翻弄されて苦労を強いられました。ティミいわく、これは主として薬物流通防止のために、ほぼランダムに行われるチェックだから、引っかかったら悲運というしかないのだそう。というのも、フィンランド自体に薬物が入ってきたり出回ることは稀なのですが、ロシアや東欧諸国からさらに西欧へとドラッグが流れていく「経由地」に利用されやすいのだと。世界的に信頼度の高いフィンランドに一度運んで、そこから再発送すれば、それが薬物だとは疑われにくい、というわけです。

そしてこの対象に選ばれてしまった場合、荷物は空港そばの税関で留められてしまっており、自らそこまで赴いて、箱の中身をすべてお役人さんにさらけ出して潔白を弁解し(必要あらば税金払って)引き取るか、時間を食うけど中央郵便局の通関事務所まで運んでもらって同様にチェックを受けるか…という選択肢をせまられます。まさに悲運な荷物…


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ともかく、引っかかってしまったものはしょうがないので、翌日にまずは最寄り郵便局まで無事にたどり着いた3つのダンボール箱を引き取りに行ってから、ティミの車で空港横の税関郵便局に出陣しました。この殺風景な役所にしぶいぶやってくるのも3度めくらい。そしてそこで待ち受けているのは、内容物チェックという名の大いなる辱しめ…


私の番が来て、まだ記憶に新しい「パンパース卸用」のドデカイ箱が目の前に運ばれてきました(荷物を詰めたダンボール箱はすべて、高円寺純情商店街のドラックサガミのおっちゃんに頼んでいただきました。このいかにも業務用の外見も怪しまれてしまったのか…)。

カッターを手渡され、自分の手で開封して中身をすべて明示するよう要求されます。

…実は、よりによって、一番くだらない(そしてあんまり人に見られたくない)日用品以前の私物がたんまり入った箱が引っかかっていました。あちゃあ。。。と渋い顔で、ひとつひとつ取り出して役人のおばさんに見せていきます。

これは、カエルのぬいぐるみで…

これも…

これも…

これも…



「う、売るためじゃないんですよ!!彼女はカエルがめちゃくちゃ好きなだけですよ!!」と横でシュンノヴェさんも一緒になってフォローしてくださいました。。。

他に出てきたのが、自作アルバムとか、舞台衣装とか、部屋にいっぱいぶらさがってた怪しげなモビールとか、かつてフィンランドで買って日本で使ってた食器類を再度逆輸入してきたものだとか(おばさんは、またこっちで買えばいいのにと言わんばかりの表情を浮かべていた)、好きな芸人のお笑いDVDとか(これは目の前に提出されている本人だけが異様に恥ずかしいのであって、もちろん他人に私の趣向がばれたわけではないけどもさ)、どれもこれもなんとなーくバツの悪いものばっかり…。もちろん白い粉なんてどこからも出てこなかったけど、全部見せ終える頃にはくたびれきっておりました。こんな異邦人のしょうもない私物を延々見せられ続けた役所のおばちゃんもさぞ複雑な心境であったことでしょう。ご苦労様でした。


ともあれ・・・

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こばやしあやなの守護神、カエレンジャーたちがフィンランドでひさびさ再集結!!

連れてくるかだいぶ悩んだんやけどね〜選抜メンバーだけ勢いでフィン行きの箱に詰めて(壊れ物の緩衝材がわりにもぴったり…笑)、残りの奴らは、涙を飲んで実家に置いてきました(妹にもらわれたらしい?)。


カエルはともかく…計4箱におよぶ大きなダンボール箱を開けた瞬間、そこにふわっと、東京で2年余暮らした部屋の生活臭が放たれて、あの忙しない一人暮らし時代の記憶が脳裏に去来しました。

私にとってこの箱たちは、短い時空移動をなしとげたタイムカプセルみたいなもの。今思い出しても笑っちゃうくらい、部屋の退去時間ぎりぎりまで使って、たくさんのお手伝い隊の力を借りてどたばたと荷造りしたもんだから、もはや何を選んでどこに詰めたかも把握出来ていません。でも、箱の中から出てくるものすべてが、東京時代の数限りないエピソードを語る断片。箱の奥にのぞいていた、自分が手がけさせてもらった出版本や、当時の日記、出国前にいろんなコミュニティからいただいた寄せ書きや手紙には、思わずすっと手を伸ばしかけたものの、今はまだこれにすがるときじゃないと思い直して仕舞いなおしました。


いろんなものへの未練たちきれず新天地に引き連れてきてしまった私は、典型的な「モノを捨てられない女」です。モノより思い出というけれど、私にとってはモノ=思い出。思い出の多くは、なにかきっかけがないと、思い出されぬままどこかに置き忘れられてしまう気がして。
たとえ手にとる頻度は少なくても、かつての自分が気に入っていたもの、感銘を受けた本や音楽、ふとそのときの出来事や感情を思い起こさせる物ものは、できるだけいつまでも、どこへ行っても、自分の生活場所の近くに潜ませておきたいんです。じゃないと、人間やっぱり忘れてしまうから。たわいない自分の過去の詳細を。喜怒哀楽と思考に満ちた一瞬一瞬のことを。未来の自分が何かの折に思い出して、「あの時はよかったな」と懐かしむことのできる瞬間…思い出さなきゃもったいないような素敵な瞬間を、今、ちくちくと縫い続けてゆくこと。それが生きるということの希望なのかな、と、ここ数年漠然と感じながら暮らしています。

…というのは、モノにまみれた生活の言い訳にしか聞こえませんかね。自分でも多分にそう思います(笑)まったく、なんでこんな「シンプル精神」の対極で生きる自分が、フィンランドに惹かれてしまったのか…人生どこでなにが起こるか、わからんもんですな〜


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週末バンザーイ!…の感覚、久しぶり。



posted by こばやし あやな at 03:36| Comment(4) | Suomi×生活必需品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

フィンランド気になる漫画(2)

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さて、こちらは言わずとしれた世界のルーキー、ドナルドダックのコミックです。
フィンランドでは、何故か大御所ミッキーを凌駕する勢いでドナルドダックの人気が高く(現地語でAku Ankka/アク・アンッカと言います)、こうした漫画やDVDはもちろん、ドナルドデザインの文房具やポストカード、雑貨なども非常によく見かけます。

で、2000年以降に順々に発行されている、この比較的新しいシリーズ漫画の何がすごいかと言いますと、(写真ではわからないとは思いますが)…

なんとこれら全部方言バージョン漫画なのです!!!

上から順に、オウル州地方バージョン(オウルやトルニオなどボスニア湾に面した北西部)、タンペレ地方バージョン(私がもうじき引っ越すユバスキュラもおよそこの方言です)、南カレリア州地方バージョン(イマトラやラッペーンランタなどロシアと接する南東エリア)
…となっております。もちろんフィン語話者の読者の方なら、すでに本のタイトルから訛っとるやん!!ということにお気づきかと思います(笑)


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ぱっと見、中はオールカラーのコミカルなドナルド・ワールドです。…が、実はこれでもかと執拗に、各地方ならではの語尾の訛り、その地方でしか通用しない言い回し、単語のオンパレードなんです!!!まだ方言に慣れ親しんでいない私には、どれにせよ「なんか読みにくいなあ。。。」程度の違和感しか感じられませんが、フィン人にとっては、東北弁バージョンや関西弁バージョンを読み比べているかのごとく、それぞれがエキゾチックに感じられるのだそうです。
総人口が大阪市にさえ満たないフィンランドで、そこまで方言に開きがあるの…?と思われるかもしれませんが、きっと人口が少ないからこそ、歴史的に地方間の交流も少なく、それぞれのエリア内で独自の方言が自由闊達に育まれたのではないか、と私は推測しています。

読んでいて驚き呆れるのは、故郷の固有名詞まで、さりげなくすり替えられて会話中に登場してるのです(街の有名な通りの名前とか)。お、おい、いいのかウォルト・ディズニーさんよ。。。??「これって合法なの?ちゃんとディズニーの許可はとってるの??」とシュンノヴェさんに問いただしてみても、「そのへんのことはよくわかんないけど、今のとこ怒ってきてないから大丈夫なんじゃない?」となんとも気の抜けた返事。どうかこれがフィン米間の国際紛争の火種となりませんように…


ただでさえ小さな小さなマーケットしか持たないこの国で、ディズニーの名を借りてまでこんなニッチな本を出して、ちゃんと元は取れるのやら??と懸念してしまいますが、(数寄者のあいだでは?)なかなか人気が高いシリーズらしいです。まあ確かに、もし日本で、あの声と風貌で「なんでやねん!!」とぶりぶり怒ってるドナルドが存在するなら、ちょっと見てみたいかも。。。?

各本の最初のページには、一応よその地方の読者を意識してか、ご丁寧に文中に出てくる方言翻訳リストまで付けられていて、巻末にも作者もとい翻訳者の、その土地のローカリズムに対する熱い思いまでが綴られています。日頃からよく方言やご当地文化のことを話題にしては、揶揄し合って盛り上がってるフィンランド人らしいっちゃあ、らしいですね。
私もそのうちユバスキュラ人らしく自分(=標準はミナまたはマ)のことをマ〜、マ〜言ってるんかね〜。


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まだまだ紹介したいヘンテコ漫画がたくさんあるのですが、
第三回はまた気がむいたときに。
posted by こばやし あやな at 18:09| Comment(0) | Suomi×文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月28日

気になるフィンランド漫画(1)

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語学の授業で、文法通りの書き言葉とは別世界にある「話し言葉」や「スラング」を覚えるためによく活用されるのが、フィンpopの歌詞と、sarjakuvat(サルャクヴァット)=漫画です。漫画中で人物の吹き出しに綴られるのは、自然とくだけた口語ばかりで、しかも絵で状況を確認しながら解釈しやすいというわけです。漫画といってもフィンランドオリジナル作品は、もちのろん、日本が誇るMANGAの壮大なストーリーや画力ととても一緒くたになんてできない、気楽な短編コメディがせいぜいです。一方で、翻訳された日本の漫画がこれだけ市場に出回り、真似事に興じる「自称漫画家/アニメイラストレーター志望」の若者が見受けられるのだから、近々国内漫画界にも、大変革が起きるのではという気はしますけど。

で、その日の帰宅後、シュンノヴェさんたちに「今日授業でこんな漫画を読んで…」という話をしていたとき、例によって彼女のマルチコレクションのなかから、どっさりと「漫画本」を出してきて、楽しそうに一冊一冊紹介してくれました。
私は日本でほとんど漫画を読まずに育ってきたので(まともに読んだのは「ちびまる子ちゃん」と「のだめ」と「美味しんぼ」くらい)、比較したり熱く語れることは何もないのですが、こちらの歴代漫画本をパラパラと見ていて、面白いなと目を引いたものをいくつかご紹介したいと思います。(手っ取り早くwikiなどを見るとフィンランド漫画のあゆみなども要約されていますが、今回は歴史考証まではスルーさせていただき、完全に私の第一印象だけでの特色紹介になりますのであしからず。)


タイムスリップの前に、現在のフィンランド漫画を語るうえで、これだけは外せないというという代表作品が、イントロ写真にも載せているこちら、

VIIVI ja WAGNER(ヴィーヴィとワグネル)
(1992-、新聞掲載は1997-)


VIIVI ja WAGNERは、国内最大手の新聞社発行の「Helsingin Sanomat(ヘルシンギン・サノマット)」に1997年10月以来今日まで毎日掲載されている、世代問わず国民誰もが愛してやまない、四コマ漫画ならぬ「三コマ漫画」です。皆一様に「一日一個これを読まずしてその日は終えられない」とつぶやき、単行本もすでに何巻も発行されて相当な売上数をたたき出しています。もちろんシュンノヴェさんのうちにも、キャラクターのぬいぐるみからレシピ本まで各種揃っております(笑)

ストーリーの軸は、何故か毎日黒い海パンはいててフィン語をはなす豚のおっさん(おっと実際は年齢不詳)ヴァグネルと、そのヴァグネルをこれでもかと罵ることを生き甲斐とするサディスティックな女性ヴィーヴィによる、コミカルな日常問答。
作者はJUBA(ユバ)と名乗る人気漫画家さんで(ユッシ・トゥオモラという本名も公にしていますが)、いわばフィンランドの植田まさしといった存在です。


ヘルシンギン・サノマットのネット新聞サイトから過去の漫画がずらっと見られるので、雰囲気だけでもこちらから覗いてみてくださいな


起承転結」で気持ちよくオチをつけることにこだわる日本人としては、「三コマ」だけで話が成り立つのか?(スッキリとオチがつくのか?)という素朴な疑問がわくでしょう。いくつかをピックアップしてしか読んだことのない私の個人的主観にもとづく率直な印象を答えると、話によりますがだいたい「起承結」構成なので、いつもど〜も話が先に伸びずして(意外性のないまま)こじんまり終わっちゃうもどかしさに駆られます。。。そもそも全長が3/4なんだから、当たり前なんですけど。
一方でときどき、「起結<起+結>」という前衛的なストーリー構成の話にも出くわします。ふたコマ目にして問答が落着して、最後のコマで、それまでと全然つながりのない、新たなクスっとくるやりとりが吹き出し一個ずつでなされて終わり…という……このタイプを読んだあとの、え!!という複雑な心境ったらないです(笑)

ティミいわく、V&Wのストーリー構成は、二人の日常を部分的に切り取っただけのものだから実際どうでもよくて、とにかくひとコマひとコマで二人の問答が楽しければそれでいい、のだそうな。なのでどうも、まず私の着眼点を改めないといけないようですな。



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さて、こちらはシュンノヴェ蔵書のなかでも一番古くに出版されている漫画作品、

Keiku ja Kaiku(ケイクとカイク)
/Asumo Aiho, Mika Waitari


です。白い鶏ケイクと黒い鶏カイク、そして友達子豚のポッスが主人公の、1ページで1話が完結するユーモラス漫画です。初版発行はなんと1933年(漫画のスタートはその一年前ごろらしい)。1930年代と言えば、すでにロシアからの独立を果たしていたものの、国内ではソビエトの政治的影響力が再び強まり、世界情勢も不穏であったころ。そのような時期に、こんな暢気でかわいらしい漫画が発刊されていたなんて、いつ何時も人間が朗らかにたくましく生きていくにはユーモアが大事なんだということの証でしょうか。ちなみに日本の1930年代は、かの「のらくろ」が発刊されベストセラーを誇っていた時代のようです。


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漫画といっても、見てのとおり登場人物(人じゃないというツッコミはなしで)の会話が吹き出しに書かれているわけではなく、各コマの絵の下に、その状況描写文が書かれているというものです。どちらかというと、絵本をページ内で一気に読みすすめている感じ?

さらにそれぞれのストーリーには、シンプルな「教訓」や「経験」が含まれていて(フィン語ではそれを「コンサバティブな世界観」を説明していた)、ちょうど日本の「昔話」的な要素を持ち合わせているのかもしれません。だから、子供への読み聞かせも推奨されていたのだとか(そもそものターゲット層がはっきりわかりませんが、シュンノヴェさんいわく大人も子供もみんな読んでたとのこと)。本の一番最後の話は、クリスマスのための食事の買出しから帰るケイクが、道中に出会ったお腹を空かせた老人や小鳥に同情してつい食べ物をぜんぶあげちゃって他の二人に呆れられるものの、まあクリスマスは食べ物より雰囲気だよね、と三人(いや三匹)で部屋で輪になって踊ってめでたしめでたち、というもの。ね、なんか情操教育絵本や伝承昔話にありそうでしょ。

あまりにシンプルな線描画ながら、くちばしのカーブや眉毛を変化させることで、コマによって登場動物の表情がなかなか多彩に描かれているのが興味深いです。



もう何作品か、紹介したい歴代漫画があるのですが、長くなりそうなので今日はこのへんで。近々後編をお楽しみに〜


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今日はひさしぶりに本格的な雨&雷のヘルシンキ。
植物にも人にも、たまにはこんな日が必要ですな〜

posted by こばやし あやな at 18:26| Comment(2) | Suomi×文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月27日

新居決定

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語学中心の生活2日め。
朝の涼しいそよ風と柔らかな木漏れ日のなかで取りくむ宿題やら復習は、麗らかすぎてどうもスローペースになりがちだとわかりました。もう少しテンポアップして、ちゃきちゃきと量こなしていかんと…それにはやっぱり図書館のほうがいいのかなあ。まだ向こう三週間の規範生活スタイルをあれこれ探り中です。


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(語学学校までの通学路で出くわす、VR(国鉄)列車の休眠所)


そう、今日ようやく9月からの新居が決まりましたよ!

フィンランドの各主要エリアでは、いわゆる学生不動産屋が幅を利かしておりまして、ウェブフォームにて予算や希望エリアなどを伝えておけば、物件が見つかり次第、住所の書かれた仮契約書が送られてきます。彼らは、キッチン・シャワールーム共同のシェア物件から、おひとり様用のスタジオ、ファミリールームまで幅広く提供してはいるのですが、やはり一人用スタジオなどは人気が高く、フィン人・留学生に関わらず、基本的にはじめから貸してはくれないそうです。なので、ひとまずシェアルームに入居して、少し期間を経てからスタジオへの引越しを考えるのが主流とのこと(あとで全額返金となる契約金は必要でも、敷金礼金は一切かからないので、ここでの引越しは気分ひとつで実現しちゃうほど気軽な行為です)。

私自身は、入学が決まってまずはじめに学生不動産にかけあったものの、上記の理由でスタジオを断られたことから、しばらく一般の不動産や掲示板などで掘り出し個室物件がないものか探し続けていました。ところがユバスキュラの街は、住み心地の良い証というべきか?、ほかの大都市を差し置き国内有数の人気の住居エリアらしく、ヘルシンキに次いで地価が高いのだそうです。で、確かに一般物件だと一向に予算内で納得いく部屋が見つからず、結局ついに先週諦めて、おとなしく学生不動産のシェアルームにお世話になることにしたのでした。

まあ、22uの個室+共同キッチンとダイニング、シャワールームが家賃月々たったの2万5000円(しかも水道、電気、ネット、サウナ代すべて込)、ロケーションも大学キャンパスのあるセントラルから2キロ未満…となれば、(東京独り住まいの現実を経験してるだけに)文句のつけようがございません。スタジオでの独り住まいの野望を抱き続けながら、しばらくはこのシェアルームにお世話になることにします。どうか昔のようにシェアメイトが付き合いやすい良い人でありますように。
ともあれこれでようやく暮らしの拠点も決まって、万事やれやれ一安心。月頭からの契約となってしまうので、授業のない来週金曜にいよいよユバスキュラに出陣して、キャンパスや部屋の下見がてら鍵を預かってこようかなと思っとります。


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授業から帰ってきたら、昨日すっかり疲れて早々寝てしまった私のエナジー源にと、シュンノヴェさんが私の大好物ケーキを焼いて待っていてくださいました!この素朴なブラウンケーキは、シュンノヴェさんがおばあちゃんから継承したレシピで今でもよく焼き続けている逸品だそうで、ブラウンシュガーを液状化させたシロップと、シナモン・カルダモン・クローブなどの香辛料を調合させて風味をつけてあります。とりわけ外皮のかりっとした部分がたまらなく美味しくて、病みつきになる味です。今度是非レシピを伝授していただかねば。


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ちなみに、本日のレストラン顧客数は3人もとい3匹。もはや決死の争奪戦。

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新居祝いのワンクリック、どうぞよろしくお願いします〜

posted by こばやし あやな at 08:08| Comment(4) | わが家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月26日

語学学校はじまる

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今日から短期の語学学校に通い始めました。
週末はお休みですが、三週間みっちり、毎日4時間弱のレッスンを受講します。

ヘルシンキ大学主催のコースなので、てっきり毎日セントラルまで通わなきゃならんのかと覚悟していましたが、なんともラッキーなことに、私の受講するクラスの開講場所は、ホストファミリー宅から2キロほどの場所にあるビジネススクールの建物。道中ちょっとアップダウンはきついですが、自転車修理の達人ティミがカスタマイズしてくれた変速自転車に乗って、ipodで好きな音楽を聴きながら爽快に通い続けることができそうです。


集団のなかで語学を学ぶなんて、かなり久々のことで、わくわくします。
6年前に、(この秋からも通う)ユバスキュラ大学のサマースクールで初級コースを受講したのが最初で、その後はTKKでの授業でちょいちょいと顔出してたくらい。ちなみにユバスキュラ大学のサマーコースは、特に初めてフィンランドで語学や文化を学んでみようという人にはとてもオススメです(もちろんアドバンスクラスもありますよ)。一般の大学が開講するサマースクールとは一味違い、担任の先生とともに、クラスでどれだけ協調性が高められるか…にも重きが置かれたユニークな青春プログラムが目白押しで、さらに、語学以外のフィンランド文化などについての体験授業やエクスカーションも併せて受講できるのです。私自身もかつてこのサマーコースの参加を機に、以後のフィンランド留学をとても円滑かつ積極的にスタートさせることができました。


今回の受講クラスは、それに比べれば随分と生真面目かつスマートに、語学力のブラッシュアップに専念するための短期集中コースという雰囲気です。メンバーは20名程度で、当然ながら年齢や国籍はさまざま。目安レベルがちょっと曖昧な、会話に重点を置いたアドバンスコースという設定なので、受講者のレヴェルにもやや差があるのかなと思われます。クラス内では先生も生徒もフィン語以外は封印し、先生が単語の意味を問う際にも、あくまでそれを別のフィン語で説明する、という訓練がなかなかためになります。先生の話すフィン語はスピードもレベルもやや意図的にコントロールされている感じで少し物足りなさを感じてしまいましたが、授業やテキストの内容には学ぶべきところが多く、それらを漏れなく着実に身に付けて、これまでの「なんとなく通じればオッケーの適当会話」をいい加減しっかり矯正してゆきたいところです。

授業の最初には、生徒たちが重点的に学びたいことをリストアップして提出したので、明日以降は、その結果を見て授業内容も適宜更新していくとのこと。その柔軟さや細やかさはさすが、フィンランド教育ならではのお手前ですね。期待してます。ちなみに、今日のリーディング素材には、さっそくノルウェーのテロについての記事が使われていました。


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ふう、終わってみると思いのほか疲れましたわ。
ありがたいことに、私の帰りつくタイミングで、シュンノヴェさんがご飯を温めて待っていてくださり、ほぉっと一息。これから三週間、まだどんな生活サイクルでやっていくか決めかねているのですが、とりあえず今晩は早く寝て、明日は朝から腰を据えて復習と宿題に集中したいと思います。

ayana@helsinki.fi


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しばらくは地味なブログになりそうで恐縮ですが
労いのワンクリックをどうぞよろしくお願いします!

posted by こばやし あやな at 04:27| Comment(0) | フィン語奮闘記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月25日

ふみちゃん

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昼下がり、前回留学以来の数少ないフィン在住日本人友達ふみちゃんとの再会を果たしてきました。

ホルン吹きのふみちゃんは、歳も一緒で、フィンランドに渡ってきた年も一緒。ともに右も左もわからんまま、発見と驚きに満ちたフィンランド一年めを生き抜いた同士です。知り合ったのは確か9月のシベリウス音楽祭で新田ユリ先生が仲介してくださったからだったと記憶しているのですが(厚かましくも出会ったその日におうちにラハティのおうちにお泊りさせてもらったような…)、その後も大学は違うもののコンサート会場で会ったり互いの家に泊まりに行ったりと、学校生活外で親しい交流があった、数少ない女友達でした。

もともと私は、これまで身を置いてきた環境がことごとく男性多数だったこともあって“女子会”に慣れておらず、得てしてどうも気楽に話があって長続きする友達は男子に多いので、女友達ってそこまで積極的につくらないほうなのですが、ふみちゃんは、歳や境遇が同じだったからという偶然性を超えて、ああきっとこの子とはこれからもっと互いを深く見せあってやりとりが続くだろうなと出会ったときから予感していたし、その勘はやはり後に的中しました。
当時はそれなりに悩み多き年頃で、夜な夜な吐露しあったりもしたものですが、なんだかんだで一般的な風潮や世間体にいちいち過敏にならず、ポジティブ×愛嬌×行動力(度胸?)で我が道を切り開く…ところで馬が合い、お互いに安心感も刺激も与えあえる関係を築けたのかなと思います。同時に、しょーもないこといっぱいやらかして腹よじれるほど笑いあえる、貴重なガス抜きの友でもあったし(笑)


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私の帰国後も、彼女はずっとフィンランドで勉強を続ける傍ら、各地オーケストラとの契約のお仕事などで着実にこの地に根をはって、今ではれっきとした在フィンの先輩。日本やフィンで何度か顔を合わせていたものの、(ともにいい年してまだ学生身分のままで)また同じくフィンランドというフィールドで自分の夢を追ってゆく同士としては、実に5年ぶりの再会になるんやから不思議な気分。ひたむきに頑張り続けているふみちゃんがまた近くにいるのは、なんだかとても心強い。ともにこれからの一年が勝負年、いつかの受験の年以上に馬力出していっちょ頑張ろう!と本日ヘルシンキ某所にて交わした誓いに恥じぬよう、努力そして前進あるのみです。むんっ


カフェで4時間ちかくしゃべったのち(まともな日本語会話が久しぶりすぎて、つい興奮してしまったか…)、さらにシュンノヴェさんの歓迎を受けて、そのままふみちゃんと一緒に帰宅してきちゃいました。案の定、シュンノヴェ邸の目を疑うような光景の数々には圧倒されっぱなし、庭に住み着いたハリネズミ君の餌付けやテラスでのお茶会も楽しんでいってくれたようでした。今度は是非ゆっくりテラスでディナーパーティやろうね。


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ところで今日は、ヘルシンキ市内のいたるところで、国旗が半分の高さのことろで掲げられているのを目にしました。これは、suruliputus(悲しみの国旗掲揚)と呼ばれる特別行為で、日本の「半旗」とおなじく、深い悲しみを誘う出来事が発生したあと、その哀悼の意を表してなされます。国内ではとくに大きな事件など発生していないので(ヘルシンキ近郊のマクドナルドでテロ予告のいたずら電話が相次いで少し騒ぎになってはいたのですが…)、同じ青十字を掲げる北欧諸国の同胞として、おそらくオスロでの悲痛な事件に対する、フィンランド人からの慰めといたわりの心が込められていたのでしょう。この悲しい半旗を目にする日が、今後当分来ないですむことを願うばかりです。

ayana@helsinki.fi


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明日から、いよいよ語学学校はじまります…どっきどき。

posted by こばやし あやな at 08:24| Comment(0) | Suomiで出会った人たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月24日

高円寺流☆夏バテ解消大作戦

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暑い。

…ヘルシンキ、あつすぎる。。。

ラップランドから帰ってきたから余計にそう感じるのか、いやでも実際に気温もなかなか高い。昨年に続いて今年も、地元民だれもが「ありえない!」を連発する猛暑です。天気も、にわか雨はあるにせよずっと好天続きで、体を休める暇がない。

とりわけ、室内が地獄っす…。日本の家屋と逆で、極寒の冬前提で建てられていますから、まあ熱がこもるこもる!!なのに民家はエアコンなし、扇風機なし。おまけに料理ではオーブンをがんがん使うので、食事時にはさらに室内がヒートアップ…外気はまだしも、室内での生活は絶対に日本より酷でしょう(だからみんなも節電頑張って!!)。

そんなわけで、シュンノヴェ邸では、ごはんは毎食外のテラスでいただきます。
風が吹けば、まだ幾分室内よりは心地よいし、緑に囲まれて食べる方が気分的にも涼しいし。
(ただ、どんなに暑かろうと屋外だろうと、食後やティータイムにはホットコーヒーしか飲まない頑固な国民性には少々付き合いきれません…)


昨日のブランチタイムに、ふいに高円寺の話がでました(前も話しましたが、私たちは2年前の高円寺にて数奇な出会い方をして以来の仲なのです)。たった二年間しか住んでいなかったとはいえ、今でもよく思い出す大好きな故郷の話を、こうして異国の地でも共有できる相手がいるのは嬉しいことです。仲良くしてくださっていたご近所さん、商店街の皆さんは元気にしているかしら。今ごろ阿波踊りの準備もちゃくちゃくと進んでいることでしょう(節電対策で、今年は初めての日中開催とうかがっていますが、熱中症で倒れる人が出ないことを祈るばかりです)。

「高円寺の夏といえば、ガード下の焼鳥屋台のにぎわいを思い出すわ〜」と、シュンノヴェさん。ティミも、そして私ももちろん大きくうなずきます。


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お店自体は別に夏限定というわけではないですが、高円寺駅の高架周辺や商店街の角では何軒もの焼鳥屋屋台が競合していて、どの店先でも夕方ごろから一斉に焼き始めるため、町中に煙と香ばしい香りがまぜこぜに立ちこめます。
そして客たちは、店頭から路肩まではみ出てまでずらりと並ぶ、ビールケースをひっくり返しただけの椅子とテーブルを次々陣取って、汗を吹き吹きやっすい焼鳥を食らいながら、キンと冷えたビールをガンガン体内に流し込む。そのうち誰しも厚さ忘れてどんどん陽気になって、しまいには周囲の見知らぬ客とも交流を始めてしまう…というのが、酔いどれの街・高円寺の夏宵の日常風景でした。

連日の熱帯夜の不快さをなぜかふっとばしてしまう、炭火グリル台からの熱気と人々のさらなる熱気。自分もさっさとその異様な雰囲気にのまれてしまうことが、高円寺における最善の夏バテ解消法であり、猛暑の克服法だったのでした。


あの強烈な光景を回想していたら、3人とも無性に真夏の焼鳥が恋しくなってきて、当然のように「今晩は高円寺を思い出して焼鳥パーティをしようではないか!」という流れに。そうとなれば、さっそくティミの車で大きめのスーパーまで繰り出して、なんとか焼鳥屋メニューを再現できそうな代替食材とビールをごっそり買い込んできました。


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ちなみに、フィンランドで焼鳥屋のまねごとをするのは初めてではありません(笑)かつてのTKK留学時代、日本語サークル主催のサウナパーティで、建築科男児たちが森の中に特設屋台を建造し、味のあるお品書きもつくり、女性陣が昼過ぎから何百本もの仕込みをして、「焼鳥屋もい」という一夜限りの焼鳥屋台を開設したところ、それは大盛況であっという間に完売しましたっけ(↑懐かしい写真がまだ残っていました〜)。


夕方、シュンノヴェさんの長男カップルも遊びにきて、私のはちゃめちゃ指示で、つくねの種づくりや大量の串刺し仕込み作業、特性タレづくりなどを手分けして進め、いつもBBQで活躍しているグリルマシーンに着火して、いよいよ作戦挙行!


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★本日のおしながき★

ねぎま・ハツ・レバー・鶏つくね・アスパラベーコン・プチトマト
ししとう(替わりの赤パプリカ)・フィンランド産きのこたち

+ビールに枝豆!!


どうです、これだけ揃えばなかなか本場の雰囲気が出てるでしょう


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あああ…外人には嫌われ者のホルモンやレバーも、焼鳥界では不可欠のご馳走やんね!
最近は暑さのせいで食欲も減衰気味でしたが、今日ばかりは食とビールが進みます(というか、止まりません)。


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美味しい思いをしただけでなく、グリルマシーンからもくもくと立ち込める煙に、ついこの前までの高円寺ライフを懐かしく思い出させてもらった、うだる暑さもどこへやらのエキサイティングな一夜でした。


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食後のコーヒーブレイク(※やっぱりホット)は、アイスクリームと一緒に。
フィン人は、赤ちゃんの離乳食を料理やデザートに応用するのが好きで、シュンノヴェさんの家にも常に大量ストックがあり、フルーツ味をよくバニラアイスにかけて食べます。果物の風味はあるけど甘さが控えめなので、アイスのソースにはぴったりなのです。私は4-6ヶ月用のスモモ味がおすすめ。


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北欧で根を張ったにも関わらず、こんな猛暑にさらされておきながら、庭の植物たちはみんな元気です。とりわけ今は、色とりどりの凛々しいユリが見頃。人間も負けてられませんね。
明日は久々に終日雨が降るようなので、少しは大気や大地を冷やしてくれることに期待しつつ。


おまけ

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長男カップルの奥様の実家は農場を経営しているので、今日、突発的に遊びに行かせてもらって、久々に馬にのってきました〜

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市内のヘヴィメタフェスの爆音が連日、
5キロ以上離れたここまで聞こえてきます…明日までの辛抱。

posted by こばやし あやな at 07:29| Comment(6) | Suomiで見つめる日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月23日

真夏のメリークリスマス

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昨日のノルウェーの事件のことは、もちろんこちらにもすぐに伝わってきました。

まっ先に頭に浮かんだのは、オスロに住む何人かの知人の安否。彼女たちの方から、FBなどで無事であることを周知していたので、ひとまず安心して、あなたが無事でよかったよとメッセージを送りました。でもそういえば震災の直後、やはり自分も世界中の友達から安否を気遣うメールやメッセージをもらって、私や家族は大丈夫だよと答える度にそれならよかったよと返事が返ってきて、いやいや私は大丈夫でも私のすぐ周囲はちっとも大丈夫ちゃうし!!と複雑な気持ちに陥ったことをふと思い出しました。

互いに他言語を借りてのやりとりなので、もちろん本人たちがどういう心情でその言葉を書いたかはわかりません。でも、今まさに彼女たちも、あのときの自分と同じ気持ちでいるのかもしれない。そしてもちろん、まださらに何が起きるかわからない恐怖とも戦っているはずです。私たちさえ、北欧というくくりをつい意識してここで戦慄いているほどです。
だから、自分が顔を思い浮かべられる相手だけでなく、その家族、友人、お国の同胞…できるだけ多くの人の悲しみや恐れに寄り添いながら、No more anywhere anytimeと願い続けるしかありません。頼むからもうこれ以上何も起こらないでいてほしい…


*****

さて、時間軸が錯綜しましたが、6月20日より続けていた国内ぐるり旅紀行の最終話を書き終えたいと思います。

旅の最終日に、当初ロヴァニエミからの遠征を考えていたのは、バスでさらに170キロあまり北上したところにあるソダンキュラという街でした。ここには、欧州中心から時を経てようやく流れ着いたキリスト文化の象徴として15世紀に建てられた古い簡素な木造教会が現存しており、是非一度見てみたいとかねがね思っていたのです。
ところが私のポカミスでバス移動のスケジューリングに失敗し、今回はあえなく断念(田舎旅はいつでも厳格なスケジュール管理が必須です…)。さて、それじゃあどうするっかなあと思い、結局行き着いたのはやっぱりここ、


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ロヴァニエミを訪れる日本人で立ち寄らない人はいないであろう、中心街の北のはずれにある通称「サンタクロース村」です。(正式なフィンランド語名は、Joulupukin pajakylä=サンタクロースの工房村。サンタクロースという言葉はさも全世界共通かと思われていますが、この国であの赤服のおじいちゃんはヨウルプッキと呼ばれております。)


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こんなに暑い真夏日でも、この一角だけは一年中クリスマスムード。ツリーがきらめき、厳かなクリスマスソングが聴こえてきて、大人も子供も、無条件に12月24日の夜の胸の高鳴りがよみがえってきます。


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ところで、この場所の別称は、ナパピーリ(Napapiiri)。ナパピーりとはArctic Circle、すなわち「北極圏」を指す汎用的な言葉ですが、このサンタクロース村の敷地内には、北極圏突入を示す北緯66度33分39秒のラインが貫いているため、フィンランド北極圏の玄関口でもあるこの地の愛称ともなっているようです。当然ながら多くの観光客は、敷地を分断する北極線をまたぐ姿勢で記念撮影をします。


サンタ村に到着してまっ先に向かったのは、


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マリメッコのアウトレットですが、なにか目

敷地内には国内最大級のアウトレットがありまして、なんだかんだで、ここがサンタ村訪問のハイライトである女性も少なくないはず…だって、都心のほうではもう二度とお目にかからないような懐かしい柄、見たこともないデザインに出会えて、しかも何もかもが年中バーゲン状態やからね!


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平屋の広い店内や、その横の白樺林に囲まれた屋外テラスにも、さながらフリマの雰囲気を漂わせて商品が並んでいる、とても気持ちいいお店ですよ。以前はイーッタラのアウトレットも併設されていたと思うのですが、こちらは切り離されてサンタ村のメインビルディング内に移動していました。イーッタラアウトレットは、ハパランダで見た店舗のほうが頑張ってくれてる印象かな。


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(写真はフィンの伝送装飾工芸でよくクリスマスにオーナメントとして飾られる「ヒンメリ」です)

アウトレットやお土産店でちょいちょいと旅さいごの買い物を楽しみ、村内の郵便局で何通か日本への手紙の発送をすませてから、閉館時間が近づいて人ごみも緩和されてきたサンタさんの本拠地へ。

サンタさんの待つお部屋にたどり着くまでのセットが一昔前よりだいぶグレードアップして、なんだかディズニーランドの一角のようになっていました。でも、入場料も含め、サンタさんと会ってお話するところまではいっさいお金もかかりません。(記念撮影写真の買い取りのみにお金が発生します)


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5年ぶりに再会?するほんもののサンタさんは、はじめはとても流暢で自然な日本語で会話をはじめて(神戸出身と聞いて、神戸には港も六甲山もあるからいいよね、と称えてくださった。そうなんです!!さっすがわかってるなあ。)、私の大学院合格報告には、その大きな手で頭を撫でながら、頑張ったねと褒めてくださいました。そのしぐさや話しぶり一つ一つが、本当にこの人は私たちとは全然ちがう時の流れのなかで、もう何百年も生きているんじゃないかとおもわせるほど安らぎに満ちています。


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じゃあ今年はユバスキュラにも行くから手紙を書いてねと27歳の私におっしゃってくれたサンタさんに、どうぞ東日本の子供たちのところにも、回りそびれがないようようにお願いします…と伝えてさよならしました。


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こうして、最後はこの北国ならではの夢のつまった村を訪ねて穏やかに終えた、1ヵ月の国内長旅。毎日毎日、よくもまあこんなにというほど晴れ続きななか大荷物と一緒に大移動を続けていたうえ、夜さえも十分に暗くならず、体もさすがにくたっと疲れております。

多分もうこんなに時間とゆとりを備えて、自分の身ひとつでどこかを旅して回ることもないでしょう。明日ヘルシンキにもどったら、まもなく語学学校も開講して、引越し準備、秋からつく教授さがしやテーマ決めも待っています。そしていよいよ、とても限られた居場所にしっかりと足をつけながらの日常生活が始まるのです。
そう考えると、楽しみでもありながらやはり心の負荷も大きく、まだ帰らずにずっとこの見知らぬ土地の青空と青い森ばかりを眺めていたいという気分にも駆られますが、抗えない季節の移ろい、時の移ろいをしっかり受け止め、折にふれてこの一ヶ月の素敵な思い出の数々を懐かしみながら、次なる新天地めざして、これにて帰郷いたします。
皆さん、旅道中の日記のご愛読や応援をどうもありがとうございました!

もちろんこれからも、まだまだ湖畔会議の議事録更新は続いてゆきますので、変わらずごひいきのほど、よろしくお願いいたします。

ayana@rovaniemi.fi

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近々、旅みやげ自慢後編と国内一周の軌跡インデックスを
更新予定っす。
posted by こばやし あやな at 17:51| Comment(2) | Rovaniemi-ロヴァニエミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

お花摘みの夕べ

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ええと、実はもう今朝の便で無事ヘルシンキに戻ってまいりました。
旅行記がまだ完結していないのですが、先ほど夕食の後、もうすぐベストシーズンが終わってしまうし週末は天気が崩れるかもしれないから…と、とっても素敵な場所に連れていってもらいました。
興奮冷めやらぬうちに是非皆さんにもご紹介したいと思い、今晩の日記を先に書き上げることにします!


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突然ですが、これが一国の首都の景色だなんて信じられますか?

ヴァンター市との境界を接するヘルシンキ市北端の、ハルティアラ(Haltiala)と呼ばれるエリアは、1500年代(スウェーデン支配時代)以降、富豪たちの住居があった地域でした。しかし現在では、ヘルシンキ市が遺構を全て買い取って一帯の土地とともに所有しており、市民の税金によって、たくさんの家畜を放牧する農場と広大な畑が経営されています。もちろん牧場は無料で見学できるし、畑の収穫物はぜんぶ市民のもの。なんと誰でも好きなときに畑に立ち入れて、自由に収穫ができるのです。

敷地内には子供の遊べる公園やカフェもあり、ふいに土の臭いをかぎたくなった都会人たちがいつでも足を運んで気軽にくつろぐことのできる、素敵な屋外公共施設です。


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牛、馬、羊、豚、鶏…などなど、農場では、多種多様な家畜たちを間近で見学できます。
みんな食べることに(豚は何故か穴を掘ることに)夢中で、あんまりこっちにかまってはくれないのですが。


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公園の砂場には、中途半端にリアルな豚箱型の遊具が…ここでどう遊ぶことが期待されているのだろうか…(とりわけ右下の「俺の屍を超えて行け」といわんばかりに横たわって踏み台にされてる豚が気になる)


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こちらがお待ちかねの「ご自由に収穫どうぞ」の畑です。
ここの畑ではフィンランドマーケットの夏の風物詩ヘルネ(さやえんどう)が実を膨らませ始めていました。時刻はすでに夜の9時を回っていますが、大きな袋を持参して収穫に勤しむ人たちがまだまだいました。畑は、もしヘルシンキ市民がいっせいに押しかけたらすぐに残らず取り去られてしまうだろうけど、毎日これくらいのペースで誰かが採りにくる分には、そう簡単にはなくならないであろう広大さを誇っています。


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あったあった、ぷっくりと膨らんだ美味しそうなヘルネたち〜もちろん摘んだらその場でほおばってOK!
ヘルネの豆は甘くて歯ざわりもよくて、手元にあるとお菓子のようにぽりぽりと食べ続けてしまう中毒性があるので要注意です。

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粒ぞろいのよい、モデルさんのようなさやを発見目


でも、どこよりも私が一番興奮してしまった畑は…

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かわいいお花畑!!かわいい


どこまでも広がる花畑から、摘みたいだけどうぞ!

ぱっと見では青いhunajakukka(はちみつの花、という名前なので、おそらく蜜が採取できるのでしょう)が目立ちますが、その合間合間に、多種多様な花たちも負けじと咲き誇っているのです!!


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お花摘みなんて、いつぶりやろ!
小さい頃はめっちゃ好きやったな〜。保育所の頃、遠足で立ち寄った公園でたんぽぽを摘みすぎて、帰りにヘンゼルとグレーテルのごとくぽとぽとと花を落とすはめになってしまい、泣きながら拾ってはこぼしながら家まで帰った記憶がまだうっすらと・・・

私は色とりどりのruiskukka(ルイスクッカ=ヤグルマソウですね)を束ねることにしました。畑を注意深く分けいっていくと、定番のブルーから、グラデーションを描くように紫、えんじ、ピンク、そして白まで、次々に新色が見つかるのが楽しくって!!


それにしても、市民の税金で花を咲かせて還元するだなんて、この高税国はなんて心憎いことをやってのけるのでしょうね。コンサートやパーティに行く前にさっとやって来て、自分で摘んだお花を束ねてプレゼントするなんて演出も素敵ではないか!(お金もかからないし…笑)
男性がデートの待ち合わせの前に摘みに来たと知ってときめかない女の子がいるでしょうか!?


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気が付けば、こんなに自分の影が伸びる時間まで(10時前くらいかな)、お花摘みに夢中になってしまっていました。

夏至からちょうど一ヶ月が経ち、白夜の国といえども、日に日に日没が早まってきているのがはっきり感じられて、ちょっと心寂しくなっちゃいますね。

お向かいの畑では、ひまわりたちが着々と開花待機しておりました。
なんとフィンでも近々ひまわり畑が見られるのか!次はここが一面黄色くなる頃に、またやって来ようと思います!シュンノヴェさんのおうちからだと、自転車でわずか15分で来られるアクセス良好な場所でもあるので。


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帰宅して、まっ先にシュンノヴェさんに花束をプレゼント。
さっそくケルマンサビの花瓶に挿して、テラスの机に飾っていただきました。
花がそばにある生活は、まちがいなく心に潤いと喜びを与えてくれます。税金から生まれた市民花畑は、こうしてりっぱに市民の福利厚生にも一役買ってる、ということですね。素晴らしい!
秋から住まうユバスキュラ市にもこんな素敵な公共施設があるといいなあ。


Haltiala(ヘルシンキ市ウェブサイトより)http://www.hel.fi/hki/liv/fi/Ulkoilu/Helsingiss_/Haltiala

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posted by こばやし あやな at 07:42| Comment(4) | Helsinki-ヘルシンキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏雲往くロヴァニエミ

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一ヶ月ぶりに、旅のスタート地点、ロヴァニエミへと帰ってきて最後の滞在中です。
こうして一大観光都市・ロヴァニエミを訪れるのはとても久しぶりで、2006年の11月以来になるのかな。あのときはすでにすっかり雪景色で(しかもあの冬の第一波となる大寒波到来中で)、吹けば飛ぶ小麦粉のような粉雪の降り積もった「白い砂漠の街」というイメージが今でも刻まれています。

青天の下で歩き眺める街の印象は、当然ながら、あのときとは全然違います。
そりゃあやっぱり、気候も心地よく、視界もよいので、いろいろな光景や街並みの面白さに気づくことができます。なんだかアジアの街並を切り取って移築したような一角があったり、フィンにしては味まで気取ったカフェがあったり。でも、なんとなくこの街は冬の景色の方が好みかなあ。


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アールト建築×キオスクって、全国でここだけじゃないかしら?(笑)


これは完全に私の感覚によるものですが、北にゆくほど、雲の流れ、天気の移り変わりのスピードが、なんやものすごい気がするのです。つい数分前まで快晴だった無地の空に、あっという間に厚ぼったい雲がなだれ込んできて、それもまた息つくひまなく、ぐんぐんと動き去っていく…なのに下界は決して風が強いわけではないのです。

青空がにわかに灰色に変色し、ほんの一瞬の強い通り雨を降らせて通行人を慌てさせることもあります。なのにすぐその数十分後には、驚くことに空には何事もなかったかのように青空が戻ってきていたりするのです。これって何か、北極圏特有の大気のムーヴメントと関係があったりするでしょうか。


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ロヴァニエミの(数少ない)定番観光スポットでもあるので、ことさら私が紹介するまでもないかもしれませんが、川のほとりにあるArktikum<アルクティクム>という博物館は、入場料12ユーロ(学割なし)と割高なものの、その展示内容は圧巻です。北極圏について紹介するマルチ博物館なのですが、外観通りのほそながーい展示室2フロアを使い、自然科学、生態学、民俗文化学、言語学、社会産業学、経済学…あらゆる切り口から、なかなか知る機会のない極北の大地の姿とそこに生きる人間の営みについて、果敢に一挙紹介してくれています。対象エリアはフィンランドのラップランドにとどまらず、ロシア、スウェーデン、ノルウェー、果てはアイスランドやカナダ、アラスカにまでまたがる、まさに文字通りの北極圏全般です。

なにせ得られる情報量が半端ないので(キャプションの文字を全部追うだけでも相当疲れます)、おのおの興味がある分野の展示を重点的にまわるだけでも十分見応えがあり満足できるのではないでしょうか。前回来たときにはなかった北極圏の気候に関する観測結果の展示や、ほんとにひんやり寒くてキャプションを読みきるのもしんどい氷の洞窟ゾーンなども出来ていました。

私がいつも来るたび立ち止まってしまうのが、北欧北極圏に住む民族サーミ人たちの、定住地域ごとの文化と言語の違いを紹介するブースです。現地の民族の声や歌を録音し、同時にそれを文字に起こした展示があるのですが、一口にサーミ人といえども、居住場所によってこんなにも異なった独自の言語を話し、独自の感性から紡がれる歌や衣装を持つのか、ということに驚きばかりか畏れすら感じてしまうのです。
ただ残念なことに、ボタンを押すと各地の民族の歌声が聞ける展示は現在修理中でした…。以前このうちの一つに、「アヤ〜ナ〜 アヤ〜ナ〜」とじいちゃんが唱和するぎょっとするような歌の録音があり、その再検証を試みたかったのですがねー。

Arktikum(なんと日本語サイトもあり)
http://www.arktikum.fi/

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次回いよいよ旅の最終回。

posted by こばやし あやな at 00:37| Comment(0) | Rovaniemi-ロヴァニエミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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