2011年06月30日

カルサマキ―聖なる川たゆたう平和の地へ

20110629_31.jpg

オウルから長距離バスで2時間ほど南下したところに、カルサマキ(Kärsämäki)という小さな小さな街があります。ラヌアの街をさらに縮小した感じで、もはや村と呼ぶほうがふさわしいのではというくらい。

フィンランド建築に興味がある人なら、カルサマキと聞いてピンと来る方も多いでしょう。このたわいもない小さな街がにわかに日の目を見ることになったのは、2004年に、街の人々を巻き込んだとあるプロジェクトによって、他所のどこでもお目にかかれない素敵な木造教会がこの地に建てられたからです。

アンッシ・ラッシラという若手建築家によって設計されたカルサマキ教会(正式名称はKärsämäen Paanukirkko/カルサマエン・パーヌキルッコ)については、近年のフィンランド建築の本には欠かさず取り上げられているし、ヘルシンキ工科大学建築学科への留学中、あらゆる授業で頻繁にお目にかかっていました。中規模木造建築に関するグループ分析発表のゼミでも、我われ日本人+チェコ人チームでやはりこの教会を取り上げて、さまざまな検証の成果をプレゼンした懐かしい記憶が蘇ります。

小難しい建築学的なことはさておき、この教会のユニークなところは、一見シンプルないかにも現代的な形状をしているのですが、実はその建造過程において電気機械類は一切使われず、すべて、フィンランドに伝わるあらゆる伝統木造建築の工法技術を応用して造られた、という点です。
そして実際、知恵を出し合いその建造に携わったのは、この街やその周辺に住む正真正銘のカーペンターたちや、あらゆる切り口で「木」に携わる大学や企業のプロフェッショナルたち。まさに、フィンランド木造建築の今と昔を融合させてできた、歴史の結晶のような教会建築なのですね。


百聞は一見にしかず。

さあ、私と一緒に訪ねに行った気分でお楽しみください。


20110629_12.jpg

教会は、町の中心地となるバスターミナルから1.5キロほど歩いた場所にあります。ちょっと長い道のりですが、道中は、このような美しい白樺林やのびのびとした田園地帯のあいだに通る、それは美しい小道をてくてくゆくので、それもまたひとつの楽しみにさえなります。


20110629_10.jpg

白樺林の足元には、うちの母が庭によく植えていたルピナスの群生(もちろん野生です)が百花繚乱。ルピナスは、その存在感でフィンの夏の野を艶やかに彩る、この季節の代表花です。


20110629_13.jpg

一軒一軒、これでもかというほど可愛らしく建ち並ぶ木造一軒家のおうちの庭先では、子供たちがすっぱだかになって、ホースの水をかぶってはしゃいでいました。
なんせ、今日は日本に負けじとも劣らない猛暑の一日。ずっと北に位置するオウルを出たときですでに29度もあったので、ここでは軽く30度を超えていたんじゃないかとおもいます。日差しも、肌にささってくるかのように強くって…。



20110629_14.jpg

いよいよ近くまでやってきました。

この並木道を抜けたところで、教会がじっと待ってくれています。


20110629_15.jpg

聖域への入り口にすっくと立つ鐘楼。野の上には、コンクリート代わりにやさしいウッドデッキが敷かれていて、列車のレールのように訪問者を迷いなく誘導してくれます。



20110629_16.jpg

さあ、本のなかではすっかり見慣れた、直方体+三角柱のシンプルなフォルムがついに姿を現しました。この向きからでは逆光だしちょっと全貌がわかりにくいですね。


20110629_27.jpg

一面ずれた角度から見た全体像は、このような感じです。

そう、実はどの面も単純に長方形で覆われているわけではなく、また、見てのとおり手前の一辺には、エアコンの送風孔のように開口扉が連なっていて、内と外との境界をあいまいにしています。


20110629_26.jpg

全体をブラックボックスのように見せている漆黒の外壁に近づいてみると、タールでコーティングされた木板によるシングル葺きだとわかります。フィンランドの伝統的な建造物の壁や屋根では、木材保護を兼ねてタールによる着色法がさかんに用いられてきました。タールは、フィンランドの森の大部分を形成する松の木を燻して抽出した松脂が原料で、その製造は当時の一大産業でもあったのだそうです。よく見ると、溶けて氷柱のようにぶらさがったタールの雫があちこちに。そのムラっけやひび割れ、日光がよく当たる面からすでに色あせ始めている様子が、手作りならではの質感を醸し出しています。


20110629_23.jpg

なんとこの釘一本一本もすべて、人の手で鉄を打って作られた立派なハンドクラフトです。当然、均一な金属加工技術さえも使わない、というのがこの建物のポリシーであり存在意義ですものね。



20110629_17.jpg

ここが、入り口。出来て7年がたつとはいえ、まだぷーんと切り出したての爽やかな木のにおいが漂ってくる。先ほどの開口扉からどっと陽が差し込み、奥の森の緑のシルエットが映えています。


20110629_18.jpg

扉の先にのぞく景色もなんて穏やかで美しいのでしょう。


20110629_11.jpg


20110629_24.jpg

ああ、これまたなんて純朴な継ぎ手の跡!
もちろんこれも、フィンランド古来のログハウスでお馴染みの原始工法ですね。


20110629_21.jpg

機械には逆にこんな味のあるでこぼこは作れまい、と主張せんばかりの元祖表面加工も素敵。



20110629_19.jpg

こじんまりとした礼拝堂の内部に入ると、まるで一本の大木の芯部にやってきたのかと思われるくらい、無着色のか細い木材が隙間なく敷き詰められた空間に、天窓からのやさしい自然光がゆっくりと落ちてきます。

フィンランド人は昔から、唯一絶対神とはまた別の神の存在を、自分たちを取り巻く自然要素のあちこちに見出してきたのだといいます。ちょうど日本のやおよろずの神信仰のように。とりわけ、光と木はこの民族の生活にいちばん直接的に恵みをもたらす、もっとも親しくもっとも敬うべき自然の捧げものです。

だからなのか、フィンランド国内の教会は、現代においても木造教会がとても多いし、またどこの教会の礼拝堂も、自然光の採光に対する繊細な創意工夫の成果がうかがえるのが、とても愛おしく魅力的なのです。


20110629_22.jpg


20110629_20.jpg

祭壇の十字架も、椅子も、もちろん木製。
椅子には、背もたれカバー代わりにトナカイかなにかの皮が敷いてありました。



20110629_28.jpg

この神聖なのに親しみ深い空間を後にしようとしたとき、出口の扉で入れ違ってカメラ目線を投げかけてきた赤&青のおちゃめなご夫婦。



20110629_29.jpg

さて、この教会のすぐそばで、夏季のみのテラスカフェがオープンしていました。教会関係の方が開いてくださっているようです。

このカフェが、また本当にしみじみと居心地のよい木造カフェで、なんといってもケーキが抜群に美味しい!!ナッツとベリーを練りこんだ生地のしっとりパイに、バニラソースをたっぷりかけて出してくださいました。これがコーヒーとセットでたったの4ユーロだなんて…近所にあれば毎日でも通いたくなるやん!!

さらに、コーヒーをいただいているあいだ、この教会が出来るまでのメイキングムービーのようなものを、閉店時間ぎりぎりに駆け込んだ私一人のためにもわざわざ上映してくださりました。大工さんたちが汗水たらして木材一本一本を組み上げていく施工の様子だけでなく、住民が入れ代わり立ち代わり見学にやってくる様子、牧師さんや大工さんが一堂に会して行う地鎮祭みたいな儀式の風景、完成後に市長さんを筆頭に街の住民たちが行列をなしてあのウッドデッキのアプローチを渡り歩き、礼拝堂で合唱するシーンなども含まれていて、見ているとなんだか涙が出かかってきました。

施工に関する似たようなDVDはゼミでも見せられた気がしますが、これまで建築学観点でしか捉えていなかったこの教会の真価が、あくまでこの街の人々にとっては郷土に眠っていた伝統技術の再興の場であり、何世紀も前から教会が建っていたという地に聖なる館が再建される希望に満ちた瞬間であり、そして何より祈りの場である…というように、ようやくその土着性と結びついたことで、ぐっとこみ上げてきたのでした。もちろん莫大なコストと人手がかかっており、汎用性には欠けるかもしれませんが、それでもこの小さな街が、手を取り合って教会の建設に踏み切ったことに感謝。



20110629_30.jpg

おなかも心もいっぱいにしてくれた素敵なカフェを後にして、先ほどは歩かなかった教会の裏手から、すぐ前を流れる川にそってしばらく歩いてみることにしました。


20110629_32.jpg

そこには、もうただただ美しいとしか言いようのない、豊かな水と緑に囲まれた風光明媚な景色が限りなく広がっています。



20110629_33.jpg

気がつけば教会がふたつ見える地点までやってきました。
実は、この川を挟んで、教会のまん前のあたり…ちょうどこの写真の右手側が、なんとフィンランドのへそ―国土の中心を貫く経線と緯線の交わる場所なのだそうです(ちなみに同じく日本のへそは、我らが兵庫県内にありますね)。つまり、Suomiの中心はまさにここ、カルサマキだということ!


見てのとおり、この美しい国の中心は、やっぱりとびきり美しい場所でした。

さらに、この湖に見紛うくらい穏やかで清らかな川の名前はPyhäjoki、なんと「聖なる川」と名づけられているんですって。まったく、どこまでよく出来た麗しの国の中心地なんだか!



20110629_34.jpg


20110629_36.jpg

この汚れない景色に囲まれて曲がりくねった野道を歩きながら、今自分がいるのが世界でいちばん平和な場所に違いない、と本気で思い込んでいました。それほどまでに、カルサマキの街はあまりに美しく、穏やかで、天国に近い聖なる場所に感じられたのでした。これまで訪ね歩いてきたこの国の多くの街のなかでも、とびきり印象的な、おすすめの場所のひとつに仲間入りです。

かなり行きにくい場所にあるのは確かですが、長距離バスを使えばちゃんと中北部の主要都市からでもたどり着けますので、ぜひこの素晴らしい季節に、ひとりでも多くの人に同じく訪れてほしいと心から願います。



カルサマキ・パーヌ教会http://www.paanukirkko.fi/



ayana@karsamaki.fi


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ


皆さん、節電は無理なく、どうか夏バテに気をつけてください!


posted by こばやし あやな at 14:27| Comment(2) | Kärsämäki-カルサマキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月29日

東の空を見上げて

20110628_10.jpg


20110629_9.jpg


20110629_5.jpg


20110629_4.jpg


20110629_7.jpg

昔は、できる限り無人の美しい風景ばかりにシャッターを切っていたものでしたが、ここ最近は、その街に暮らす見知らぬ人々の写り込んだ写真を撮影することが、無意識ながらに増えてきました。

街の美しさや風土性を切り取りたいときに、地面に基礎や根を張った動かぬものたちで形作られたランドスケープも去ることながら、その街に住まい、あるいは訪れ、道行く人たちの何気ない表情や仕草の瞬間性が、何よりもその善し悪しのバロメータとなることに気づき始めたからでしょうか。


(あ、先日パリを訪れたときに撮った、やっぱり主に街行く人にばかりピントのった写真たちをfacebookにどーんと載っけました。アカウントの無い方でもこちらから閲覧できるそうなので、どうぞ遊びにきてくださいね〜)


20110628_2.jpg

とはいえ、写真撮らせてくださいと恣意的に頼みこむわけでもないので、さりげなく、遠方や後方から…というのがせいぜいの、ちょっときわどい隠し撮り道楽。

たまにシャッターを切ったあとで明らかに目がってしまった人が、ニコッとしてくれたらセーフ。ムスっとされたら、頭を下げて潔くその場でデータ削除。そんなんですから、カメラの腕は一向に上がらないし、とても「作品」にはなりえない、ただの記録写真ばかりが量産されていくわけですが…あとでそれらを見返したとき、写真に写る人たちの服の色や表情が、その瞬間に彼らのすぐ近距離で共有していた街並みや大気の色、日差し、音やにおいを、さらにはその当時の自身の心のコンディションや思考までもを、すとんと蘇らせてくれるから不思議です。

何より、人々が楽しそうで幸せそうな表情を浮かべているのは、その街が楽しくで幸せな証。逆は必ずしも真とは言えませんが…。


2011629_8.jpg

夏本番を迎えたオウルの街でも、パリジャンのようにあからさま全身に喜びや幸福感をほとばしらせる人はあまりいないけど、すれ違う楽しげな顔が、やさしい眼が、嬉しそうな背筋が、この機能的な森みたいな大都市がいかに住み良い場所であるかを雄弁に語っていました。


20110629_1.jpg

人との出会いや交流がメインであった前回までの旅から一転して、これといった目的もなかったオウルでの滞在時間は、まさに文字通りのひとり旅でした。この大都会でも、自分のフットワーク如何によっては、きちんと私の眼を見てくれる人との出会いが眠っていたのかもしれませんが、ここでは最後まで、良くも悪くもひとりぼっちに浸っていました。

とても快適だけれど、何一つ自分の好みで揃えたわけでもない家具や雑貨に囲まれた都会のアパートの一室を拠点に、常に一人で街を歩いて、ご飯を食べて、お皿を洗って、はじめての図書館で単語帳やテキストを繰って、ネットやTVにかじりついて、狭い個人サウナでじっと熱波に耐えて…。一日を通して、必要最小限にしか言葉を口にしない奇妙な生活。


一人の時間が続くと、否応なしに、いつもよりも深く掘り下げてものごとを考えはじめます。不安や心配事のレベルが増幅したり、思い出したくないことまで頭に浮かんでこびりついたり、見たくないものにまで視線を投げかけてしまうこともあります。こう見えて、体の一番芯部は根暗な自分は、こういう時間の重要性を実感しつつも、直後は得てして気分が落ち込みがちで、失速してしまいます。

でもまた次の街で、あるいは帰りついたその場所で、思ったことをすぐに口にしては笑いやエネルギーに変えていける人たちに出会えれて動力を取り戻せられたら、そのとき初めて、ここ数日で気を落としてまであれこれ考え悩んだこともまた、適切に私の今後に生かされてゆくのだろうと思います。


20110629_2.jpg

そうそう、震災以降の東京生活でずっと悩まされ続けていた余震過敏症による慢性睡眠不足は、おかげさまでこちらに来てすっかり解消されました。それどころか、中学生ぶりくらいに、毎日だいたい同じ時間に眠くなって同じ時間にすっきり目が覚めるという健全なサイクルを取り戻すことができたので、我ながら驚いています。もう雑誌編集者生活になんて戻れないかな?(笑)できることなら、このサイクルを保持したまま余生を過ごしたいものですが、はたまた…。


20110629_3.jpg

こんなふうに、なんの不安もなく、青い空を一日中見上げて深呼吸できるのはいつぶりだろう、とふと考えていました。

東京でだって、たまにフィンに負けないくらいのこの上なく澄んだ青空が広がる日がありました。そんな日は、朝からこっそり屋上で布団をほして、ひっぱりダコで買ってきたたこ焼きをほおばりながら、せせこましいけど愛おしい高円寺のフラットな街並みや、彼方富士山の雄々しい姿を飽きもせず眺めていたものでした。でも3・11以降、短時間でも外に布団や洗濯物を干すのが不安になってランドリーの乾燥機に並ぶようになり、肌を露出して外を出歩くのも、避けられないけどなんとなく気が引けるようになってしまって。

生命活動に不可欠な食物や空気、汚れたものを洗い流すはずの水が、何よりも汚れているかもしれない…その恐怖心や不信感は、被災地からの距離や実際的な数値レベルの怖さとはまた無関係に、いつまで故郷の多く人の心と体を縛り続けるのでしょうか。

そしてもちろん今もまだ、この青い空の東の果ての大好きな故郷で、数え切れない人の生活が脅かされ、失意のなかにある現実。いっぽうで、震災以来、徐々にその渦中から距離をとってこんなところまで来てしまった自分。もちろん私の人生は、3・11の以前から、この地に向かって流れるベルトコンベアに乗っかってしまっていたのだけれど、それでも、やっぱり、何故いまここに、という疑問は心から片時も離れません。

その感情を、決して自分自身の挑戦を諦める言い訳や一端にだけはしないよう、今日もまた、私のすべきことと出来ることを探しながら、この国のすべてをしっかりと目に焼き付けて笑顔で歩き続け、撮り続け、書き続け、祈り続けます。


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ


おかげさまで、早くも上位におります。
皆さまどうもありがとう!


posted by こばやし あやな at 18:00| Comment(0) | Oulu-オウル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オウルの街角で

20110628_1.jpg

あれは、雲の製造工場?


20110628_6.jpg

真っ赤な集合ポストたちが、フィンの夏を告げる摘み頃イチゴのよう



20110628_4.jpg

そこ歩いてて、足の裏痛くないんかしら


20110628_7.jpg

こんな湾のど真ん中で、無人の船はどなたの帰りを待っているのでしょうか?


20110628_8.jpg

あらあらおじいちゃん、買ったばかりのイチゴこぼしちゃった。
(でもすぐに全部拾い集めて笑顔で去ってゆきました)


20110628_9.jpg

これぞ愛すべき合法素っ裸アートの真骨頂。
なんと2人のおっぱいのフォルムまでちがうのだ!


20110628_12.jpg

ビビッドブルーの空に、ダークブルーの車に、ライトブルーの家の壁。こういう色を布地に転写して、新しい部屋のカーテンかソファにしたいな


ayana@oulu.fi


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ


みなさん今日もキートスです!


posted by こばやし あやな at 01:02| Comment(0) | Oulu-オウル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月28日

アレよアレよと

20110627_1.jpg

連日猛暑や湿気と闘ってらっしゃる日本の皆さんに対しては申し訳なくも…

今日も、私の歩く真っ青な空の下の街角は、

20110627_3.jpg

陽がさんさんと照っていながら気温ジャスト20度、さらに海からのおおらかな風が通りを吹き抜けてゆき、全身の細胞が満場一致で「心地よい」と判定する抜群の気候に恵まれています。

大気の純度が高いと、街の隅々までが活き活き美しく見えてくるし…ああ、なんて幸せなんや!


さて、そんなフィンで今熱いのは、屋外より、むしろ屋内であります。


20110627_5.jpg

アレ



20110627_4.jpg

アレ アレ アレ



20110627_6.jpg

アレ アレ アレ アレ アレ アレ アレ アレ アレ アレ アレ・・・


そう、アレ(ALE)とはもちろん、

20110627_7.jpg

バーゲンのことです!  ぃよっ まってました!!

(ちなみにREAのほうは、スウェーデン語。アレ、レア…反転しちゃうのね)


夏至祭の終了を合図に、全国のあらゆるお店でいっせいに夏の一大バーゲンセールが開始されます。
値引き率はかなり頑張っていて、40―50%オフは当たり前、70%引ワゴンもわりと出現、果てはいっぱしのアパレルショップが2ユーロ均コーナーを設けていたりだとか、買い物天国とはまさにこのこと!日本の北欧雑貨ラバーたちが泣いて喜ぶであろう勢いで、あのブランドもこのブランドも、どどんと勉強してはりまっせ。
アパートの郵便受けにも、今朝はどっさりアレアレ広告が差し込まれていました。


20110627_8.jpg

ジェントルなマネキンたちも、燃え盛るアレTシャツ(に何故か短パン)でモデルポーズ!


20110627_2.jpg

というわけで、街行く皆さんはだいたい両手にショッピングバッグです。
面白いことに、日本のバーゲンのワンシーンでありがちな、女性が男性に荷物係させて一人ではしゃいでいる光景というのも良く見かけます。どうやら全世界共通の行動パターンであるらしい。。。


なんせ、普段から自然と頭で円換算してはどう考えても高いやろ…と萎えてしまものたちが、このセールにかかれば、アレまあっ!!と声を上げたくなるほどに大暴落するので、それなら普段からもう少し安く売れないものか?とも。まるでフィンの夏と冬の寒暖差みたいで、金銭感覚が麻痺しそう。


これがこの値段なら…と手を出したくなるものは、ざっとウインドーショッピングしてただけでもいくらでも見つかりましたが、今はトランク一つの流浪の身なので、ヘルシンキにもどるまで我慢我慢・・・
といいきかせながら、「はっ!?なんでこれが5ユーロ!?」というパーカー一着、つい買っちゃったんやけどもね。なんせ、今手持ちに長袖が少なすぎて朝夕けっこう辛いので、5ユーロ相当といわずしっかり活躍してもらいましょ。

ayana@oulu.fi



にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ


引き続き、応援クリックよろしくお願い致します!



posted by こばやし あやな at 07:44| Comment(2) | Suomi×歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月27日

ブログ村に参加しています。

20110627_1.jpg

お友達のススメで、ブログ村なるものに参加してみました。

いわゆるブログランキングへのエントリーと、同じカテゴリーでブログを書いている皆さんとの情報共有ツールのようです(ごめんなさい、私自身がまだ勉強不足で、今のところ機能や利便性を十分に把握できておりません…)。

ジャンルとしては、フィンランド情報フィンランド旅行に参加しています。下の手作りバナーをクリックしていただけると、私のブログへのポイント加算とともに、今同じくフィンランド各地から日記を発信し続けている、多くの皆さんの日記などもあわせて見られます。

せっかくなので、以前からのお知り合いだけでなく、今後より多くのフィンランド贔屓な皆さんと、ブログを通じて交流してゆけたらと思っているので、認知度向上のためにも、日記にお越しいただくたびにバナークリックで応援していただけるととても嬉しいです。
しばしのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします!


ayana@oulu.fi


にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ


posted by こばやし あやな at 20:22| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ひとり暮らし演習

20110626_6.jpg


夏至祭を終えた翌朝は、おおかた予想はついていましたが朝食の食堂に行ってもだーれもいませんでした。もちろん、ご飯(簡易ビュッフェ)の用意はしてくださっていたのですが、ヨルマさんさえも見当たらず、見事にものけのから。もちろん皆さん騒ぎ疲れてぐうすか夢のなかだったのでしょう。

私もご飯食べたらまたうとうとと格闘しつつ、ちょっとだけ勉強机に向かって、荷造りして、次に午後3時くらいにテラスに顔を出したとき、ようやくみんながおはようと声をかけてくる有様でした。


余段ですが、この朝のテレビやネットニュースのトップニュースは…毎年お決まりらしく、「夏至祭で浮かれ過ぎた人が、少なくとも国内で何人亡くなった」という、身も蓋もない話題でした。とくに若者のなかで、毎年必ず船やボートから酔って落っこちる人が出てしまうらしい。今年もやはり、少なくとも5人の死亡が確認されたと、夏至祭の楽しい様子を伝えるよりもはやく、淡々と報道されていました。なんだかな。


20110625_1.jpg

夕方7時のバスで、いよいよラヌアを発つ時がやってきました。

思いがけず、一週間も長居させてもらった、とても居心地のよかった美しい湖畔の街。

暮れない夜には毎晩サウナで心身の老廃物を出し切って、無音の湖で泳ぎながら考え事して。

すべてはやはり、なんだかんだと私に雑用を押しつけながらも可愛がってくださったヨルマさん、そして毎日冷かしにきてくださり、夏至祭で一緒に踊りあかした、あたたかな街の皆さんとの出会いがもたらしてくれた心地よさあってこそでした。いい街と人に出会えて、旅冥利に尽きる日々でした。

最後にバス停まで送ってくださったヨルマさんとは、お互いしんみりは避けてニヤリと笑いながらハイタッチして、またね、とかるい挨拶であっさりお別れ。宿のほうに戻っていく車を見送っている間、にわかに寂しさに見舞われましたが、それと入れ違いですぐに長距離バスが目の前にやってきて、わたしはまたすぐに、孤独を愛する風来坊の心意気を取り戻したのでした。


20110625_2.jpg

20110625_3.jpg

ラヌアから2時間ばかり、延々と森か農地しか見当たらない一本道を揺られて、夜の9時過ぎ、次なる目的地、オウルの街に到着。オウルは、すぐ対岸がスウェーデンとなるボスニア湾に面した学術産業都市で、緯線上ではラヌアからもけっこう下ったことになり、こころなしか空気が暖かく感じられ、この時間にしては日の傾きも少しきつくなった気がします。なんといっても、ラヌアの街と比べれば十分すぎる大都市で(国内に置ける位置づけや相対規模としては、ちょうど日本の仙台あたりじゃないかと思う)、通りの複雑さや建築群の存在感に少々息苦しさを覚えてしまうほどでした。



さて、オウルでは3日あまり滞在を予定しているのですが、お泊りさせていただく場所がかなりおもろいのです。

ぎりぎりまで予定を決めかねていたので、いざ急遽探し出しても手頃な宿が見つからず(というか、夏至をはさんだので安宿はどこも電話にすら出てくれず)、焦りながらネットで最新情報をおっかけていたところ…なんとたまたま、どこかに一軒のホテルやホステルを持つわけではなく、オウル市内の一般アパートメントやマンションの空部屋を借り上げて、短期滞在者に安く提供しているユニークなオフィスが見つかり、しかもちょうど私の滞在予定期間内でマッチングしたのが、ビジネスホテルよりもずっと安い値段で、駅前の一頭地にあるダブルベッド、キッチン、ネットつきのスタジオ規模の部屋を使い放題、という願ってもない高待遇物件だったので、迷わずすぐさま電話して部屋を押さえてもらったのでした。

オフィスで鍵と住所を受け取り、たどり着いた噂の高待遇物件は…



じゃじゃーん!!


20110626_4.jpg

ふっかふかのおおきなベッドも、


20110626_2.jpg

あらゆる設備や食器が完備された申し分ないキッチンも、


20110626_3.jpg

さらにプライベートサウナとひろーいシャワールームまでもが完備された、


20110626_1.jpg

陽当りも抜群なザ・ラグジュアリーマンションの一室だったのです!!


20110626_8.jpg

ベランダからは、駅舎も目と鼻の先で、街の歴史建造物なども眺められますよ。

なーんと…この贅沢ひとり部屋を、まる三日間も独占しちゃってええんですか!?


なんてったって、広々キッチンに気分上々。久々自由に自炊ができる〜
コンロ4口、レンジにオーブン完備ですよ!!その気になれば何でも作れちゃうではないか。

もうこうなりゃ毎食自炊で完全節約生活を目指そうではないかっ



そう思って、さっそく近くのスーパーに買出しに。

キッチンには、食器やコーヒーグッズは充実していたものの、調味料はまったくありませんでした。
いくらなんでも、数日の滞在のためにずっしりと塩やスパイス買うのも馬鹿らしいし…悩んだ末に一本だけ買うことを決意した我らがマルチ調味料、それはもちろん、

醤油。


醤油の小瓶なら、もれないように気をつければ今後の旅でも役立つかもしれないし、何より私、出国してからのここまでの半月、結局一度もお米や日本食を口にせず、我慢してきたのです。そろそろここらで、派手に解禁してもよいではないですか!


というわけでまずは米!
味も意外においしい懐かしのイタリア米を、1キロたったの150円で購入。


そして油なし、醤油一本で美味しくいただける名野菜と言えば、ばたばた東京自炊生活を幾度も救ってくれた、ナス、ズッキーニ、アボガド三兄弟!そしてフィンランド産の美味しいキノコと、あとは醤油のベストフレンド、ツナ缶!!


20110626_9.jpg

この黄金五種を中心に、レトルト食品の力も借りながら3日分の必要食材を揃えてきて、しめてジャスト18ユーロ(約2100円)。やっぱり自炊は断然安くつくので不可欠。


20110626_10.jpg

5年ぶりに鍋で炊いたお米は、うむまだまだ当時の勘とスキルも劣っておらぬようで、無事にふっくら美味しく炊きあがりました。嗚呼やっぱりNoコメNoライフ!!

ううーお醤油の味よ、ご無沙汰しております(ToT)
やっぱりこれが一番美味よと、私の身体も申しております。

奥のスープは完全に出来合いレンジでチンなのですが、このsaalioinenという食品会社の出しているレトルト食品、とりわけ各種スープは、ごろごろと風味や食感そのままの具材が入っており、低価格にしてなかなかの満足感が得られるので大変オススメです。
こうして白いお皿に移すだけで、りっぱな一品メニューに早変わり。


20110626_7.jpg

食後には、ふらりとはいったナチュラルフードのお店で衝動買いした、ちょっと変わった茶葉をさっそく淹れてみました。左から、タンポポ、白樺の葉、そして右のは「オーロラ」と名付けたれたブレンドブラックティーで、これは完全なる名前&ジャケ買い。


20110626_5.jpg

今宵はタンポポティーにトライ。
うあー、まさに、野草タンポポのあるがままの味と香りを濃縮した感じ。お砂糖を入れたりブレンドにしないと、ちょっとこれだけでは美味しく飲めないかも…次回、白樺に小さく期待。

そして、サウナでさらにのーんびり。
湖に飛び込みにいけないのは少々不完全燃焼になるけど、じゅわっと体が熱波にさらされるときのリラックス感、毎日でも大歓迎。

ふうー、こんなにゆったり広々した部屋で、何に急かされることもなく、好きな音楽を聴きながら自分のための時間を過ごせるって、本当に幸せなこと。
せめてこれくらいの広さと快適さを備えたお部屋に一人暮らししたいものやわ。今の自分にとっての、まさに憧れサイズのお部屋。実際に借りたら家賃どれくらいするのかしら。


20110626_11.jpg

などとぼんやり考えているうち、ふとお向いの建物の壁が真っ赤に染まっているのに気づいて、思わずベランダに出て見渡した空は、薄紫色から紅色へ、紅色から橙色へと三段階に色変わりする不思議な夕焼けを浮かべておりました。明日も良い天気でありますように。


ayana@oulu.fi



posted by こばやし あやな at 06:57| Comment(0) | Suomi×ごはん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月26日

夏至祭を踊り明かそう!

20110624_4.jpg

極北民族魂を一年でいちばん鼓舞するともいわれる「夏至」を迎えたウキウキの今週は、金曜日が夏至イブ(Juhannusaatto/aatto=アーットは大晦日という単語にも使われる「イブ」を意味することば)でほぼ祝日扱い、翌土曜日が、暦とはずれるけれど夏至日(Juhannus)指定で、もちろん国民の祝日です。

ニュースを見ていると、今週は週そのものが夏至ウィーク(Juhannusviikko)と呼ばれていて、週明けからさっそく気になる週末お天気や帰省ラッシュ状況などの関連ニュースがせっせと報道されておりました。ちょうど日本でのお盆ウィーク突入の高揚感を思い出させてくれる浮かれっぷりですなー。ちなみに、木曜日でお仕事を終えた都会の皆さんが金曜日の朝から一斉大移動をはじめるので、帰省/別荘行きラッシュは、金曜のお昼間にかけてがピークとなるようです。


20110624_13.jpg

そんな夏至ウィークのハイライト、夏至祭が各地で繰り広げられるのは、イブの日の晩から、その明け方、おのおのが疲れるまで。とりわけ夏至日に移ろう0時の瞬間には、コッコ(kokko)と呼ばれる大きな「とんど」に一斉に火が点火されて、「素敵な夏至の日を!」と口々に交わす人々のエネルギーも最高潮に達するのです。(写真は、2007年に観ることができた、雪山を背景に燃え盛るコッコ)


一人でも多くの「はたらく人」が大事な人と大事な場所で夏至祭を満喫できるよう、あらゆるお店は、およそ木曜いっぱいでひとまず閉店。なので皆さん、木曜日には血相変えて、週末楽しむための食料やらを買い込んでらっしゃいました。だいたいどの人の買い物かごにももれなく見受けられるのが、家族でつついても簡単に食べきれないであろうサーモンのおっきい塊と、フィン人が愛してやまないマッカラ(グリル用極太ソーセージ)お徳用パック。


20110624_10.jpg

そして金曜日には、朝からそこここで青×白の国旗がはためく代わりに、街のセントラルに近づくほど奇妙なゴーストタウンと化すのです。


20110623_58.jpg

この国での夏至の日の過ごし方は、都会人と田舎人とでなんとなく分かれる気がします。一刻もはやく自然とたわむれたい欲の高まる都会からは、両親の実家だったり、地方の湖畔に土地を買って所有しているサマーコテージに、家族親戚や友人を誘い合ってこもりにゆく人が多数。

いっぽうで、まさに万年森に生きる人たちだって、航空写真にはほぼ緑一色にしか映らない国土のあちらこちらに暮らしているわけで、そんな皆さんは、あえて他所のコテージに赴くこともなく、自分たちの愛する街や村のどこか一箇所に集まって、家族のようなご近所さんと一緒にこの輝かしい夏の一夜を賑やかに楽しむのが慣習のようです。


20110624_15.jpg

私自身このユハンヌス当日をフィンランドで迎えるのは、まだ今回が二度めです。
この夏至にあわせて渡航してきた私を、ありがたいことにさっそく各地のフィン友達が自慢のコテージに誘ってくれました。けれど、キルピスヤルヴィというフィンランド最西北端の小さな村で迎えた感動的な2007年の夏至祭についで、今回も、上記でいうところの後者の人々による、郷土愛に満ちたにぎやかで温かな夏至祭を再びこの目に焼きつけたいという思いから、あえて今週に知人たちのもとを離れて、単身ふらりとラップランドへと隠遁してきました。

ほんとうは、もっと北の果てでトナカイ使いとして生きるサーミ民族のともだちの村を訪れて、その稼業を手伝いがてら村の夏至祭に参加させていただくプランもあったのですが、年々経験を積んで同業者の組織の中でも立場の出来てきた彼女と、なかなか都合が合わず今年は断念。じゃあどうしようかなあと思いながら、ひとまずやってきたこのラヌアという無名の小さな街が思いのほか居心地良くて、たった数日の滞在のあいだにどんどん街の人や滞在客とも顔馴染みにまでなれた。そんなラヌアの今年の夏至祭は、たまたま私のお宿のど真ん前がメイン集会場に…とここまで強い引きがあっては、ここで今回の夏至を迎えずしてどうすんねん! とね。


20110624_1.jpg

夏至イブの金曜日、お昼すぎからお宿の前に特設会場の足場が組まれて、だんだんと慌ただしい空気が漂い始めました。オーナーのヨルマさんも、大張り切りでがら空きの納谷を利用した一夜限りのバーカウンターのセッティング作業を進めてゆき、一応客であるはずの私にも容赦なくあれこれ手伝いを命じてきます。

「なんたって、今日はここにオーケストラが来てくれるんだよ!生演奏をバックに踊り明かせるだなんて、すごいだろ?」

と得意げなヨルマさん。え、オーケストラですか?ほんまに??
オケといわれると、私にはどうしても我らがクラシカルな大音楽隊しかイメージできないのですが、まもなく現れてリハーサルを始めた「オーケストラメンバー」たちは…


20110624_2.jpg

うん、どう見ても同族のオーケストラじゃないよね。


20110624_7.jpg

湖畔サウナもこの日はかなり早いうちから温め始めて、夜を待ちきれずにやって来ちゃった気の早いご近所さんをおもてなし。
残念ながら、夜が雨予報ということで、今年のコッコはあらかじめ中止決定となってしまいました。夕方はこんなに天気がよかったのに。しかも実際は、11時ごろにわかにぱらついただけで、あとは雲がちだったものの一切強い雨に降られることないまま翌朝を迎えたんですけどね。嗚呼せっかくだからあの白い夜の空を焦がすような火の山が今年も見たかったんやけど。また来年、か。


20110624_9.jpg

ともあれ夜の8時頃から、オーケストラもとい4人編成のダンス音楽演奏メンバーが気ままに演奏を始めると、静かな森の町のはじっこまで聞こえているんじゃないかというその心揺さぶるリズムを聞きつけた街の人が一人また一人と集まってきて、ある人はさっそく飲みはじめ、ある人はまず踊り出して、ゆるりとラヌアの夏至祭がスタートしました。
皆さん、いつもコーヒーを飲みにやってくるときより、若干おめかししらっしゃって素敵。


私は、突発的な手伝いの引受役も兼ねて、ヨルマさんのそばにいることが多かったのですが、彼が相当にこの街の皆さんの人気者であることがようわかりました。来る人来る人、まずはヨルマさんを見つけるなり満面の笑みで近づいてきて、「今年もありがとう」と握手を求めてくる。

「俺は電話番号を覚えるのは達人だけど、人の名前を覚えるのは苦手だから、半分くらいは名前わかんないんだけどね」

とこっそり耳打ちしてくるおちゃめなヨルマさんも、いつものボロボロ水色タンクトップをいつの間にか着替えて、今日は全身真っ白で気取り気味のルックス。

で、いつの間にか「ヨルマは日本人を嫁にした」という根も葉もない噂まで流れはじめるなか、私のほうにも多くの地元民さんが興味本位で話しかけにきてくださり、時間とともにダンスへのお誘いもだんだんと増え始めました。


20110624_11.jpg

そう、今宵の夏至祭のメインイベントは、なんといってもダンスパーティ!

ラヌアの街に限らず、フィンランド人は、日頃シャイな民族性を全面的に押し出してくるわりに、何かにつけて社交ダンスが大好きな国民なのです。特に、年配の方々は一様に。バンドメンバーが演奏し、歌っているのは、全部ダンスありきのSuomiフォークソングばかり。ポルカ、ワルツ、タンゴ…ちょうどディスコのDJのように、バンドが常に踊り場の雰囲気を読んで、ムード良く次の曲へとつないでゆきます。


20110624_5.jpg


20110624_6.jpg


うーん、皆さんどうしてこんなに見つめ合いながらも足をこんがらがらせず楽しげに踊れるのかしら…ステップの基本さえ知らない私にはただただ不思議で、そしてただただ羨ましい、この軽やかな愛にあふれた森の中のダンスフロア。
だって、こんなに堂々と、がっちり体を抱き合って、互いの目を見合いながら、故郷の詩とメロディに身を任せて揺れ動いていられるなんて。仲睦まじいご夫婦ペアが基本ユニットだけど、面白いことに一時的に知り合いの奥さんをとっかえ引っ変え踊ってるペア同士もいるし、同性の友達同士もアリだし、もちろん会場内で出会った人に気まぐれに声をかけて(あるいはここぞとばかりに本命にアタックして?)フロアに誘い出していく人も、男女問わずたくさんいる。

ああまさに、素朴な愛情にあふれた、この街らしい夏至祭の風景だ。


私も、誘われるがままにいろんな方と躍らせていただき、見よう見まねの余所者ながら、巧みなエスコートのもとなんとなくその楽しさを共有させてもらいました。街の警察の署長さんとも一曲(笑)


ただ、まあやっぱり街自体に年配の人が多いし、音楽もある意味「古臭い」もののオンパレードなので、とりあえず今年も流れでやって来たような若者たちはダンスはやや倦厭傾向。バーの隅っこに固まって、やんちゃするわけでもなくしっぽりと飲みながら、やれやれオッサンオバサンたちは…てな目線を投げかけてるのもちょっと可笑しかった。今後、彼らはなんだかんだでこの踊り明かし夏至祭を継承してゆくのか、はたまた、いずれまったく雰囲気の違う未来の夏至祭を生み出していくのか・・・


20110624_8.jpg

室内(お宿の食堂)では、カラオケ大会に興じる人たちも。素人のど自慢のわりに、みなさんやたらめったら歌が上手くてびっくりですよ。ついでに、曲のタイトルコールと同時にカラオケ演奏の調性(d-duuriとか)がちゃんと表示されてるのもなんだか新鮮。


20110624_3.jpg

0時を迎える直前には自然発生的におのおの一度動きを止め、周りの人たちと手をとりあってその瞬間を喜び合ったのですが、その前にも後にも、だれか司会者が流れを仕切ったり閉会宣言するようなことは一切なく、とにかく何時になっても、おのおのひたすら、飲んで、歌って、踊りつづけるばかり。オーケストラも、かれこれ6時間以上ぶっ通しで演奏し続けていたのですよ!!!

私はといえば、いろいろな方と楽しくお相手しているうちに1時をまわったころからすっかり眠くなってきてしまって(ちゃんとこういう時間に眠くなるなんて、私もここにきてようやく真人間の就眠サイクルを取り戻せたのね。。。涙)、全身にじわじわと踊り疲れもおそってきて、2時半には完全ギブアップ。

仲良くなったあらゆる人に「アヤナ、今日がなんの日かわかってるの!?年に一度の夏至祭なんだよ!!今日を過ぎれば、冬まっしぐらなんだよ!!!」と執拗なまでに引き止められつつ、もちろん彼らのその熱意を芯まで共有してみたいと思いながらも、まだまだこの最果ての地に根をはりきれていない私では、一緒に燃え尽きることまではできませんでした。それでも、ほんの数日前までは出会ってもいなかったこの街の皆さんが、いつのまにやら自分のような言葉も不自由な部外者を輪に入れてくれて、こうして一年で一番大事な行事に快く迎え入れてくださったことは、ただ外から眺めるだけだった4年前の夏至祭と違って、私の心だけでなく身体にも、しっかりと彼らの熱を帯びさせてくれたのは確かです。


来年もまた、この特別な一夜をこの国で迎えているのか。もしそうなら、今度は誰と、どの街で、どんなふうに過ごしているのだろう。
きっとこの日の過ごし方が、またそのときの、自分とこの国の付き合い方を写し取っているはずという期待を込めて。

Hyvää juhannusta!!
素敵な夏至の日を!



ayana@ranua.fi


posted by こばやし あやな at 11:43| Comment(0) | Suomi×歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

真夜中の夕焼けもしくは朝焼け

20110623_1.jpg


20110623_4.jpg


20110623_5.jpg


20110623_3.jpg


20110623_2.jpg


20110623_14.jpg


20110623_13.jpg


20110623_9.jpg


20110623_10.jpg


20110623_15.jpg

posted by こばやし あやな at 20:57| Comment(2) | Suomi×歳時記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

北極圏動物園

20110623_57.jpg

今日はフィン来訪一番の最高によいお天気。朝から(いつからが朝なのかよくわかんないけど)すうっと魂を吸い込まれそうなくらいの澄み切った青空に湖面も染められて、目に入る景観のほとんどが、青と緑の二色刷り。


20110623_59.jpg

というわけで、この好天を待って、ラヌアの街のはずれにある自然動物園に遊びに行ってきました。北極動物園の別名のとおり、ラップランドや北極圏に生息する動物たちを観察できるご当地ならではの動物園です。世界最北端の動物園なのではなかろうか?
動物園だけでなく、たくさんのお土産屋さん(ファッツェルの激安直売店もあり!)やキャンプ場施設なども併設されているので、家族連れなどで日をまたいでゆっくり楽しめます。

チケットを買うとき、日本語のパンフレットもあるよと手渡されたので、失礼ながら思わず「こんなところに日本人も来るの?」と聞きかえしてしまいましたが、クリスマスシーズンにロヴァニエミのサンタ村やオーロラハンティングにくる方たちが、ついでに足を伸ばすことがあるそうですね。しかしあの季節(寒さ、日照時間)に屋外動物園というのは、見る方も見られる方もツライのではと思うのだが。。。


20110623_56.jpg

ゲートをくぐると、そこは一見ただの森の散策道。天然の生態系のまま生い茂る森の中にウッドデッキと手すりが敷かれてて、訪問者を順路に導いてくれます。
動物たちのケージも、もちろんネットやフェンスで囲いはつくってありますが、中は可能な限り実際の自然世界の生息地を再現してあるようです。だからこそ、ついそのまま外に飛び出していけないのは少しかわいそうですが。


20110623_33.jpg

あれっ君、おりから逃げてきたのかい?てな野生のリスたちもうろちょろ。


20110623_55.jpg

最初に元気よく出迎えてくれたのはカワウソ君。フィン語でSaukko(サウッコ)というそうで。


20110623_53.jpg

20110623_54.jpg

そのあと前半は、鳥類のエリアが続きます〜
北極圏に生きる鳥といえば、フクロウやミミズク、ワシなどいかにもたくましそうな種が代表的。フクロウって、典型的な夜行性のイメージだけど、ここで見た奴らはなんてことなく朝から活発に活動してた。やはり夜が暗くならないと、鳥類も時差ボケしてくるものなのか?


20110623_51.jpg

おや、白鳥さん発見。アヒルみたいに地上をぺったぺった歩いてるところは、意外と見る機会がないような…


20110623_50.jpg

ん?ファインダーめがけてどんどん接近してくるぞ…?



がぶっ!!

…ええ、このあと私、腰丈のフェンス越しで、機嫌を損ねた白鳥に大襲撃されたのでした。。。服のリボンを引きちぎられそうになったり、嘴でど突かれたり!!
おりの横には、「白鳥は機嫌悪くなりやすいので注意」との看板が…。そんな短気な輩だったとは知りませんでした、ごめんちゃい。


20110623_61.jpg

アヒル君のほうが穏やかそうで私好みやなー


20110623_47.jpg

イノシシ…は、地元神戸でちょくちょく目撃していたから、さほど珍しくはない。


20110623_39.jpg

オオヤマネコは隠れたご当地人気アニマルだそうで、少年との交流を描いた有名な国内映画もあるのだとか。



さてこのあと、いよいよこの動物園のハイライト、北極グマ(ご当地ではJa:a:karhu=氷グマと呼ばれます)の広大な住処へとお邪魔するのですが…

ん、どこにもおらんで??としばらく見回してたら、どでかい敷地の一番隅っこで…



20110623_46.jpg

へたっとる!!!


20110623_44.jpg

いや何せ今日はこの地で20度を超える猛暑?日。
本来なら北極の氷の上にのって年間何千キロもの大移動を続けてるはずの白熊さんが、こんな氷も何もないただの岩盤に連れてこられて、マトモに生活できるわけがなかろうに。。。一概に北極動物園と行っても、それぞれの生息環境は大きく違うでしょうから、一番最北端から連れてこられた動物たちには、やっぱりキツイよねえ。それにしても、昔、冬のプラハの動物園で見た白熊さんのほうがよっぽどイキイキしていましたよ…


20110623_41.jpg

手前のやつはもはや、TVの前で足組んで寝そべってる休日のおっさんです。


20110623_45.jpg

一応名誉のために、本来ならこれくらいの体長と風格で、この動物園随一の威厳を放っているのですよ〜


さらにこのあと、動物園の副首相、ヒグマのケージへと続くのですが、やっぱりここも


20110623_40.jpg

も の け の か ら !!!

おいーーどこおるねんーーー!一頭だけ、日陰で岩同然にうずくまってる小熊がいただけやった。


さらに



20110623_38.jpg

おぉ、オオカミ発見!(ちなみにオオカミはフィン語でSusi=スシなのです)
と、思ったら…


20110623_37.jpg

うーん ムニャムニャ・・・


20110623_36.jpg

zzZZ。。。


おーいーー!!

天下の狼がそんな無防備でどうする〜赤ずきんのおばあちゃんをもひと飲みする威厳はどうした!!


20110623_62.jpg

クズリというでっかいイタチのような動物も、


20110623_30.jpg

たまに街で人身事故を起こしてニュースになる、巨大舞茸のような角をもったヘラジカも、

揃いに揃って夏バテ中。
うーん、この動物園は、無理して年中オープンにしなくてもよいのではないだろうか…(あとで地元の方に聞いた話では、午後のえさやりの時間後は、多少元気を取り戻すので夏は夕方に行くのがよいそうです)


20110623_63.jpg

「みんな寝てるやんー!!」とダダをこねる子供をなだめるかわいそうな親御さんも多々いらっしゃいましたが、それでも園内には良いタイミングでアイスクリームスタンドもあるし、


20110623_34.jpg

20110623_35.jpg

このようなアスレチックなども点在しているので、夏に来た子連れの方は、あれこれ気をそらしながらうまく子供のテンションを保ってあげましょう。


20110623_32.jpg

じゃーん、こんな超斬新な顔はめも突如出現…どんな表情して人間以外のリアルな動物になりきればよいのか。


20110623_29.jpg

こちら、重たそうな体のわりに、暑さにまけずけっこう頑張って動き回っていたジャコウウシ。
けれどはっきり言って申し訳ないけど、この醜い姿を晒してのそのそ歩くのを見てると、「この世の数ある生きとし生けるもののなかで、オレはなんでこんなケダモノのような姿に生まれてきたんだろう・・・」という哀愁が伝わってくるようで、見ているほうも切なくなってきます…


20110623_28.jpg

最後にようやく登場するラップランドのヒーロー、トナカイ君たちは、やっぱりいつ見ても愛くるしくて見飽きないけど、でも正直、そのへんの道や森でもわりとしょっちゅう見ることはできます。昨日も突然バスがブレーキ踏んでスピードをゆるめたので何事かと見れば、トナカイたちの群れの横断待ち、という。トナカイ青信号は人間界の交通ルールより絶対で優勢なのですね。


メインのルート(全距離約2.5キロだそうです)はここでおしまい。
うーん、まあ、14ユーロに見合う満足感が得られたかどうかは甚だ謎ですが、北極圏という厳しい環境の生態は得てしてこういうものである、という現実を思い知れたのと、たっぷり安全な森林浴が楽しめたことは確かです。


20110623_27.jpg

出口で出迎えてくれた、この動物園のミッキーマウス的存在(であるはず)の着ぐるみ。こいつがまた、ミッキーの尾の先にも及ばぬ真摯さの欠如を晒していて、園内を歩いている姿を見かけても、


20110623_24.jpg

朝会のジャンケンで負けたスタッフが仕方なく引き受けてます、ってな、本物の白熊さながらのだらけっぷり!!そりゃあ子供も駆け寄ってきませんわ(笑)


20110623_25.jpg

いっぽう清掃の女性スタッフのコスチュームのほうが、よっぽどメルヘンチックでかわいい!


メインの園外には、さすがに北極圏の動物だけでは地味すぎて集客性に欠けると感じたのか、いちおうもう少し汎用性のある動物ランドも併設されています(象やキリンはもちろんおりませんが)。

ただやっぱりこちらの動物たちも、得てして


20110623_23.jpg

寝 て る。
(しつこいフィン語解説もこれで最後ですよ。ブタはSika=シカといいます)

曲がりなりにも、自分で狩猟採集しなくても美味しい餌を与えられるぬくぬくした環境につれてこられたからには、もう少し、愛嬌というか、見られてる自覚が芽生えないものなのだろうか・・・まあ、人・動物ともに、その気取らなさが、いわゆるフィンランドクオリティである、と言い切ってしまえばそれまでなのですが。


20110623_22.jpg

最後のおりで米良さんに遭遇(笑)


20110623_26.jpg

なんか絶妙すぎてコメントにつまる、タコのおっさんのベンチ。

20110623_60.jpg

結局愛想よかったのは鳥類だけやったな〜


20110623_20.jpg

パーク内のレストランでご飯を食べて、みやげ物屋さんを少し覗いてから、3キロばかり何にもない緑道をのんびり歩いて帰宅しました。ああ、相変わらず気持ちいい天気。帰ったらヨルナさん(れいの宿を経営するおっちゃん)が今晩のサウナ用の薪準備してて、ちょっとだけ薪割りなどを手伝ったあとで仮眠タイム(結局寝たいときに寝てる生活は私も同じというわけです)。明日はいよいよ夏至祭です。テレビでも、ちょうど日本のお盆の帰省ラッシュ報道のように、こぞって高速の渋滞模様を伝えていておもしろい。全国的に、やっぱりあんまりお天気はよくないみたいですが。


Ranua Ela:inpuisto -Ranua Wildlife Park
http://www.ranuawildlife.com


ayana@ranua.fi


posted by こばやし あやな at 20:46| Comment(4) | Suomi×生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月23日

職人たちの森を訪ねて

20100622_1.jpg

以前から、ラップランドにはたくさんの芸術家や職人さんたちが工房を構えており、伝統的なものから前衛的なものまで、多種多彩かつ独創的な作品を生み出していることに興味を抱いていました。

今回日本を出る前に、個人ウェブサイトをお持ちで木彫りの置物作品を作ってらっしゃるエルッキ・オヤラさんという職人さんに、メールでラブコールを送ってみたところ、工房を案内してあげるから是非いらっしゃいと嬉しいお返事をいただいたので、本日ラヌアからバスでプダスヤルヴィという街まで移動し、エルッキさんの息子さんご夫妻に車で迎えにきていただいて、彼のワークショップを訪問してきました!


プダスヤルヴィという街はまさに、個性的な芸術家たちの工房やアトリエの宝庫だそうで、その多くの方が、街中よりも近郊の森の中に、ひっそりと自邸や制作場、展示室を構えて作業に没頭していらっしゃるようです。中心街からエルッキさんのおうちに車で向かう途中に一軒、同じ木工職人仲間だというリスト・ブオルマさんの工房にも連れていっていただきました。


20110622_7.jpg

このふっくらまんまる素朴な木製カップ、フィンランド観光に来たことある人なら、港のマーケットや土産物屋で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これは、白樺の木をくり抜いて作られる、ラップランドの伝統工芸品としてとても有名なデザインのカップです。


20110622_5.jpg

こちら、お洒落なウエスタンハットをかぶって出迎えてくださったリストさんは、その売れっ子名職人のひとりで、誰も寄せ付けないようなうっそうとした森の中で、サイズやディテールのさまざまな作品(持ち手がトナカイの角で出来ているものなどもあります)をこつこつと丁寧に作り続けていらっしゃいます。かなり強度のある木で出来ているのに、そのあぶくのような曲線美と丁寧にやすられた表面の質感からか、とても柔らかな素材で作られているかのように思えてきます。


20110622_8.jpg

ミニチュアに革紐を通したアクセサリーなども。


20110622_6.jpg

いっぽうで、そんなやさしい作品たちとは一線を画した世界観を醸し出している、迫力の置物作品も手がけています。これは、ペイッコと呼ばれる、フィンランドに伝わるトロール(妖精のような、妖怪のような…)の人形(ちなみに、ムーミンもペイッコの一種として描かれています)。素材は、藁や草、白樺の皮など、全部そこらの森や畑で手に入る自然由来のものばかり。間近で見ると結構グロテスクで怖いんだけど、それでもなんとか愛らしさを保っているのは、やはり周りの森の景観に溶け込んだほっとする素材でできているからこそなのでしょうか。こんな奴がホイッと森から姿を現しても、ちっとも不思議じゃないもんな(笑)


20110622_13.jpg

リストさんの工房を後にし、さらに森の奥深くへと進んでいって、いよいよエルッキさんの工房とご自宅のある敷地へと到着!


20110622_4.jpg

じゃん、これがエルッキさんのつくる木彫り人形作品の代表作です。
屋外作品はどれもなかなか大きくて、全長1メートルくらいあるでしょうか。エルッキさんがお得意とするモチーフはこの熊と鮭で、どちらもフィンランドを象徴する生き物たちです。一体一体に愛くるしい表情と仕草、近づけば細かな毛並みまでが刻まれていて、迫力あるのにかわいい!!
木材はおもに、KONTIOというフィンランドの大手木材メーカー(日本にも北欧ログハウス材として輸出しています)と契約していて、コンティオの会社や工場には、彼の作品がたくさん飾られているそうです。


20110622_3.jpg

工房の壁をよじのぼる熊がいれば…


20110622_12.jpg

白樺で木のぼりする熊もいる!


20110622_2.jpg

木材の香りが立ち込める作業場や、制作に使っている専門工具もじっくり見学させていただきました。うーん、正直、せっかく細かなことまでを説明してくれたのに、知らない用語が多すぎて、半分は理解できずじまい…ごめんなさい。「技」が語る世界には十分浸らせていただいたのですが。

ちなみにこの製作途中の鮭たちは、この冬にプダスヤルビで開催されるアイスフィッシングの世界選手権(!)の入賞者用トロフィーとして仕上がる予定なんやって!別室では、一等賞用のさらにでっかい作品も制作中でした。トロフィーがメイド・オブ・ウッドだなんて、なんて素朴で素敵な世界大会。今年はさらに別のスキー大会の協会からもやっぱりトロフィー製作のオファーがあって、スキーヤーの格好をした熊さんのモデルをただ今試作中なんだと。いやはや、名誉ある素敵なお仕事ですね。


20110622_9.jpg

見物後、「どれでも一つもって帰っていいよ」とたくさんのミニチュア作品が入った箱を出してきてくださり、写真の左側にいる卓上サイズの熊さんをお土産にいただいてきました。「Moi!」と野太い声が聞こえてきそうなおとぼけ熊さん。ああもう可愛すぎてついつい手にとって見入ってしまうのです〜

20110622_14.jpg

後で招かれた自宅にいた、まったく人見知りせず懐いてくる猫ちゃんと熊さんの未知なる遭遇。

奥さんに(本物の)スモークサーモンを乗せて作ったパイとドーナツをご馳走になり、ご家族としばし歓談。迎えに来てくれた息子さんの奥様はなんとタイ人で、出張先の現地で出会って式をタイで挙げたあとに、この無人の森の中にはるばる連れてきたのだそうな。というわけで、気づけば黒髪のアジア人が2人もいる、なかなか国際色豊かな空間でした(笑)


20110622_11.jpg

木材がびっしり収納された倉庫にて、エルッキさんと、たくさんの作品に囲まれながら記念撮影。もう、結構いいお年のおじいちゃんなのですが、是非まだまだ現役であったかい作品を生み出し続けてほしいものです。


さて、帰りはふたたび息子さんご夫妻が、なんとラヌアまで車で送り返してくれたのですが、その途中にもう一軒、やはりラップランドどころかフィンランド国内でも今とても有名な、とある前衛芸術家さんのアトリエに立ち寄ってくださいました。


まずは作品をご覧くださいな


20110622_21.jpg


20110622_15.jpg


20110622_16.jpg


例にもれず、よくぞこんなところに住もうと決意しましたね、と労いたいほどの森の奥深くに突如として現れる、アヴァンギャルドなインスタレーション作品の数々。


20110622_20.jpg

これらの生みの親であるアーティストは、カリ・トゥッキュライネンさんという厳ついサンタさんみたいなおじちゃんで、おもに、諍い、病気、死など人間の罪や苦しみに対する、ご自身の思想やイメージをモチーフにしたシリアスな作品を、身の回りのあらゆる素材やガラクタを集めてきて形にし続けています。


20110622_17.jpg

思索&試作のための作業場も、さすが混沌としている。


20110622_19.jpg

20110622_18.jpg

奥さんは、同じ敷地内にある工房で、伝統的な機織りをしたり、やはり観光地のお土産物屋に出回るような、素朴なアクセサリーを作られているそうです。


20110622_22.jpg

先日ガッレン・カッレラのアトリエを訪れたときも感じたのですが、我々のなかで「森の民族」といえば、得てして静謐さや美しさを好む、穏やかでメルヘンな民族性を想起しがちだけれど、こういう究極の自然の中でインスピレーションを受けながら生きる人たちほど、実際はかなりエネルギッシュで、進取的で、内向的で、大胆にその創造性を広げていく才を秘めているのかなと思わずにいられませんでした。


20110622_10.jpg

エルッキさん、ほか快くアトリエを案内してくださったプダスタルヴィの芸術家のみなさん、今日はおおきにありがとうございました。これからも南方にて新作やその活躍を楽しみにしています!

Erkki Ojala
http://www.puuveistokset.net/

Risto Vuorma
ホームページ修復中

Kari Tykkyla:inen
http://www.tykkylainen.com/

ayana@pudasjarvi.fi


posted by こばやし あやな at 15:21| Comment(0) | Suomiで出会った人たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。